やっぱり百済観音は美しい。
彼女(非常に女性的な仏像様なのでそう呼ばせてもらう)は謎が多い仏様だ。
どこで、いつ、誰によって作られたかなどが全く分かっていない。
分かっているのは使われている木材が大陸のものだということぐらいらしい。
しかしその神秘のヴェールがさらに彼女を美しく見せている様な気がする。
宝物館の一室に彼女は立っている。
お会いする度に稲妻に打たれたような感覚に陥る。
無意識に両手が合掌を造りいつも忙しなく動いている私の口元が動きを止める。
「お久しぶりでございます」
彼女が年に1回程しか顔を合わせる機会が無い私を覚えているはずもない。
しかし口をついて出るのはその言葉だ。
私は彼女に相当惚れこんでいることは自分でも分かっている。
その八頭身の体躯から伸びるしなやかな腕と柔らかな指先。
特に水瓶を持つ指先は木で作られたなんて思えない。
昔、京大生が広隆寺の弥勒菩薩様の美しさに魅せられ仏像に抱きついたらしい。
私も願わくば彼女に触れてみたい。
しかし彼女は先述した通りの薄くて色の無い、しかし屈強なヴェールを纏っている。
それがより一層彼女を美しく見せ、彼女自身を穢れた衆生から守っているのだ。
また来年の今頃、私は彼女にお会いしてあの一言を口走るのだろう。
さて、最近はわりと真面目に減量に取り組んでいる。
わざわざエクササイズのDVDを買ってしまうくらいに。