先日、女性版SASUKE・KUNOICHIをテレビで放映していた。参加者の中で唯一ファイナルステージに進めたのが、パルクールをやっている21歳の女性だった。パルクールとは、壁や建物などの障害物を走る・跳ぶ・登るなどの動作を複合的におこないながら乗り越えていくスポーツである。その女性も紹介VTRで、受け身や側転などを用いて障害物をクリアする動きを見せていた。確かにこのスポーツはSASUKE向きだと思った。
近未来のフランス。バンリュー13地区は政府から見捨てられた無法地帯。バンリュー13地区を支配するタハ（ラルビ・ナセリ）の麻薬を破棄したことでレイト（ダヴィッド・ベル）は追われるが、パルクールの技で街中を逃げ回る。最後は警察に逃げ込むが、警察の裏切りにあって投獄されてしまう。数年後に出所したレイトは、警官のダミアン（シリル・ラファエリ）とともにバンリュー13地区を取り巻く陰謀に立ち向かう。
ダブル主人公のひとりダヴィッド・ベルは、パルクールの第一人者だ。作中でもパルクールの動きを存分に見せてくれる。すごく小さな窓に足から突っ込んでくぐりぬけたときは「うそだろ！」と思った。建物の屋上から屋上へ跳び回る場面で、数メートルの段差を飛んだり跳ねたりでクリアしていくが考えられない！1～2メートルの落差でも常人ならケガすることがある。何より恐怖心が大きい。それを何事もないようにこなすのがすごい。
もう一人の主役、シリル・ラファエリはスタント出身でキックボクシング系格闘技の動きが素晴らしい。「ダイハード4.0」では執念深いタフな悪役をやっていた。「ダイハード4.0」の時は気付かなかったが、身長が低いのは難点だ。（そのおかげで女装しても違和感ない）それは相方のダヴィッド・ベルもそうなのだが、だからこそ体操選手のような機敏な動きができるとも言える。
ストーリーや設定は、こんなことあるのか？と思わずにはいられない箇所もある。近未来のフランスだったら起こり得るのか？リュック・ベッソンが製作しているので、そこは観ている人を楽しませるように作られているのだろう。何も考えずに観ても、パルクール主体のアクションだけで十分楽しめる。僕個人の意見としては、もっと評価されてもいい作品だと思う。
田中 徹矢
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