今回は、443系電車の紹介をしたいと思います。
443系電車の概要
(443系電車 大和路線 今宮駅)
443系電車は1975年に製造された事業用交直流電車です。架線や信号を検測するために作られた車両です。
2編成製造され、1編成は常磐線の勝田電車区、もう1編成は京都にある向日町運転所に配属されました。
鉄道ファンの間では「クモヤ443」と呼ばれていました。
車両構造
(自動連結器側の連結器を使用している姿)
運転台は高運転台となっており、いわゆる電気釜スタイルとなっています。
また機関車と連結することもあるため、双頭連結器が採用されています。
クモヤ443形:架線検測用車両
架線検測用パンタグラフ・窓を搭載しているのが特徴。
クモヤ442形:信号検測用車両
屋根に冷房が設置されているのが特徴
最高速度:120km/h
保安装置:ATS-S(全車) SW・P (京都車)
用途
架線や信号を検測するために作られた車両ですから、これらの検測を行っていました。
JR東日本への継承
勝田電車区に配属された第1編成はJR東日本に継承され、E491系に置き換えられる形で2003年に廃車されています。
第1編成は主に東日本地区で使用されていました。
JR西日本への継承
(京都支所に所属していたD01編成 梅田信号場)
向日町運転所に配属された第2編成はJR西日本に継承され、DEC741形に置き換えられる形で2021年7月に廃車されました。
第2編成は主に西日本、四国、九州地区で使用されていました。なお当編成は「D01編成」を名乗っており、交番検査等日々行うような検査は吹田総合車両所京都支所で、大規模な検査は吹田総合車両所で実施していました。
運用
本州・九州・四国のほぼ全ての電化区間への入線実績があるため全て書くということはしませんが、ディーゼル機関車に牽引される形で非電化区間の唐津線や山口線、山陰線(益田~西出雲)を走行した実績があります。また富山地方鉄道、京都丹後鉄道宮福線といった地方私鉄や第三セクターでも検測を行っていました。
既に全廃された車両ですので、今後の展望は無いのですが、個人的には非常に好きな車両でした。
以上、クモヤ443(443系電車)の紹介でした。