2024年 5月 利根川 戻りヤマメ 地元を釣る意義 | 渓を歩く

2024年 5月 利根川 戻りヤマメ 地元を釣る意義

仕事や雑事に追われているうちに、新緑の季節になりました。藤の花はとうに盛りを過ぎ、ニセアカシアの花びらも散ってしまいました。この2種類の花は、利根川戦線の開幕を告げる指標です。その時期が終わり、ヤマメの活性も上がっているだろうということで、釣りの先生を地元に迎えて、個人的利根川解禁釣行をしてきました。


5月25日(土)利根川初釣り

5:00〜18:30


道の駅こもちで先生と待ち合わせると、車が揺さぶられるほどの強風に見舞われました。釣りにならない…ということで、長いシーズンの先を見据えて、利根漁協管内までポイントの下見ドライブに行きました。


片品川の筋は戸倉に水があるものの、越本〜鎌田エリアは超渇水。幡谷のエリアは常時水が太いですが、旧利根村エリアは渇水。故に老神もチョロチョロ。昭和村の貝の瀬橋より下は、放水が効いていて利根川合流まで水量十分といった感じでした。

次に望郷ラインを走って上牧地区に抜け、水上エリア上流の利根川を見ました。湯檜曽川はチョロチョロ、合流の堰堤は若干オーバーフロー気味で、少し高水でしたが釣りにはちょうど良いくらいでした。


この時点で時計は11時をまわっており、少しやってみようかということで水上駅付近で竿を出したところ、先生と2人で仲良く初物を手にすることができました。





7〜8寸ほどの綺麗なヤマメが釣れました。1番反応の良かったエサはヒラタでしたが、ミミズでも掛かりました。昨今の世の中の流れについて語りながら谷川ラーメンをすすり、月夜野〜沼田〜岩本エリアを眺めたあとに阪東管内へと降りました。この日の下見の移動距離は実に140km。改めて利根川水系の懐の深さを感じました。


夕刻は阪東漁協真ん中あたりの、大きな淵と瀬が連続するポイントに入りました。旧子持村エリアです。17:00をまわると、昼間荒れ狂っていた風が止み、静寂の時間となりました。すると、淵の開きのかけ上がりで湧き上がるようにライズが始まりました。ひとまず、阪東らしい魚を拝みたいということで、表層に浮いているヤマメを取ることにしました。はじめは棚を15cmほどにして、オモリとハリの間を1mほどの長さにして自然に流下するエサを演出しました。ところが、です。アタリは出るもののアワセが効きません。魚がエサを咥えるのですが、オモリとの距離が遠すぎてテンションがかからないのです。アワセが針先に伝わるころには魚が吐き出してしまって空振りが続きました。そこで、今度は目印〜オモリを15cm、オモリ〜ハリの間も10〜15cmにして流してみました。すると、この作戦がハマり、連続ヒットとなりました。



表層を流すと、どうしても仕掛けは流れを切り、自分の方に寄ってきてしまいます。魚に見切られないよう、オモリを軽くして仕掛けが流れを切る速度を緩め、上流に振り込んで空の釣りにシフトして探っていると、強烈な引き込みが来ました。合わせが決まり竿をタメましたが、対岸方面への突っ込みを捌ききれず04号の糸が切れました。


糸が細くてやられたというより、釣り人の対応のまずさで糸が擦れてやられた感があったので、再び新品の04号の仕掛けを張って流すと、すぐに魚信がありました。アワセた瞬間に大きいと直感するような重みでしたが、ドキっとしながらも慌てることなく、ゆっくり2度3度と流れの中を回してタモにおさめることができました。





久しぶりに見た、フナのような体高の戻りヤマメでした。異様なほどの魚影の濃さ、予想を良い意味で裏切る釣れ具合だったので、日帰り予定だった先生が1泊して翌日も朝だけやることになりました。


5月26日(日)5:00〜9:00

先生がゆるい流れを釣るメソッドを開発し、大爆釣となりました。固定観念を取り払い、棚をとるためにフローターを使用しました。戻り系・居着き系よりどりみどりで、尺上含め合計10匹以上の釣果がありました。





6月1日(土)15:30〜18:00

仕事後、夕まずめ一本勝負に出ました。ポイントは今季初めて入る荒瀬でした。前回の淵の釣りは峽ProIIに04号ナイロンでしたが、今回はエアマスターに05号フロロで挑みました。水は若干の減水傾向で、適水勢が数多くあり、気持ちよく流すことができました。





この日も居つきタイプ、シラメタイプが入り乱れで釣れました。最後に尺一寸ほどの良型が釣れました。速い流れの中で掛かりましたが、アタリは糸が止まるような感じで明確に伝わってきました。


6月2日(日)4:30〜6:30

探りきれていない緩い流れを叩きたくて、仕事前に短時間やってみました。この日は釣り大会が開かれていたようで人が多かったですが、バッティングしなくてよかったです。



水面には何の変化もない鏡のようなポイント。大淵の流れ出しで、下流には長い瀬が控えています。その肩の部分です。良い石が入っているので、強い個体が入っているのでは?と予想しました。





マス1匹、尺もの含むヤマメ3匹がテンポよく釣れました。水面の変化に乏しく、流れの緩いポイントは探りにくいですが、竿が抜けていることが多いので、出会いの確率は高いと思います。ただし、水温の低い時期に限定される気もしますが。


まとめです。勝手知ったる地元の釣り場ですから、魚が釣れた経験はたくさんあります。その思い出巡りをすれば、今でもそれなりに釣れると思いますが…。同じことをやっていても上達は望めないし、釣れたときの感動が薄れます。また、有望なポイントを占めてしまうのも、遠くから足を運んでくれるお客さんに申し訳がありません。ですから、釣れたポイントに固執したり、ルーティーンを作ったりするのではなく、釣れても釣れなくても、いろいろな場所でいろいろなことを試す。それが自分なりの地元の楽しみ方なのかな、と思います。


さて、一昨日からの雨で利根川の水が一気に増えました。さらに多くの奴らがあの堰を越えて、戻って来ていることでしょう。増水から減水に転じるタイミングを見計らって、出かけていきたいと思います。