強いオーラを纏いたい | 渓を歩く

強いオーラを纏いたい




最近、仕事で↑の看板の前をよく通ります。 

はっと目を奪われたので、思わず車を停めて写真を撮ってしまいました。車が好きな人になら伝わるでしょうか…?そうです。群馬県を舞台に描かれた不朽の名作「頭文字D」のゆかりの地です。 


 イニシャルD。 

豆腐屋を営み、伝説の走り屋でもある父親によって、中学生の時から秋名(榛名)山頂の旅館に豆腐の配達をさせられていた主人公・藤原拓海が、様々な人物と出会い、そして数々のドライブバトルを経て公道最速を目指す物語なのですが… 


 赤城、秋名(榛名)、妙義の上毛三山それぞれに、手練れの走り屋チームが存在する設定になっています。

妙義エリアは、妙義山最速を公言していた「中里毅(たけし)」率いる妙義ナイトキッズのホームコースです。(最速のはずが、1stシーズンの中盤にあっけなく高橋啓介に負けましたが)


 この中里毅というキャラ。 

確かな技術をもったR-32GTR乗りなのですが、激情型の性格が災いして自分が運転するレースでは毎回かませ犬的な負け方をしてしまいます。しかし、ひとたび他人のレースのギャラリーになると鋭い感性を発揮し、高い分析力で面白いことを口にします。 


 この何とも言えない味のある中里毅が僕は大好きなんですが、彼のセリフの中でとても印象に残っているものがあります。


 1stシーズンで主人公・藤原拓海は高橋啓介から秋名山ダウンヒルの挑戦を受け、秋名の走り屋の誇りを守るために頂上のスタート地点を目指します。沿道でギャラリーを決め込んでいた、中里毅の前を拓海が運転する86が通過したときにその名言が生まれました。 


 ↓ 


 ーいい腕だ。 


 コーナーを立ち上がるあの後ろ姿には 


 えも言われぬ余韻がある。 


 自分の車を手足のように操る域に達した 


 走り屋の車にはオーラが漂う 


 いまの86には強いオーラが出ていた 


 もしあいつが秋名の代表なら 


 この勝負どっちが勝つか分かんねえぞ 


 ↑これです。 


 イニシャルDのアニメを見返していたときに、ふと思いました。この言葉は、釣りにも通じる…と。 


 ↓ 


 ーいい腕だ。 


 竿を振り抜いたあの後ろ姿には 


 えも言われぬ余韻がある。 


 自分の竿を手足のように操る域に達した 


 釣り人の所作にはオーラが漂う 


 あの釣り人には強いオーラが出ていた


見てても全然魚は掛かんねえが 


いつかとんでもねえの釣るかもしんねえぞ 


 ↑こんな感じでしょうか。



ま、でも、いまのままでは全然だめですね。


竿がブオっ!と風を切る音が聞こえるような振り込みをしていては、全く上手に見えません。仕掛けを振り込んでから、糸が流れに馴染む前に、竿を動かして送り出すのも本当に下手くそに見えます。頭では分かっているのに全然直らない。
川原は静かに歩き、まずは遠くに立って手前を大事に釣らなければいけないのに、むやみに立ちこんですぐに魚を散らす。たまたま大物が掛かった時には、慌ててバチャバチャ右往左往…。強いオーラなんて微塵も見えません。


至高の領域は遠い