2021年 5月と6月のヤマメ釣り・サクラマス釣り | 渓を歩く

2021年 5月と6月のヤマメ釣り・サクラマス釣り



桜の季節を過ぎた頃から利根川本流に通い始めました。早い時期はクロカワ虫やキンパクなどの川虫を使うために細めの糸(0.3~0.5号)と小バリで釣っていました。5月ごろから尺を超えるような大きいサイズを狙い、糸を0.6~0.8号にしてハリも少し大きくしはじめました。1日頑張って何の反応もない日もたくさんあるので、1回のアタリがとても貴重な釣りでした。ウェーダー越しに伝わる水の冷たさにじっと耐えながら竿を振っていました。



何年も前にぼくの釣りを見ていたお館様が「仕掛けを流しているとき、お前は流れを作っている」と言っていたことがありました。そのときの自分は、何かがダメなんだなとは感じたのですが、何がどうダメなのかわかりませんでした。いま思い返してみると、オモリが重すぎて仕掛けが流れを切っていたか竿先で仕掛けを引っ張って流していたのでしょうか。自分の中で消化できない部分がありました。

いまも相変わらず迷走中ですが、最近は仕掛けが波に馴染んだ状態で流れる距離を長くするために、軽すぎず重すぎないようにオモリを選ぼうとしています。流れを作らず波なりに、できるだけ自然に流していくためです。また、仕掛けが馴染む場所と掛けたい位置を意識した立ち位置と投入点を考えるようにしています。最も気を遣っているのは竿の送りです。送りが速すぎると水中のオバセが大きく出て根がかりしやすくなり、うまく流すことができません。淵に流れ込むかけ上がりなど水深が徐々に深くなるポイントは、川底に沿って仕掛けが流れるよう、竿の送りをこらえながらじわじわ流す必要があります。(あまり待ちすぎると底波に蹴られてしまうので加減が難しいですが。)これまでは気持ちよく流せないのでこういったポイントを敬遠していました。

なぜ今シーズンは意識的に狙っているのかと言うと、状態のよい大型の魚が着いていることが多いからです。水中の糸がどのように流れているのか思慮を巡らすことの大切さを感じました。
















嬉しい出会いもありました。北陸で増水の引き水を狙い、64cmのサクラマスを釣り上げることができました。早瀬で糸が止まったので合わせて竿をためたものの、手感もなく最初は魚が掛かっていることを疑うほどの微妙な感触でした。魚が首を振る衝撃でようやく大物が掛かったと認識したような感じでした。使っていた糸が0.8号と細かったのですが、初動で瞬間的に竿がたまったため、魚は下流へ行こうにも突っ込めないような感じで、最終的には上流に走りました。それに着いて行く形でいなして無事にタモに収めることができました。貴重な1匹を釣り上げることができ、とても嬉しかったです。夏以降も楽しんでいこうと思います。