あれから潤くんのことが気になって店前を通る人を見てしまう
あの時「またね」と言ってくれたから、ケ-キを買いに来てくれると思いバイトの日数を増やしただひたすら待った
思い人は訪れず、春になった
大学も新年度、新入生のサ-クル勧誘で賑やかだ、俺はサ-クルの勧誘の波を抜け大学のカフェに向かった、大学でのお楽しみの一つ、ここで日替わりケ-キセットを食べること
実は甘いものが好き、ケ-キ屋のバイトも家に近いこともあるが、ケ-キが好きだから♡
ここのカフェは敷地の端にあり静かで緑に囲まれているから気に入っている
「さて、今日のケ-キは…」
ショ-ケ-スの美味しそうなケーキたちを、中腰になり物色していると隣に人影が、同じように中腰になりショーケースを覗いているので何気に見ると
「潤くんっ!?」
「んっ?」
「あっごめんなさい!」
「んっ?…何処かで?」
首を傾げる仕草がなんとも可愛く見惚れてしまった
「…」
「…サンタです‥」
「…あっ!サンタさん!ケーキ美味しかったです!」
「あそこのケーキはほんと美味しいですよね」
「ですよね!今年もあそこのクリスマスケ-キ買います!サンタさんは今年もいますか?」
「もちろん!待ってます!」
「サンタさんのお店なんですか?」
「へへへっバイトです、いつもいるから買いに来て」
「ふふふっ営業してる~」
ふたりでケーキを選び、お茶をした、お互い自己紹介したら同じ学年だった、学部が違うから今まで会うことがなかったようだ、お互いこのカフェはよく来るらしいがなぜか会うことはなかった、そして俺が潤くんの名前を知っていたか話すと、恥ずかしそうに俯きながら微笑んでる潤くんが可愛くて抱きしめたくなった
えっ!?
ええっ抱きしめる!?
えっ俺、潤くんが好き!!そんなことを考えていたら顔が熱くなってきた
「サンタさん顔が紅いよ、大丈夫?」
潤くんの手が頬に触れ、もっと紅くなってしまいそうで急いでケーキを口に入れてごまかした