五木 寛之 著 「青春の門・筑豊編」の舞台に惹かれて、
ボタ山に向かうだなんて、思いもよりませんでした。
飯塚や、
小説の、もはやそれでは無く、
緑のピラミッドになっておりました。
信介みたいに、登ってみよかと、ぐるぐる
周囲をまわってみましたが、叶うはずもなく。
在りもしない『塙組』を捜してみたり、織江と信介が過ごした街の空気や
様子を吸い込んでみたり、ありったけ、かき集めて
舞台となった、遠賀川の橋の下で張ったテントの中で
並べてみました。
テント設営後、すぐに夕飯を整え、いつでも食べられるよう
準備を済ませました、
その日の走路を丹念に地図と映像で辿り、心地よい疲労感に
浸ること小一時間。日暮れをまったりと横になって眺めていました。
~野宿やキャンプの醍醐味はこのへんから始まるのだと思う。
特別何をするでもなく、明日のルートは何だとか、こうだとか
何にもなく、空白を過ごしている時間。
しばらく、やり過ごしていると、家にいても、どこにいてもやってくる
「生活」の一連の儀式。食事、ゴミの分類・片付け、歯磨き、明日への
支度の一切。
このテントの中で完結してる、平穏な生活者の自分!~
空腹を忘れてしまうほど、
持参した小説を日没まで読みふけってしまいした。
食後もLEDライトとガスランタンの明かりの下で
小説の内容を追っていると、あたかも、今その登場人物たちが
この向こうで闊歩しているような、
臨場感をおぼえてしまうのでした。
夜中過ぎまで、意外と、あっという間ですが、
今回は小説、片手に夜中まで没頭するなんて
翌朝はすっきり目覚めて、一目散に
田川市石炭・歴史博物館に向かいました。







