16) 8月3日の朝食 | BIG BLUE SKY -around the world-

16) 8月3日の朝食

第十六話) 8月3日の朝食


七日目は、南タイツアー唯一の休養日。
DS 夫人一家とともに、滝へピクニックに行くことにする。
DS 夫人が料理を作り、AI の友人とともに出掛けることにした。
IDO Boutique 前の通りの売店で、ソムタム (パパイヤ・サラダ) と野菜を買って、二人の住む団地へ向かう。

DS 夫人は料理を作る手を休めずに、朝五時前に市場に行って肉と野菜を買い、下ごしらえをしていると説明する。
試食を兼ねて、モチ米のご飯に豚の角煮揚げとソムタムで朝食にする。
どこの料理とも違う香ばしい味付けに、DS 夫人が以前に一時、パトゥムターニーの自宅で食堂を開いていたことを思い出した。



[豚角煮揚げとモチ米 (ピクニック・ランチの試食)/ハジャイ,南タイ] (2018)
Roasted Simmered Pork and Glutinous Rice/Hat Yai


タウンハウスの台所で料理を作り、自宅前に設置されたコンクリート製のテーブルとイスを占有して、食堂としていた。
客は口コミで増えて行き、息子に手伝って貰うほどに繁盛していた。
しかしながら、2011年11月のバンコク地区洪水が、彼女の成功を奪い去って行った。
ピクニック料理を手際良く作る姿に、かつて繁盛店を切り盛りしていた頃が偲ばれる。



[ジャックフルーツの木/ハジャイ,南タイ] (2018)
A jack fruit tree that is planted in the space beside the parking lot of apartment complex/Hat Yai


料理作りには貢献出来ないので、団地の中を散策する。
駐車場横のジャックフルーツの木から、大きな実が一つ地面に落ちていた。
ジャックフルーツは、東南アジアではよく見かける果物だ。
バンコクではフルーツ屋台での切り売りや、加工したフルーツチップが売られているのを見かける。

それでもジャックフルーツは、あまり人気がないように思える。
マンゴスチンやランブータンの方が手軽だし、ドリアンの瑞々しさには適わない。
団地の中庭でたわわに実っているのに、誰も持っていかないところを見ても、人気はなさそうだ。

ジャックフルーツを眺めながら猫を撫でていると、DS 夫人からそろそろ滝へ行く準備をしましょうとメッセージが届いたので、一号棟の入り口へと向かった。



[ピクニック・ランチ: 豚角煮揚げ,パパイヤ・サラダ (ソムタム),鳥肉・豚肉の和え物 (ラープ),モチ米 (カオニャオ),タイ野菜/ハジャイ,南タイ] (2018)
Picnic Lunch/Hat Yai


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