09) パッタルンの洞窟礼拝堂
第九話) パッタルンの洞窟礼拝堂
南タイツアー四日目は、ハジャイの北西の街パッタルン Phatthalung。
パッタルンを訪ねるのであれば、時間を作って行きたい場所があった。
それは、上座部仏教徒が修業を積む、洞窟礼拝堂を有する寺院,スマノ・ケイブ・テンプルである。
白い僧衣を纏い、寺に宿泊して、比丘/比丘尼のように数日を過ごす。
精神の安寧を得て、再び日常へと戻って行く。
その修業の場を訪ねたいと思っていた。
スマートフォンのカーナビに従って車を走らせると、迷う事なく到着することができた。
[スマノ・ケイブ・テンプルの洞窟礼拝堂へ続く道/パッタルン,南タイ] (2018)
Road to the Buddhist cave shrine, Sumano cave temple/Patthalung
寺を訪ねるために、華美な服装は控えて、白いシャツに長い白いズボンを履いて来た。
寺院の寛容度は高く、異教徒でも多くを問わずに中に入れてくれた。
広く天井が高い本殿の壁一面には、大きな仏画が展示されている。
その幾つかは、かつて友人から送られて来た写真で、見たことが有る。
本殿を出て山腹の岩に開いた洞窟に入ると、一瞬にして熱帯とは思えない涼気に囲まれた。
ここは、おそらく鍾乳洞なのだろう。
さらに進むと地下水が流れ落ちる滝の有るホールに出て、ここが礼拝堂だと分かる。
眼を閉じて合掌すると、洞窟内の涼気が足元を通り過ぎて行く。
[スマノ・ケイブ・テンプルの洞窟礼拝堂の入り口/パッタルン,南タイ] (2018)
An entrance of the Buddhist cave shrine, Sumano cave temple/Patthalung
超自然的なものは自然法則に抵触し、恣意的な仮説の中にのみ存在すると考える。
そのような者でも、ここが上座部仏教徒にとって特別な場所であることが理解できた。
ツアー後に必ず寺で修業するバンコクの友人は、信仰篤い上座部仏教徒なので、この寺のことを知っていると思う。
それでも、修業を目的とする寺へ行こうと、異教徒の自分から誘うことは控えた。
バンコクの友人と私は、いつも集合時間の前に到着して、共に休憩時間を過ごす。
そこで今日は、スマノ・ケイブ・テンプルを訪ねたと、話そうと思う。
もしバンコクの友人が行きたいと言うのならば、後日トランへ行く日に再び寄ることにしよう。
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