06) 7月30日の昼食

第6話)　7月30日の昼食

南タイツアーの三日目は、ハジャイから 250km 離れたナコーン・シ・タマラート Nakhon Si Thammarat へ向かう。
朝 7時にハジャイの IDO Boutique を出て、車を北へ走らせた。
集合時間は 18時半なので、どうやっても間に合うだろう。
タイのガソリンスタンドに付き物の、タイ最大のコーヒーチェーン店 Café Amazon で朝食を取る。

ソンクラー出身ハジャイ在住の Abang が、今回のツアーでの世話役だ。
Abang とはマレー語で兄貴・お兄さんを意味する。
もちろん本名ではなく、タイ語でチューレンと呼ぶ、通称/ニックネームである。



[カノムチーン (カレーそう麺)／ナコーン・シ・タマラート，南タイ]　(2018)
Thai Curry Noodle "Khanom Chin"／Nakhon Si Thammarat


Abang の職業は俳優ということになっており、出演した映画の写真を見せてくれた。
テンガロンハットを被り、ジーンズにブーツを履いた姿は、ウェスタン映画そのものだ。
その手のアクション映画に何本か出演したと言う。
劇場公開されているのかと聞くと、Abang はお茶を濁し、話題を変えてメッカ巡礼の写真を見せてくれた。

タイのモスレムは全人口の 5%で、ハジャイが在るソンクラー県では約 25%。
バンコクにもモスレムは多く住んでおり、タイでモスレムと付き合う機会は日本で想像するよりも遥かに多い。
バンコク出身の DS 夫人の父はモスレムで、DS 夫人の母を含めて三人の夫人が居たそうだ。
また、2016年に北タイを共に廻った Pop は、ハジャイ近郊在住のモスレムだ。



[カノムチーンとタイ野菜のセット／ナコーン・シ・タマラート，南タイ]　(2018)
Thai Curry Noodle "Khanom Chin" and Thai Vegetables／Nakhon Si Thammarat


この日は、街道沿いのカノムチーン (カレーそう麺) の店で昼食にした。
店内にハラール認証のマークは見当たらないが、Abang は大丈夫だと言う。
カノムチーンのセットを、Abang は肉団子抜きの魚団子入りで頼み、お代わりをする食欲を見せる。
そして魚のペースト数缶を、家族への土産に購入した。

Abang と外食を共にしたのは、Café Amazon でのケーキを除くと、このカノムチーン屋での一回のみだ。
いつも、この食事は無理だと遠慮せずに言っていたので、カノムチーンと魚のペーストは大丈夫だったようだ。
些細な事ではあるが、タイのモスレムと食事をする時の対象領域が、また一つ広がった。


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