18) 目の当たりにした交通事故 | BIG BLUE SKY -around the world-

18) 目の当たりにした交通事故

第十八話) 目の当たりにした交通事故

フットマッサージを終えて、スパ店頭のベンチで煙草を燻らせる。
サイドカー式屋台は、そろそろ店じまいの準備にかかっている。
時計を見ると 23時半。
そろそろスパも閉店の時間だ。

その時、衝突音と急ブレーキの音が、夜の交差点に響き渡った。
乗用車とバイクが衝突して、バイクに乗っていた青年が路上に転がった。

「 あの車、信号無視です 」

Erika は交差点の方を向いて座っていたので、信号無視から衝突までを目の当たりにしたのだ。
Erika は携帯で警察を呼び、路上に立ち上がった青年をスパ前のベンチに座らせて、相手の車の運転手を罵る。
青年は、どこにでもいる勤労青年のような風貌だ。



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やがてパトカーと救急車が一台ずつやって来た。
Erika は警官に、信号無視した車が一方的に悪いと、大きなジェスチャーを交えて目撃情報を説明している。
青年は、救急車の乗員に、病院へは行かないと断っているようだ。

救急車の乗員は、青年を残して、救急車に乗って走り去った。
警官達はそれを見ると、車の運転手からの聴取を終えて、パトカーに乗って走り去った。
パトカーと救急車と、事故の一方の当事者の車は去り、もう一方の当事者の怪我をした青年と、壊れたバイクが残された。
この国の事故処理は、このようなものなのだろうか。



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「 警察の偉い人に電話しました 」

Erika は、困っている人を見ると助けずにはいられない。
つてを頼って警察の上役に連絡して、青年と一緒に警察署に行くと言う。
警察署に向かう Erika と青年を、スパの従業員達と一緒に見送った。

今日の Erika は、躁に突き動かされながらも、青年と私の二人を助けてくれた。
Erika の善意・善行に触れる度に、自分も善くありたいと思う。
青年のトラブルが無事に解決されることを願う。

ひとまずこれで、Erika と過ごす二日目の長い一日は終わった。
木の家のリンゴちゃんの部屋に戻って、FOX チャンネルのホラー番組の続きを見ることにしよう。


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