07) 警官氏と共に海へ向かう | BIG BLUE SKY -around the world-

07) 警官氏と共に海へ向かう

第七話) 警官氏と共に海へ向かう

「 ソンクラーの海へ行きましょう 」

Erika の仕事仲間の Lung の旦那さんの車で、海へ行くことになった。
Erika の住む木の家 (木造二階建てのアパート) へバイクタクシーで戻り、海へ行く準備をする。
とは言っても水着を用意するでもなく、レジャーシートとアイスボックスを持ったくらいだ。

Lung の旦那さんは警官で、トヨタのハイラックスサーフに乗って現れた。
Lung は 40代後半に見えるが、警官氏は 30代前半と言ったところだ。
リーバイスのジーンズにえんじ色のポロシャツを着て、スウェードの靴を履いている。
Erika によると二人は事実婚で、Lung は若い男性が好きで警官氏は年上の女性が好き、見た目の印象よりもよほど良い関係らしい。

カーラジオからは、タイのロックバンド Micro による、Gary Moore の Empty Room カバー "Jam Fung Jai" が流れる。
このカバー曲には出て来ない Gary のギター・フレーズを口笛で吹くと、警官氏は笑顔を見せた。
Gary Moore を知っているかいと聞くと、警官氏は親指を立てる。
世界中どこでも、同じ時代を生きる者は同じ歌を知っている。
そういうものだ。



[だれもいないビーチ,ソンクラー,南タイ] (2015)


海辺について、海鮮料理のレストランで昼食にする。
とてもきれいなビーチだが、海辺に人は殆どいない。
モスレムが多い地域のビーチとは、このようなものらしい。
Erika の派手な水着が、お披露目されることはない。

三人はビールで乾杯して、海鮮料理を楽しむ。
酒が飲めず、海鮮料理が得意ではない私のために、Erika はコーラと鳥の料理,肉と野菜の炒め物を頼んでくれた。
海鮮料理を少しだけ摘まんでから、鳥料理に箸をつける。

こんどトゥランの私の家へ来ませんか。銃も撃てますよ。
どうやら警官氏は、私に好感を持ったようだ。
こうやってドライブを楽しみ、宴席を囲むのも縁有ってのことた。

機会が有れば、トゥランをぜひ訪ねたいと思う。



[海鮮料理のレストラン,ソンクラー,南タイ] (2015)


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