06) ハジャイ街歩き ～ リーガーデン・ホテルへの道

第六話)　ハジャイ街歩き～リーガーデン・ホテルへの道

Erika の仕事先が在るリーガーデン・ホテルへ向かう。
彼女は、最上階に近いマッサージ店で働いていた。

「 去年、セブンイレブンと警察で、ボムがありました 」

ボムとは爆弾テロのことだ。
南タイではテロが多いのだが、ここハジャイでも前年 (2014年) に爆弾テロがあった。
セブンイレブンと警察の官舎の駐車場で、車かバイクに仕掛けられた爆弾が爆発したのだ。
その時には、Erika の住む木の家，木造二階建てアパートも大きく揺れたそうだ。

セブンイレブンが、爆弾テロの標的となった理由は、いったい何なのだろう。



[軽トラックの野菜屋台]　(2015)


木の家を出て路地を抜け、美味しいというお粥専門店の前を通り、友達が経営するマッサージ店の店主に挨拶を交わす。
ハジャイの街の雰囲気は、バンコクや北部のチェンマイ，東北地方イサーンの街とは、大きく異なっていた。
中華系の文化とイスラム系の文化とが、その違いを生んでいる。
繁華街には、マレーシアかシンガポールの華人と思しき観光客や、ヒジャブやチャドルを被った女性が行き交っていた。

Erika が勤める店が入るリーガーデン・ホテルは、2012年 3月 31日に駐車場で自動車爆弾が爆発して、多数の死傷者が出た。
それ以来、入場ゲートでは、金属探知機を使った厳しい検査が行われている。
今はチェックが厳しいから心配はないと Erika は言うが、テロに遭った事実に警戒心が湧き上がる。



[ネジレフサ豆 (サトー豆) ]　(2015)　　南タイ～マレーシアでは一般的な食材


「 少し仕事をしますので、マッサージをして待っていてください 」

一日休むと 1,800THB (約 6,230円) の罰金を支払うことになる。
祭日や記念日に休むと、何と 2,500THB (約 8,650円) を要求される。
一日の給料以上の罰金が要求されるところに、この国の労働者の現実が垣間見える。
二時間でも働けば、勤務したことになると言うので、その間、マッサージを受けながら待つことにした。


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