#04-02 Rhyme & Reason/Missing Persons | BIG BLUE SKY -around the world-

#04-02 Rhyme & Reason/Missing Persons

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[Rhyme & Reason/Missing Persons] (1984)


Side-A
1. Closer That You Get
2. Give
3. Now Is the Time (For Love)
4. Surrender Your Heart
5. Clandestine People
Side-B
1. Right Now
2. All Fall Down
3. Racing Against Time
4. Waiting For A Million Years
5. If Only For The Moment


'84年発表の 2nd アルバム。Helmut Newton の撮影による、モノトーンのジャケットに目を惹かれる。ジャケット写真は '20年代ロスト・ジェネレーションのジャズ・クラブ風だが、全編に渡って '80年代ポップ・ミュージックが展開されている。

Missing Persons の活動期間は '80~'86年で、3枚のアルバムを発表している。日本では殆ど知られていないが、本国アメリカでは 1st アルバム "Spring Session M" ('82) と、シングル・カット曲 "Words" "Windows" のヒットにより、成功を収めていた。シンガー Dale Bozzio の露出度の高いコスチュームが、MTV の勃興にマッチしたことが、成功要因の一つに挙げられている。

Missing Persons は Frank Zappa Band のメンバーであった、Terry Bozzio (Ds),Dale Bozzio (Vo),Warren Cuccurullo (G),Patrick O'Hearn (B) の 4人に、 Chuck Wild (Key) を加えて結成された。Terry Bozzio (Ds) は、Brecker Brothers や Frank Zappa Band,プログレッシブ・ロック・バンド UK への参加で既にビッグ・ネームとなっていた。また Terry Bozzio (Ds) に加えて、Dale Bozzio (Vo),Warren Cuccurullo (G),Patrick O'Hearn (B) は、Frank Zappa のロック・オペラ大作 "Joe's Garage" ('79) を始めとする作品に参加していたので、Zappa を聴くような筋には良く知られていた。このようなメンバーの経歴から、日本では一般のポップ・ミュージック・ファンよりも、マニアな音楽ファンに受けていたと思う。

 


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[Joe's Garage/Frank Zappa] (1979)


私が、Miissing Persons を聴いたきっかけは、バンド仲間のドラマーから Terry Bozzio の新作として "Spring Session M" を借りたことだった。当時、私はプログレッシブ・ロック・バンドを率いて活動しており、バンド・メンバー 3人一同、ミュージシャンシップと商業性との狭間で揺れていた時期だった。ポスト・パンク,ポスト・ニューウェイブという時代背景は、ミュージシャンシップを維持することを難しくしており、バンドは経営難に陥っていた。
そのような時期に "Spring Session M" を聴いて、ミュージシャンシップと商業的成功とは両立出来るんだなと理解出来て、ふっと肩が軽くなったことを覚えている。アルバムを貸してくれたドラマーも、同じ感想だったと思う。
バンド外での活動は自由だったので、その後、ドラマーは (後に商業的成功を収める) 女性ボーカリストを擁したバンドへ参加し、私は (後に商業的成功を収める) 男性ボーカリストを擁したバンドへ参加し、ベーシストはジャズ/フュージョン・フィールドでの活動へと軸足を移していった。振り返って見ると、この背景には Missing Persons の影響が有ったと思う。

 



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[Spring Session M/Missing Persons] (1982)


"Rhyme & Reason" を発表から 30年を経て聴くと、サウンド機器の '80年代らしさに古さを感じるが、バンド・サウンドは今聴いても十分に楽しめる。各人のプレイ・スタイルとバンド・アンサンブルは曲毎に異なっており、引き出しの多さは類を見ない。
Terry Bozzio は終始エレクトリック・ドラムを使用している。時代がそうだったから仕方がないが、"Spring Session M" のように、アコースティック・ドラム・キットでプレイして欲しかった。"Spring Session M" での Max Roach とポップ・バンドが共演しているかのような緊張感を、"Rhyme & Reason" でも味わいたかったのだ。
Patrick O'Hearn の非凡なセンスは全編を通じて光っており、気が付くとベース・ラインを追っている。後の New Age での成功も頷ける。

さて、"Rhyme & Reason" がリリースされた '84年初頭には、自身が率いていたプログレッシブ・ロック・バンドは事実上解散していた。このため、"Spring Session M" のように、"Rhyme & Reason" をメンバー 3人で聴いたことは無かった。もしも 再び 3人が集まることが有ったならば、"Rhyme & Reason" を聴いて評し合うことにしよう。

(Miising Persons Official Site: http://www.warrencuccurullo.com/mp/ )


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