#03-14 芝郵便貯金ホール '83/Novela | BIG BLUE SKY -around the world-

#03-14 芝郵便貯金ホール '83/Novela

BIG BLUE SKY    ~旅の空の下で~-1403_ticket
[芝郵便貯金ホール/Novela] (26-Feb-1983)  チケットのスペルが間違っています


1. Divine Comedy
2. Lunatic
3. 調べの森
4. 翼に
5. 奇蹟
6. 星降る夜のおとぎ話
7. Romance Promenade
8. 夢の絵の具
9. 仮面
10. 第三の剣
11. 失楽園への序曲
12. 過ぎ去りし我らの日 ~ドラム・ソロ
13. 地球
14. 黎明
アンコール
15. ローズ・セラヴィ
16. Farewell
17. Secret Love
18. Illusion


関西を活動拠点とするハード・ロック・バンド Novela の、数少ない東京公演。メンバー・チェンジを経て、新作 "Sanctuary" をリリースした直後のライブに、女朋友に誘われて一緒に行った。

Novela の女性ファンは、ウェディング・ドレスを着てやって来る。これは、後にビジュアル系バンドのライブで見ることになる光景の、走りだったと思う。ウエディング・ドレス,ジュラルミン・ケース,ロンドン・ブーツ,手錠,チェーン,鋲付きのリスト・バンドに革ジャン ...  古き良きハード・ロック/ヘヴィ・メタルの記号が溢れていた。

Novela のメンバーも、当然のように化粧をしてステージに現れる。白一色の衣装を着て白いステージで演奏する様子は、まるで箱庭で踊る妖精を見ているかのようだ。新作 "Sanctuary" は未聴だったので、殆どが初めて聴く楽曲であった。


BIG BLUE SKY    ~旅の空の下で~-1401_sanctuary
[Sanctuary/Novela] (1983)


一曲目 "Divine Comedy" は、イントロの 7拍子のリフが "In The Dead Of Night" (UK) を少し思い出させる。と思うと一転して 5/8 拍子から 12/8 拍子へと目まぐるしく拍子が変わり、ストリングスのロング・トーンに乗せて五十嵐氏のハイ・トーンがメイン・テーマを高らかに歌う。
New York Dolls か Mötley Crüe を思わせるメイクと風貌だが、音は Rush に近い。五十嵐氏の歌唱は、Uriah Heep の David Byron を彷彿とさせる。
観客はと言うと、変拍子にノルことは出来ず、ただ見ているに近い。唖然としている間に、メイン・テーマが輪唱されて "Divine Comedy" は終わった。短い中にメンバーそれぞれの見せ場の有る見事な展開だ。期待が膨らむ。

二曲目 "Lunatic" には、また違った意味で驚いた。イントロのリフ、ピアノが 8分音符でリズムを刻みベース・ラインが激しく動くアレンジ、サビへと移る展開 ...  これはまるで Renaissance の "The Vultures Fly High" ではないか?
Novela のバンド名は、 Renaissance の '77年作品 "Novella" に由来すると言われていた。Novela ファンにはブリティッシュ・プログレッシブ・ロック・ファンが多かったので、"Lunatic""The Vultures Fly High" の近似性に気付いた人は、多いのではないのだろうか?


BIG BLUE SKY    ~旅の空の下で~-1402_novella
[Novella/Renaissance] (1977)


バンドは、関西弁でのトークを交えて見事なステージングを見せた。この日のハイライトは、"地球" での速い 5/8 拍子から、シンフォニックな "黎明" への展開だったと思う。"黎明" で平山氏のギターが朗々とメロディーを弾き上げると、ウェディング・ドレスの女性たちは、はらはらと涙を流す。それは不思議な感動の有る光景だった。

そしてアンコールのラスト曲 "Illusion" で、待ってましたとばかりに観客のノリが爆発する。この曲ばかりは、中間部の永川氏による 5/8 拍子の展開も、おかまいなしにノっている。コンサートは大団円となった。

さてこの日、浜松町周辺は、深夜までヘヴィ・メタルが徘徊していたのだった。


< to INDEX >  

 [#0415]