#03-12 Kenso II／Kenso

[Kenso II／Kenso]　(1982)


Side-A
1. 空に光る
2. 麻酔 part1
3. 麻酔 part2
4. 氷島
Side-B
1. ブランド指向
2. はるかなる地へ
3. 内部への月影
4. さよならプログレ


'82年発表の Kenso 2nd アルバムは、1st に続いて自主制作盤として発表された。
このレコードを見かけたのは、'83年 2月、渋谷のレコード・ショップ CISCO でのことだった。自主制作盤コーナーで "Kenso II"，隣の中古盤コーナーで Focus の "Hamburger Concerto" を見つけて、どちらを買おうかと物凄く迷った。懐が寂しかったので、両方は買えなかったからだ。

"Hamburger Concerto" は数年前に中古盤を入手したのだが、盤が擦り切れてスクラッチ音がバチバチ入っていたので、新しい盤がずっと欲しかった。特に、一番気に入っていた Side-A ラスト曲 "Birth" は、スクラッチ音が激しくて聴けたものではなかったのだ。
一方の "Kenso II" は、音楽雑誌ロッキン ｆ で絶賛されていたので、是非とも聴きたいと思っていた。
とにかく迷った結果、Focus の "Hamburger Concerto" を購入した。スクラッチ音が入らないクリアな音の "Birth" に感動したことを覚えている。

一週間後に再び CISCO を訪ねた時には、"Kenso II" は既に売れてしまったのか、自主制作盤コーナーから消えていた。



[Kenso (I)／Kenso]　(1981)　　自主制作盤として発表された作品


その後、Kenso のライブに足を運ぶようになり、吉祥寺シルバー・エレファントや六本木ピットインで、"Kenso II" に収録されている楽曲の殆どを耳にしたと思う。またメジャー・デビュー後に発表されたライブ盤 "In Concert/Music For Unknown Five Musicians" には、"Kenso II" から "空に光る" ，"麻酔 part2" ，"氷島"，"さよならプログレ(の改題曲)" の 4曲が収録されて、高い評価を得ていた。
それでも "Kenso II" が再発されることはなく、幻の傑作として語り継がれる存在となっていた。

時は流れて 2002年、"Kenso II" は遂に CD で再発されて、ようやく入手することが出来た。あの CISCO で迷った日から、約20年が過ぎていた。

この経験から得た教訓は、"迷ったら買う" であったのだが、再び Focus に関わる後日談が有る。



[Kenso (III)／Kenso]　(1985)　　メジャー・デビュー作品


"Hamburger Concerto" を発表した翌年に Focus を脱退した Jan Akkarman (G) が、再び Thijs Van Leer (Key，Fl，Vo) とタッグを組んで、"Focus" と題したアルバムが '85年に発表された。楽曲，アレンジ，演奏，歌唱ともに申し分なく、Focus の最高水準のアルバムと肩を並べる作品に仕上がっていた。

このアルバムの CD を、'87年に一度だけ横浜関内の disk UNION で見かけたことがあった。ラスト曲 "Who's Calling? " は、LP では 7分 30秒だが、CD では 10分を超えるロング・バージョンになっている。
買おうがどうしようか物凄く迷ったが、Black Uhuru "Guess Who's Coming To Dinner" と Art Ensemble Of Chicago "From Ancient To The Future" とを購入して懐が寂しかったので、この日は買うことが出来なかった。

一週間後に再び disk UNION を訪ねた時には、"Focus" は既に売れてしまったのか、棚から消えていた。



[Focus／Jan Akkarman & Thijs Van Leer]　(1985)


Jan Akkarman & Thijs Van Leer の "Focus" は、廃盤となって今日まで再発されていない。私はと言うと、その後は "迷ったら買う" を実践している。

(Kenso official site: http://www1.u-netsurf.ne.jp/~kenso/index.html )


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