10) 白亜の寺 ワット・ロン・クン -Ⅰ | BIG BLUE SKY -around the world-

10) 白亜の寺 ワット・ロン・クン -Ⅰ

10) 白亜の寺 ワット・ロン・クン -Ⅰ  Wat Rong Khun - White Temple Pt.Ⅰ

白亜の寺 ワット・ロン・クン (Wat Rong Khun) は、まるで骨か象牙で出来ているかのような白一色だった。
金箔貼りの赤い屋根や,極彩色のタイルで装飾されたワットを見慣れた目には、何か尋常ではない雰囲気に映る。


BIG BLUE SKY    ~旅の空の下で~-1001_ワット・ロン・クン
[白亜の寺 ワット・ロン・クン] (2010)  本堂は改修中のため、足場が組まれているのが惜しい


建屋はもちろん、周囲の彫刻から仏塔、そして池の鯉まで白一色なのだ。
本堂へ向かうスロープの両側には、天に向かって無数の灰色の手が伸びる。
よく見ると、壷に混じって髑髏を差し上げている手も見える。


BIG BLUE SKY    ~旅の空の下で~-1003_伸びる手
[本堂への入口] (2010)


説明によると、ワット・ロン・クンは、チェンラーイ出身のアーティスト Chalermchai Kositpipat 氏がデザインして 1997年から建設が始まったもので、現在も増築が続いている。
本堂には Chalermchai Kositpipat 氏による仏画が置かれており、人々は現代的な仏画に熱心に見入っていた。

ワットの一角には氏の作品の展示・販売所が有り、目立つ場所に氏の等身大の写真ボードが置かれていた。
氏の風貌はコメディアン風で、白亜の寺のイメージとはおよそかけ離れているが、アーティストらしいと言えばアーティストらしい。

私は、朝陽に輝く白亜のワットと、夕闇が迫る白亜のワットの写真を、記念に購入した。


BIG BLUE SKY    ~旅の空の下で~-1002_白い鯉
[池には白い鯉が泳ぐ] (2010)


本堂へ向かうスロープの途中には、両側に象牙が配されていた。
そう思って見ると、スロープは象の鼻にあたり、本堂全体が白い象をイメージしたものにも見て取れる。
色々と象徴的な意味が有るのだろう。
ワット・ロン・クン全体が、Chalermchai Kositpipat 氏による芸術作品となっている。


BIG BLUE SKY    ~旅の空の下で~-1004_トイレ表示もアート
[この表示も氏のデザインか?] (2010)


白亜のワットは荘厳ではあるが、伝統あるワットの持つ信仰の中心という雰囲気は感じられなかった。
それでもワット・ロン・クンは、信仰の篤い人々を惹き付けてやまないものが有るようだ。

後日、バンコクへ戻って、ワット・ロン・クンへ行って来たと言ったら、皆さんにたいへん羨ましがられたのだった。
ワット・ロン・クンは、バンコクに住む人々にとっても、チェンマイのワット・プラ・タート・ドイ・ステープとともに、一度は訪れたい北タイのワットに数えられている。


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