#02-06 Over the Top/Cozy Powell | BIG BLUE SKY -around the world-

#02-06 Over the Top/Cozy Powell

BIG BLUE SKY    ~旅の空の下で~-0181_overthetop
[Over the Top/Cozy Powell] (1979)


Side A
1. Theme One
2. Killer
3. Heidi Goes to Town
4. El Sid
Side B
1. Sweet Poison
2. The Loner (Dedicated to Jeff Beck)
3. Over the Top


'78年 8月 5日に、NHK ヤング・ミュージック・ショーで Rainbow の LIVE が放送された。
"Rising" 発表後に、Ritchie Blackmore (G),Ronnie James Dio (Vo),Cozy Powell (Ds),Bob Daisley (B),Dave Stone (Key) のラインアップで欧州ツアーを行った時のもので、オープニング "Kill The King" からアンコール "Do You Close Your Eyes" まで、フルスロットルでの演奏に釘付けになった。
最も目立っていたのはドラムの Cozy Powell で、Ritchie と Ronnie を完全に喰っていた。
チャイコフスキーの "1812年" に合わせたドラム・ソロには、完全に圧倒されてしまった。
この放送をきっかけに、日本での Cozy 人気が大爆発する。


BIG BLUE SKY    ~旅の空の下で~-0182_rainbowrising
[Rising/Rainbow] (1976)


翌 '79年に発表された Cozy の 1st ソロ・アルバム "Over the Top" は、そんな日本サイドからの要請によって制作されたものだった。
「すさまじいドラム・ソロが轟き、コンサート以上の迫力で君を襲う !!」
「あの 「1812年」 はついにレコードに刻まれた !!」
全音楽誌に一面広告が打たれ、日本では Rainbow 並み以上のセールスを上げたと言われている。

全曲のアレンジを務めた Don Airey (Key) を始めとして、 Jack Bruce (B),Gary Moore (G),Bernie Marsden (G),Dave Clempson (G),Max Middleton (Key) を迎えての内容は、素晴らしいの一言に尽きる。
A-1 "Theme One" は、"Dance with the Devil (悪魔とダンス)" のドラム・リフで始まる。
George Martin 作曲の BBC 番組 "Radio One" のテーマを、"Dance with the Devil" と組み合わせてオープニングに持って来るなんて、いかにも Cozy らしい。
A-2 "Killer" では、Cozy のスピーディなドラミングに乗って Gary Moore がギターを弾きまくる。
この曲は、後にハード・ロック・セッションでの定番曲になる。
そして何と言っても、B-3 "Over the Top"。
Don Airey の YAMAHA CS-80 による "1812年" オーケストレーションに合わせて、Cozy のドラム・ソロが炸裂する。
まるで目の前で Cozy が叩いているかのような臨場感、左右の手を交差させてシンバルを叩く姿が見える。
"Over the Top" は、ロック・ドラマーのソロ・アルバムとして、これ以上は望めない傑作である。


BIG BLUE SKY    ~旅の空の下で~-0183_liveinconcert
[Live in Concert/Emerson, Lake & Powel] (1986収録)


スター・ドラマーとなった Cozy は、その後、次々とビッグ・ネームとの共演を果たして行く。
忘れられないのは、'85~'86年の Emerson, Lake & Powell と、'93年の Brian May との共演。
'80年代の再結成 ELP は、セールス的には成功しなかったが、素晴らしい作品をリリースしている。
当時は、Cozy が加わった '70年代 ELP 楽曲が聴きたくて、ブートレッグを探したものだ。
苦労して手に入れたブートレッグを聴くと、Emerson, Lake & Powell は、'70年代の ELP を遥かに凌ぐパフォーマンスを聴かせていた。
特に "Pirates","Tarkus" での Cozy の貢献は素晴らしく、アルバム一枚で解散してしまったのが本当に惜しまれる。


BIG BLUE SKY    ~旅の空の下で~-0184_backtothelight
[Back to the Light/Brian May] (1992)


'93年、東京ベイ NK ホールでの Brian May 日本公演を訪れたファンの殆どは、Queen 且つ Cozy のファンだったようだ。
Queen には女性ファンが多いが、Cozy も女性ファンが多い。
Cozy のドラム・ソロにもたっぷりと時間が用意されていたので、"1812年" を含むパフォーマンスを堪能することが出来た。


'98年 4月 5日の悲報を聞いて、私は Cozy Powell のソロ曲・参加曲を集めたコンピレーションを作った。
もう彼の新作を聴けないのが、とても寂しい。

1. Theme One/Cozy Powell  (from "Over the Top" '79)
2. New Ways Train Train/Jeff Beck Group  (from "Rough and Ready" '71)
3. I Can't Give Back the Love I Feel/Jeff Beck Group  (from "Jeff Beck Group" '72)
4. Definitely Maybe/Jeff Beck Group  (from "Jeff Beck Group" '72)
5. Stargazer/Rainbow  (from "Rising" '76)
6. Kill the King/Rainbow  (from "Long Live Rock'n'Roll" '78)
7. Gates of Babylon/Rainbow  (from "Long Live Rock 'n' Roll" '78)
8. Over the Top/Cozy Powell  (from "Over the Top" '79)
9. The Score/Emerson, Lake & Powell  (from "Emerson, Lake & Powell" '86)
10. The Messiah Will Come Again/Gary Moore  (from "After the War" '89)
11. Ride to Win/Cozy Powell (with Brian May)  (from "The Drums Are Back" '92)
12. Dartmoore/Cozy Powell  (from "Octopus" '83)

(Cozy Powell official site: http://www.cozypowell.com )


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