#01-04 Welcome Back My Friends.../ELP | BIG BLUE SKY -around the world-

#01-04 Welcome Back My Friends.../ELP

BIG BLUE SKY    ~旅の空の下で~-41_ladies&gentlemen
[Welcome Back My Friends.../Emerson, Lake & Palmer] (1974)


1. Hoedown
2. Jerusalem
3. Toccata
4. Tarkus
5. Take a Pebble
   including 'Still... You Turn Me On' and 'Lucy Man'
6. Piano Inprovisations
   including Friedrich Gulda's 'Fugue' and Joe Sulivan's 'Little Rock Getaway'
7. Take a Pebble (conclusion)
8. Jeremy Bender/The Sheriff (medley)
9. Karn Evil #9
   1st Impression
   2nd Impression
   3rd Impression


"Welcome Back My Friends to the Show That Never Ends ~ Ladies and Gentlemen"
長いタイトルが冠された、 Emerson, Lake & Palmer (ELP) の LP 3枚組ライブ盤。

ELP はプログレッシブ・ロックを代表する英国のバンド。
キーボード,ベース,ドラムのトリオ編成で、Keith Emerson はロック・キーボード界 No.1 のスター・プレーヤー。
私は Keith Emerson の演奏の虜になり、一時期は ELP のアルバムだけを毎日繰り返し聴いていた。
今でも、楽曲の構成、キーボードのソロ・フレーズからドラムのフィル・インまで、ELP 楽曲は全て覚えている。

3枚組ライブ盤の 6トラック目 "Piano Improvisations" を聴いた時には、完全にぶっ飛んだ。
Friedrich Gulda の "Fugue" と、Joe Sullivan の "Little Rock Getaway" の 2曲を、即興演奏を挟んで演奏したもので、Keith Emerson のピアノ演奏の極め付けと言える。
これには完全にぶっ飛んだ。
Friedrich Gulda はドイツ人のクラシック/ジャズ・ピアニストで、ベートーベン楽曲の演奏家として知られる大家。
一方の Joe Sullivan は、シカゴ派の白人ジャズ・ピアニスト。
この二人の楽曲をつなげて演奏してしまうという、正に Keith Emerson やりたい放題の演奏だ。

私は、Keith Emerson のようにオルガンやシンセサイザーを弾くことは幾分か出来たが、Keith Emerson のようにピアノを弾くことは出来なかった。
Tarkus は弾けても Trilogy は弾きこなせず、Karn Evil 9 の 1st・3rd Impression は演奏出来ても 2nd Impression は投げ出してしまった。
私は、Keith Emerson のピアノ演奏に惹かれ、そして少しでも彼のピアノ演奏に迫るために、彼の敬愛する作曲家・演奏家の楽曲を探して彷徨うことになった。


BIG BLUE SKY    ~旅の空の下で~-42_gulda2
[Message from Gulda I/Friedrich Gulda] (1979リリース/2016再発)


Friedrich Gulda の '79年発表の "Message from Gulda" は、LP 2枚組 3セットからなるライブ盤 (未 CD 化でしたが、2016年に遂に CD で再発)。
自作から,バッハ,ドビュッシー,モーツァルト、そして Doors まで何でもありで、ピアノ,チェンバロ,リコーダー,歌,朗読とやりたい放題だ。
Gulda 自作の "アラビア風・ジプシー風幻想曲" でのチェンバロ演奏には、また完全にぶっ飛んだ。
どのように演奏しているのかが、全く想像出来ない。
これ以上、攻撃的で破壊的で、且つ芸術的な演奏は後にも先にも聴いたことがない。


BIG BLUE SKY    ~旅の空の下で~-43_atlanticblues
[Atlantic Bules: Piano] (compilation,Honky Tonk Train Blues 収録)


Keith Emerson がソロ・シングルで発表した "Honky Tonk Train Blues" は、米国の黒人 Boogie Woogie ピアニスト Meade Lux Lewis の代表曲。
Meade Lux Lewis による "Honky Tonk Train Blues" の録音には幾つかのバージョンが有るが、私は "Atlantic Blues: Piano" に収録されたバージョンが最もエキサイティングだと思う。
Keith Emerson の演奏とは全く異なる、独創的なリズム,タイム感覚によるスピーディーな、ぶっ飛びものの名演である。


BIG BLUE SKY    ~旅の空の下で~-44_pianorags
[Scott Joplin Piano Rags/Joshua Rifkin] (Maple Leaf Rag 収録)


Keith Emerson のルーツ・ミュージックである Friedrich Gulda や Meade Lux Lewis から更にその先へと、果てしなくピアノ・ミュージックの道は広がっている。
Keith Emerson のお陰で、数限りないピアノ・ミュージックの世界を楽しみ学ぶことが出来た。
それでも、Keith Emerson のようにピアノを弾くことは適わぬ夢だった。

(Keith Emerson official site: http://www.keithemerson.com/ )
(ELP official site: http://www.emersonlakepalmer.com/ )


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