外務省は12日、政府開発援助(ODA)の調査事業を巡り、同省の「ODA評価有識者会議」座長が理事を務める財団法人が05~09年度、同省から計11件、総額約2億3000万円の事業を受注していたことが判明したと発表した。座長は東京工業大の牟田博光副学長。同省は「同一人物が(ODAを評価する側と実施する側の)双方にいたことで疑念を持たれた」として有識者会議を3月末で廃止し、佐渡島志郎国際協力局長ら幹部5人を厳重注意した。

 福山哲郎副外相が12日の記者会見で明らかにした。財団法人は「国際開発センター」(竹内正興理事長)。牟田氏は有識者会議座長に発足当初の03年に就任、同センターの非常勤理事(無給)も兼務。同センターは「中国国別評価」(07年、約2400万円)など計11件のODA調査事業を受注し、うち3件で牟田氏は審査委員だった。同省によると、利益供与などの不審な点は見つからなかったという。

 また牟田氏は、外務省所管の独立行政法人「国際協力機構(JICA)」の外部有識者事業評価委員会の委員長も02年から務めていた上、自ら副会長を務める特定非営利法人「日本評価学会」(会長・宮内義彦オリックス会長)が05~09年度、JICAなど発注のODA評価事業計10件を随意契約などで受注していた。牟田氏はJICAの評価委員会委員長を3月末で退任した。【吉永康朗】

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