サークルのライブでブルーハーツの魅力を改めて感じてからは、もうブルーハーツしか聴いていない。『青空』『夕暮れ』『情熱の薔薇』、特にこの3曲ばっかり聴いている。

その『情熱の薔薇』を聴いて、改めてヒロトは凄いなと思った。
 

 

 見てきたものや 聞いたこと
 今まで覚えた全部
 デタラメだったら面白い

私は、全部がデタラメなら面白いと思ったことがない。自分の経験してきた全部に意味があってほしいと思っている。
なのに、次の「そんな気持ち分かるでしょ」で、確かにそんな気持ちが分かる。今までそんな気持ちは、一度も持ったことがないのにもかかわらず。

2番の歌詞もそう。

 なるべく小さな幸せと
 なるべく小さな不幸せ
 なるべくいっぱい集めよう

不幸せは小さい方がいいけれど、幸せはでっかくあってほしいと思っていた。ほんのちょっとの幸せなんて、ちみっちゃくてやってらんねーよ、って。

不幸せを「集める」という発想も、私にはなかった。
なのに、次の「そんな気持ち分かるでしょ」で、やっぱり確かにそんな気持ちが分かるのだ。幸せは小さくていいと思うのだ。生まれて初めてそう思った。

音楽を通して、人が一度はぼんやり感じたことのある気持ちを掬い出す。あるいは、自分が強く感じている気持ちを伝える。それはやっぱり、素直でストレートな飾らない言葉だけで歌詞を書いているからこそ、成せる技なのだと思う。