私が本当に書きたい小説ってなんだろうね、と考えてみた。
そしたら、テイストとしては『ライ麦畑でつかまえて』とかが近いのかな、と結論が出た。
落ちぶれた主人公。暗い世界でもがく主人公。イノセンスゆえに悩む主人公。
プラス、ロックな主人公像。誰にも理解されない悩みを抱えながら、でも完全に絶望するでもなく、「まあ仕方ねえか」と肩をすくめている…。
だからつまり、なんていうかな、小説じゃなくてロックを書きたい。私がやりたいのはロックなんだよ。ロックを、楽器じゃなくて文章で表現したいだけ。
そこを勘違いしてたから、今まで上手くいかなかったんだ。
私は大衆受けする小説や、上品な小説は書けないし、書きたいとも思わない。心のどこかで、小説は上品じゃなきゃダメだと思い込んできたけど。でも無理だ。
私は下品で赤裸々な文章が大好きだ。下ネタも大好きだ。詩も、下ネタ抜きには書けない。そのことがずっと恥ずかしかったけど、もう恥ずかしがらない。恥ずかしがってる方が恥ずかしいわ。