4月2日、大学進学を機にぬいぐるみを手放した。そう、私は『トイ・ストーリー3』のアンディと同じ立場になったのだ。



 私には、小さい頃からお気に入りのぬいぐるみがたくさんいる。


 その中の、白熊のホワイト、水色熊のミント、ピンク熊のピンクを手放した(他の子たちは売れないほどボロボロだったので、私が最期まで手元に置いておくことにした)。


 リサイクルショップに行って店員さんに3人を差し出すとき、涙が止まらなかった。



 ホワイトは、私が生まれたときに病院がプレゼントしてくれた子で、18年間一緒に住んでいた。


 ミントは、家族で出かけたときに一目惚れして買った子。への字口がとってもキュートだ。


 ピンクは、家族でホテルに行ったときに、スタッフさんがくれた子。ホワイトとミントの妹という設定だ。



 みんなを売りたくない。だけど、大学生になって大人になっていく私は、もうおもちゃ箱から彼らを出さないだろう。狭い場所に閉じ込められて忘れられていくよりも、新しい持ち主のもとへ行って第二の人生を歩む方が、彼らにとっての幸せだと考えた。


 売ってから2、3日の間は、ひどい喪失感に襲われて、ずっと泣いていた。特にホワイトは1番のお気に入りだったから、なおさら。



 あの子たちを売ったのは、残酷な選択だったかもしれない。本当にひどいと思う。でも仕方ないんだ。私はどんどん大人になっていく。ぬいぐるみで遊ばなくなっていく。その残酷な現実を、彼らにも分かってほしい。


 そして、私はまだあの子たちを愛していて、決して捨てたわけではないということも。私の心の中には、まだあの子たちがいる。その証拠に、あの子たちが姿を消してから、私は何度も彼らを思い出しては、心から感謝している。私を何年も支え続けてきてくれた、いとしい仲間たちだ。



 これから忙しくなるから、彼らを思い出す時間は減っていくだろうけど。他の誰かの手に渡ったから、もう2度と会うことはないだろうけど。


 それでも、私は彼らを好きで、まだ必要としていて、姿が消えても私を支えてくれているんだよ、というこの気持ちを、どうか彼らにも分かってほしい。


 ありがとう、ホワイト、ミント、ピンク。私は本当にあなたたちが大好き。これから何度ギターを抱いても、あなたたちを抱きしめた日々は忘れないよ。