俳優やバンドにハマると、いつも好きになりすぎて、好きになってからまだ1週間も経っていないのに全てのファンや奥さんに嫉妬したり、とてもつらくなって泣いてしまったりして、何も手につかなくなる。


 だけど、オアシスはそういうことが全くない。こんなことははじめてでビックリしている。山田康雄さんのときも、浜ちゃんのときも、ジョージ・ハリスンのときも、フレディ・マーキュリーのときも、嫉妬とつらい気持ちに溺れたというのに。

 

 


 これまで好きになったどんなバンドやアーティストよりもオアシスが好きなのに、全くつらくない。ただオアシスがそばにいる生活が幸せ。オアシスのファンがたくさんいるという事実も、純粋に嬉しく思える。


 メンバーの奥さんを見ても苦しくならない…ノエルの奥さんを見ると、少し苦しくなるけれど。でもほんのちょっとだし、オアシスに触れてる時間で苦しい瞬間といったら、そのぐらいだ。

 

 前まではノエルやリアムの死を過剰に恐れてたけど、今はそうでもない。2人が死ぬまで、2人の音楽をたくさん聴きたい。実際に2人が亡くなったときに、悲しんで泣きたい。

 

 


 オアシスの曲を聴いていたら涙が出てくることもあるけど、それも苦しい涙じゃなく、「この曲ほんと好きだなー、幸せだなー」という喜びの涙だ。


 オアシスが解散しているという事実も「残念だなー」ぐらいだし、ノエルとリアムの仲が悪いのも「やっぱ仲悪いなー、あの2人」ぐらいだ。なんというか、全くネガティブな気持ちにならない。

 

 


 なんか、生まれてはじめて、やっと本当の意味で、趣味を心から楽しめてる気がする…!


 それに、いつもなら1ヶ月ほどハマりにハマって急激に冷めるのに、今回のオアシスはだいぶ長く続いている。


 推しの影響をこんなに強く受けたのもはじめてだ。ノエルみたいに生きるぞと、いつも思っている。ギターをやってみようと思えたのも、自立しようと思えたのだって、ノエルがいたからだ。




 最近は、曲を聴いて「キャー、ノエルー、リアムー」となるよりかは、心のどこかにいつも2人がいる感じだ。


 そんなに曲を聴いてなくても、心の中にずっとノエルやリアムの曲が流れていて、ふとした瞬間に、


「あ、これって なんだかノエルみたいだ」

「あ、この人って なんだかリアムみたいだ」


 と、思う。上手く言えないけど、そんな感じ。




 本当にオアシスというバンドが不思議で仕方ないけれど、自分がオアシスだけはなぜこんなに普通に好きでいられるのか、その理由を解明したいとは思わない。


 ただ、このままでいい。今はただ、オアシスが聴きたい。飽きるまで聴きたい。飽きたら寂しくなるだろうけど、そのときはそのときだし、絶対たぶん、いつかまた好きになる。