今回は、精神的に不安定な少女ナオミが主人公の日記体小説『ナオミ』の第6章です。
第1章と、前回の第5章はコチラ↓
二千二十三年九月十三日
好きなバンドの共通点を見つけた。意味不明な歌詞、意味のない歌詞が多いこと。韻を踏んでる歌詞が多いこと。楽しいメロディが多いこと。ストレートなロックンロールが多いこと。メンバーが長く第一線で活躍してること。ちょっとエッチなこと。そしてなにより、演奏してる人たちが、なによりも音楽を愛してることが伝わってくること。やっぱり、最後の条件に限るかも。
最近は、オアシスとサザンばっかり聴いてる。
それにしても、夏が終わらないでほしかった。私が一番活動的かつ幸せでいれる季節は、夏だから。夏は生きている証。夏が終わると、なぜかあまり生きたいと思わなくなってしまう。夏が終わりに近づくと、私の心は入道雲と一緒に、風に飛ばされていってしまう。秋に心を動かされたとしても、夏に動かされた心とは、やっぱりなにか違う。
夏が終わらないでほしかった。生きている証が、はっきりとした印が、なくなってしまったから。
夏も好きだけど梅雨も好き。初めて『リヴ・フォーエヴァー』を聴いた、去年の六月がもう懐かしい。
あのとき私は病んでいて、死にたくて、何もしない怠け者だから両親に呆れられて、食卓で号泣してた。雨の日が続いてたから、頭痛も酷かった。
どうしようもなくどうしようもなかったとき、この曲ばかり聴いてた時期があった。朝起きたとき、ベッドの上で。朝ごはんを食べてるとき、食卓で。学校へ向かう電車の中で。
学校の朝学習の時間にも自習時間にも、イヤホンを付けて聴いていた。自習室でも聴いてたし、家へ向かう駅でも電車でも聴いてたし、歩くときも聴いていた。晩ごはんを食べるときも聴いてたし、シャワーを浴びながら歌ったし、夜寝る前にも聴いていた。
とにかくずっと聴いていた。オアシスのみんなが、何度も何度も「Live Forever(永遠に生きるんだ)」って言ってくれたから。ありがとう、オアシス!
そういえば、今日は『Crazy Diaper』っていう詩を書いた。
ここはどこだ? 不思議な世界
え? ナメやがってこの
少しかがんで空を見たなら
そろそろ明日の雪が降る
トンチンカンが多すぎて
なんのことやら分かりやしない
俺にハッキリ分かるのは
君の瞳が細いこと
それから身体が薄いこと
あまりに君が情けないから
俺にはいっそう華麗に見えた
今日はいつだ? 昨日の明日
え? ナメやがってこの
つま先立って海を見たなら
そろそろ昨日の波がくる
トンチンカンが多すぎて
なんのことやら分かりやしない
俺にハッキリ分かるのは
君の瞳が黒いこと
それから身体が臭いこと
あまりに君が汚れてるから
俺にはいっそう綺麗に見えた