タイトル「又三郎」

何度目の別れだろう
もうだいぶ慣れたけどさ

新しい友情をどれだけつくっても
簡単に引き裂かれる
親の都合 それだけでさ
子供の都合はどうでもいいのかい?

見慣れた町の景色とも
お別れしなきゃいけないんだ
古いポスター いつもの野良猫
ママと歩いた帰り道

スーパーの袋を 両手にぶら下げて
最後に歩く道の
大地を踏みしめた ああ

いつか大人になったとき
もう一度 笑いながら
この道を歩けるかな
想い出を抱きしめて
重い荷物を持ち直した

涙をぐっとこらえた







何度目の悲しみだろう
泣かなくはなったけどさ

新しい恋人をどれだけつくっても
簡単に別れてしまう
会えないって それだけでさ
毎日会えないと恋人じゃないの?

住み慣れた家のぬくもりも
すぐに忘れてしまうんだ
弟のラクガキ 変わらない階段
パパと入ったお風呂

大の大人が 鼻水を垂らしながら
「毎度ごめんな」って
そんなのずるいよ パパ

いつか大人になったとき
この家は まだあるかな
想い出は抱けないよ
目に見えないものなんだから

涙がはらっとこぼれた






大の大人が 大声で泣きながら
「いつもごめんね」って
そんなのずるいよ パパ、ママ
いつか大人になったとき
自分も そうなるかな
別れは仕方ないものと
子供に思わせられるかな






大の大人に いつかなったときは
「いつもありがとう」って
照れずに言うね パパ、ママ