マザー・リーゾンワイズの子守り唄


「さあ坊や、もうおやすみなさい」
「はいママ、でもおはなししよう」
「わかったわ、すこしだけよ」
「うん」

「ママ ぼくはどこから

 ママのところへやってきたの?
 ぼくはどうやって生まれてきたの?」
「坊や それはね
 ママとパパが愛し合ったからよ」
「愛し合ったらぼくが生まれたの?
 ぼくには何だか よくわからないや」
「いまは坊やには わからなくていいのよ 
 そのうちにそれが わかるんだから
 何も心配することはないわ」

「ママ ぼくがこれから
 生きてゆく理由ってなあに?
 理由があるから生まれたんだよね?」
「坊や それはね
 実はママにもよくわからないわ」
「そうなの? ぼくビックリしちゃったよ
 ママにもわからないことがあるんだ」
「いまは2人とも わからなくていいのよ
 それを探すために 生きるんだから
 何も心配することはないわ」

 

「ママの声って なんだか落ち着くね

 とっても安心するんだ」

「そりゃあね 

 だってこれは ママの子守り唄だもの」

「そっか そうなんだ」

 

「さあ坊や、もうおやすみなさい」

「はい、ママ

 ねえ、ママ

 心配することなんて 

 何もないんだよね?」

「ええそうよ だから今はおやすみ

 かわいいかわいい わたしの坊や」

「うん おやすみなさい

 きれいなきれいな ぼくのママ」