テスト終わったので投稿を再開します。今回は詩です。




タイトル「ビートルズになりたい」
  

「ビートルズになりたい」
この何十年もの間
一体どれほどの人間が
この言葉を口にしただろう
そして 私もそのうちの1人であった

ビートルズになるために
色んなことをしてみた
詩を書き 曲をつくり
歌を歌い シャウトしながら
魂を叫ぶ
しかしそんなことをしても
私はビートルズになれなかった
私だけじゃない
ビートルズになりきれなかった人なんて
そこら中にどこにでも

書いても 書いても
ビートルズにはなれない
つくっても つくっても
ビートルズにはなれない
歌っても 歌っても
ビートルズにはなれない
動いても 動いても
ビートルズにはなれない
叫んでも 叫んでも
ビートルズにはなれない

生きても 生きても
ビートルズの100億分の1にもなれない

なぜだろう
私が悪かったのだろうか
なぜ私はビートルズになれないのだろう
なぜ私はビートルズでないのだろう
もっと早く産まれていれば
もっと音楽の才能があれば
私はビートルズになれていたのだろうか

いや それはあり得ないだろう
どれだけ早く産まれていても
どれだけ音楽の才能があっても
きっと結局
私は私として生きるしかなかった

そう ビートルズになれるのは
あの頃の4人 
あの頃のビートルズだけだ
20代のジョン ポール 
ジョージ リンゴ
ビートルズになれるのはこの4人だけだ
死んだジョンとジョージも
ソロのポールとリンゴも
もうビートルズにはなれない
もうビートルズには戻れない
もうビートルズはいないのだ
熱く燃えていた1960年代、
そう 
あの青春にしかビートルズはいない
そして私はその時を知らない
見たこともない
それでも
確かにビートルズは存在したのだ

ジョンも ポールも
ジョージも リンゴも
ビートルズから離れたって
前を向いて 新しい自分を探しながら
必死に生きているのだ
ジョンもジョージもまだ生きている
4つの魂はアルバムの中で
未だ燃えている
燃え続けている

だからもう
ビートルズになりたいなんて
二度と口にするんじゃない
私は私でしかない
だから生きるしかない
私が目指すべきものは 
ビートルズじゃない
あすなろまどかだ

だからもう
ビートルズはいない
ジョンはジョンでしかない
ポールはポールでしかない
ジョージはジョージでしかない
リンゴはリンゴでしかない
「ビートルズのメンバー」ではなく
彼らはジョン・レノンと
ポール・マッカートニーと
ジョージ・ハリスンと
リンゴ・スターなのだ

しかしそれは悲しいことではない
さびしいことではあるけれど
決して決して 悲しいことではない
私はそのことに やっと気付けたのだ

だからもう
ビートルズになりたいなんて
私は二度と口にしない
私は私でしかない
だから生きるしかない
私が目指すべきものは
ビートルズじゃない
あすなろまどかだ