こんにちは。あすなろまどかです。
今回は、3作の詩をお送りします。
それでは、どうぞ。
only love
only you
only I
私だけを好きでいて
いつも同じだけの 幸せを
そう ダイヤの光を見つめて
そっと抱きしめて
星が散るような夜に
愛を飾り付けて
only I
only you
私宛てのメールを
心に届けて いつまでも
そう 愛のシルクを肩にかけて
そっと抱きしめて
心が冷えそうな夜に
愛を散りばめて
ランドセル
学校が好きな 少年がいました
いつも元気に おうちの人に「行ってきます」と
笑顔で告げて 駆けてゆきました
算数も国語も 生活の時間も
誰よりも目立ちたがって 手を挙げました
体育では 先生に褒められて
「みんなも マネしましょう」と言われました
ある日突然 少年は学校へ行かなくなりました
しばらく経って お母さんが部屋のとびらを
開けると その子はいませんでした
家にも学校にも 町を探し回っても
とうとう少年は 見つからないままでした
お母さんは ランドセルをいつもしょって
家事を していたそうです
間違い電話の女
間違い電話の 受話器の向こう
「ねえ 早く助けに来て」
何の用だ お前は誰だ
そんな言葉はのみこんだ
「分かった すぐに行くよ
愛しい俺のハニー」
自分でも歯が浮くセリフだと
思いながら車に乗り込んだ
電話の声に誘われるまま
夜に溺れてゆく俺が走る
アクセルは踏みっぱなし
一番星の奇妙な夜は
昨日と何もかも違うように見えて
いつもと同じ黒い空
間違い電話が かかったときには
「ああ もうすぐ日が落ちそうだ」
それが今は ミッド・ナイトさ
そんな汗ばむ月の下
「お願い 早く来てよ」
「急いでるさ 待っててネ」
なぜあんなに余裕だったのか
俺も今となっては分からない
女の声に誘われるまま
道にのまれてゆく俺が走る
冷や汗は滝のように
切れた電話に怒鳴りつけても
自分の声が夜に溶けてゆくだけ
今は地球に独りきり
しばらくしてから とうとうダメだ
「もう プライドは捨てるよ」
誰でもいい 助けてくれよ
今度は俺が誘う番
「分かった すぐに行くわ
愛しい私のダーリン」
全く歯が浮きそうなセリフだと
思いながら最後の水を飲んだ
間違い電話と思っていた
夜の復讐劇が終わりそうだ
そういや俺 一年前
アイツのことフッたんだっけか
過去はサッパリ捨てたように見えて
昔と同じ執念だ
あれからいくつか分かったことがある
まずは女が怖いこと
女は金が好きということ
死にそうなとき助けてくれるのは
女だってこと
そして
俺のフィアンセは
カワイイってこと
を、ネ
ここまで読んでくださった方、ありがとうございました!