こんにちは。最近フィルムカメラに憧れている、あすなろまどかです。

 今回は、自作の詩を二本、お送りしたいと思います。

 それでは、どうぞ。

 

 

寄り道

 

いつの日か 学校帰り

いつも寄ってた山がある

小さくて 大きくて

ふしぎなことが起こる山

ある日友だちを連れてゆくと

その子は誰もいないねと言った

僕はこだまと遊んでるのに

 

いつの日か めっきりとね

寄らなくなった その山に

受験がね 終わっても

もう行くことはなかったよ

もしも今またそこへ行っても

全て変わってる 木は倒れてるし

なにより僕はもう大人だし

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次は2作目、『たぶんあの夏は』です。

 

 

たぶんあの夏は

 

夏の日差しの中に僕は

あの日確かにいたはずなんだ

太陽をつかめばいいことがあると

なぜかあの頃は信じていて

プールサイドの夢の中

僕はひとりで泳ぐ

誰にもジャマされず

広い水の国を

幸せの夏の端

今でも頭の中に 眠ってる

 

緑の影の中で僕は

昔話を静かに聞いてた

夏休みはあと五日しかないな

宿題もせずに 涙落として

セミの鳴き声の中

僕はひとりで走る

誰にもジャマされず

広い夏の夢を

夕暮れのあの場所は

今でもどこか遠くに 座ってる

 

絵日記帳の中

僕はひとりで思う

誰にもジャマされず

また遊びたいと

静かに終わった夏は

今でもフィルムの中に 立っている

 

「たぶん」だけど

 

 

 

 

 

 今回はこれでおしまいです。

 ここまで読んでくださった方、ありがとうございました!