すでに昨年夏にベストセラーとなっている「グーグル・アマゾン化する社会」ですが、今更ながらに本書に記されている一極集中の現象、大が小を飲み込むしくみについて思い知らせれます。
昨年10月にも米国グーグルがYou Tubeを買収したことも記憶に新しいところです。
グーグルが拡大していく背景には、ポータルサイトの寡占化、特にYahoo!との熾烈な主導権争いもあると思います。後発であるグーグルが「ググる」という動詞までつくらせてしまうほどの知名度をあげたもの、Yahoo!以上の検索機能や便利なツールを無料で提供し、サービスを拡大し続けてきた結果によるものです。
ゆえに、拡大するためにさらに新しいコンテンツを飲み込むという手段も想像に難くありません。
むしろ、集中したサービスを欲しているユーザの思いが、彼らをそうさせてしまっているのかもしれません。
巨大なポータルサイトに対して、日々増え続ける無数のコンテンツ。
多様化しているといいながらも、大きなしくみに飲み込まれていくネットワーク。便利につかっているものが実はすべて同じところにつながっているという現実。
本書は、受け手によってインターネットを利用することが気味悪く感じかもしれません。
極端にいえば、インターネットを利用せずに暮らすことがもっとも安全な生活ですが、そういうわけにもいかないと思います。
調べたり、買い物したり、決済したり、意見を述べたりと様々な利便性を確保するためには、最低限必要な情報が記録されいくこと(検索履歴など個人情報以外の情報)に甘受しなければならないかもしれません。
インターネットの利用は、その黎明期から様々な問題を抱えて今日に至っています。
新しい技術や概念、コンテンツなどが登場する一方で、いろんなトラブルや事件も発生しました。便利さと引き換えにどこまでの情報を記録してもいいのか。
一極集中の巨大化は、ローカルな機能の拡充・カスタマイズをユーザ自身が主体的に選択することで繁栄していくものだと思います。
本書にも具体的な結論はありません。ただ、避けているだけでは問題は解決されず、むしろサービスを積極的に使い、何か疑わしい部分があればそれを追求していくという著者の強い意思が伝わってきます。
- グーグル・アマゾン化する社会/森 健
- ¥735
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