国盗り物語

国盗り物語を読みました。“盗り”というだけあってなかなか登場人物は曲者。

司馬遼太郎の本なのでそれぞれに脚色を加えつつ、人としてのふくらみが持たされ生き生きとかかれていて読み応えがあった。

歴史の時間に学んだような通りいっぺんとうな知識ではなく、人物としてよく理解できた。

道三について

博識と胆力を最大限に設定した性格

悪名を物ともしないがゆえに成功したが、その悪名のため後年成長を阻害された。

商売人としての道に明るく、実行力を持っていた。

乞食からはじめたから、全国制覇までに時間切れとなった。

守りに入った時から、運が落ちた。

自らを強く律し、自己鍛錬に力を注いだ。

信長について

“責める管理”で規律の高い軍隊を調教せしめた。

情に疎く、無駄な殺生が多かった。

美的感覚重きを置いていた。

自分の思想を表現しうる言葉を持ち合わせなかった。

強運の持ち主で、常に天は味方にあった。

小大名からはじめたが、性格が災いして暗殺された。

自らを強く律し、自己鍛錬に力を注いだ。

秀吉について

環境適応能力に優れ、政治感覚に富む天下人であった。

常に明るく、陽の気を発し続けた。

上司に対しての常に付加価値を提供せしめた。

政治的駆け引きの奥行きをもつほど苦労してきた。

家康について

信義を重んじ、待つことができた。

弱小大名に生まれ政治的駆け引きの奥行きをもつほど苦労してきた。

光秀について

自らを頼む気持ちが強く、その気持ちは能力向上に貢献する反面、ついに信長を討った。

形式主義で、優等生から離脱できなかった。

明るさに欠け、ユーモアがなかった。

政治的駆け引きの奥行きをもつほど苦労してこなかった。

以上から導き出した天下人にどれだけ迫れるかの期待値は以下のようになるような気がしました。

もっとも大事なのは、寿命×(明るさ、人徳、政治的駆け引き)というもので、現在同様生誕した境遇はこの時代には大きく影響しにくかったようです。

天下人値=寿命×【生誕した境遇 +[明るさ]×[人徳]×[駆け引き]】

日本の歴史本を読むときに至っても、孫子的な不利・有利の判断基準(以下)を加味して考えるべきだということを再度確認しました。さすが孫子ですね。

道徳・法的に正しい道か?

時代の流れにあっているか?

局所の地形に適しているか?

人的に優れた人を集められるか?

規律統制の取れた集団でいるか?