中国の金融市場が大パニックに陥ってい る。銀行の連鎖破綻の噂が飛び交い、短期金 利が一時、13%にも跳ね上がった後、急落 するなど荒れ模様だ。背後には中国経済の火 種である「影の銀行(シャドーバンキン グ)」の問題があり、金融崩壊がいつ起こっ てもおかしくない。 中国の金融市場で、上海銀行間取引金利の 翌日物が17日の約4・8%から急上昇、2 0日に約13・4%と過去最高に跳ね上がっ た。
背景にあるのが、中国人民銀行(中央銀 行)の金融引き締めだ。銀行以外のルートで 資金調達する「影の銀行」から資金が不動産 市場などに流れ込んでいるが、元本や利息が 回収できない恐れが高まっている。
米著名投資家のジョージ・ソロス氏が、2 008年のリーマン・ショックの引き金と なった「サブプライム・ローン問題と似てい る」と警鐘を鳴らすなど、海外投資家の懸念 も広がっており、人民銀行は「影の銀行」へ の資金流入を抑制するために蛇口を絞ったと いうわけだ。
しかし、中国経済の減速が続く中で資金供 給を絞るショック療法は副作用も大きい。金 利上昇によって中小の金融機関や企業の資金 調達が難しくなり「実体経済に悪影響を及ぼ す恐れがある」(米銀大手)という。影の銀 行をつぶそうとすることで、中国経済全体が クラッシュしてしまいかねないというわけ だ。
今月上旬には中堅銀行2行が巨額のデフォ ルト(債務不履行)の恐れがあるとの情報が 流れ始め、20日には国有大手銀行も債務不 履行に陥ったとの情報が流れ、同行が否定す る事態となった。
金利上昇を容認してきた当局もあわてたの か、「国有銀行を通じて金利を引き下げるよ う誘導した」(北京の金融筋)とされ、21 日に金利は約8・5%に下落した。ただ、市 場関係者の間では「引き締め方向の金融政策 は当面続く」との予想が多い。
2年前に中国の政府系シンクタンクの研究 員は「今年7月または8月に企業や銀行、地 方政府が相次ぎ経営破綻に追い込まれる」と の見通しを示している。「7月危機」が現実 になってしまうのか。
