モノマネ芸人死体を埋める
図書館で借りてきて最近読んでいた本です。
モノマネ芸人死体を埋める
藤崎翔
以前読んだ本がおもしろかったので、他の作品も読みたくなり読んでみた。
モノマネ芸人である関野浩樹は、甲子園から注目を集め、メジャーリーガーまで上りつめたものの今は引退した伝説のピッチャー竹下竜司のモノマネを芸としている。
他のモノマネが出来ないのが彼にとっても弱点であり、気性の荒い竹下にとりいって生活を安定させている。
いつものように竹下に呼び出された宏樹は竹下からとんでもない頼み事をされる…。
私自身、もともとお笑いが好きなこともあり。
また作者が元お笑い芸人ということもあって、舞台や楽屋の様子が目に浮かぶようで読みやすかった。
ミステリーとしても、あまり小難しいことがなかったので、そこもわかりやすかった。
ラストに向けてのどんでん返しもまた読んでいておもしろかった。
ラストの、追い込まれて法を犯してしまう人達に関しては…同情してしまう部分もあるけれど。
そういった状況を経験していないからか、同調は出来ない。
結局は因果応報ばかりで。
宏樹の彼女の果凜ですらも、まるで勝利者のようにも見えるが、宏樹の時と同様に恐らくこれから彼女自身のプライドとの葛藤はあるだろう。
固い仕事が1番良いとは思わないが、無理なく続けられる仕事に就けることは幸せだとは思う。