龍神の雨
道尾秀介先生のシリーズで、読めていなかった本です。
龍神の雨
道尾秀介
幼い頃に、外に女を作って出て行った父。
その後母は再婚するも、雨の日の事故でなくなってしまった蓮と楓の兄弟は継父の睦男と暮らすことになるが、睦男は段々と引きこもるようになり、蓮には暴力を加え、徐々に楓を性的な目で見ているのではないかと思わされることがあった。
小学5年生の圭介とは、もともと心臓の悪かった母を家族で遊びに行った海で亡くす。
その後海の家で働いていた里江と再婚するも、兄の辰也は里江に反抗的な態度を崩さない。
そのまま癌で父を亡くし、兄弟2人は母として打ち解けられないまま里江と3人でくらしている。
同じ街に住む2組の兄弟が龍と雨によって関わりが生まれ、事件に巻き込まれていく。
どうしても!
文庫で読みたいと思っていた私。
書籍だと重い、それだけの理由だったのだが、文庫で良かったと解説を読んで思ったので、まずはこれから読む方には文庫本を読んでいただきたい。
やはり目を背けたくなるような描写もあり、そこはたまたまなのだけど、夏の道尾秀介を感じた。
たまたま夏に読んだだけなのだけど。
素直に読み進め、クライマックスでまんまと罠に引っかかるのが、私自身が読書を娯楽としている所以だろう。
雨は嫌いだ。
ここ数年は特に。
それでも。
被害をもたらす一方で。
誰かにとっては恵みの雨である。
解説にあった二通りの解釈。
私はどちらを望むのだろう。