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8/14 ベアーSとゴールドマン

ベアーSとゴールドマン、ヘッジファンドめぐる対応で実力の差歴然
  8月14日(ブルームバーグ):米大手証券会社のなかで、ベアー・スターンズとゴールドマン・サックス・グループへの株・債券市場での評価の差が拡大しつつある。ベアー・スターンズのジェームズ・E・ケイン最高経営責任者(CEO)への市場の信頼が失われつつあることを示す兆候だ。

アナリストとの緊急電話会議開催や顧客を安心させるための書簡送付にもかかわらず、ベアー・スターンズへの圧力はやまない。2本のヘッジファンドの破たんとウォーレン・スペクター共同社長(当時)の突然の更迭はベアー・スターンズの財務に関する市場の不安を高め、格付け「A+」の同社社債のプレミアム(上乗せ金利)はジャンク級(投機的格付け)とさして変わらない水準になっている。

14年にわたってベアー・スターンズを率いているケインCEOは、同業他社が海外事業や株式、商品関連事業で成長を図るなかで、米住宅ローン関連事業への高依存体質を変えてこなかった。社債と資産担保証券のプレミアム拡大でウォール街各社の株価は約3年ぶりの割安水準となっているが、中でもベアー・スターンズ株は1株当たり純資産額の1.2倍と、最も割安になっている。

ホランドで運用に携わるマイケル・ホランド氏は「株価は経営陣の対応の良し悪しに対する究極の評決だ。ベアー・スターンズの株価は、同社経営陣の対応がまずかったという判断を示している」と述べた。また、「最近の出来事は同社の社風に照らしてあまりにも意外だった結果、PBR(株価純資産倍率) 1.2倍という厳しい判断が示された」と指摘した。

ゴールドマンのPBRは業界で最高の2.2倍。収益源の多様性が評価されている。社債のリスクプレミアムもゴールドマンはベアー・スターンズに比べ 35%小さい。

業界

投資銀行業界全体を避ける動きもある。ベアー・スターンズとゴールドマン、モルガン・スタンレー、メリルリンチ、リーマン・ブラザーズ・ホールディングスの米大手5社のPBRは平均で約1.6倍と1カ月前の2.1倍から低下している。

フィフス・サード・アセット・マネジメントで運用に携わるジョン・フィッシャー氏は、証券株は過大評価されているとして、大手5社では現在モルガン・スタンレー株しか保有していない。同氏は、アナリストがまだ、債務担保証券(CDO)などの仕組み信用商品やレバレッジド・バイアウト(LBO)関連事業の縮小を織り込んで各社の利益予想を調整していないと指摘した。

ベアー・スターンズとゴールドマンの実力の差は傘下ヘッジファンドへの対応にはっきり表れた。前者は苦境に陥った2本のファンドを解約停止と資産売却で切り抜けさせようとした。結局、損失は止まらず同社は一方のファンドに16億ドル(約1886億円)を融資した。これに対しゴールドマンは、月初来 28%を失ったファンド「グローバル・エクイティ・オポチュニティーズ(GEO)」に20億ドルを注入した。他の外部投資家も10億ドルを追加投資した。

救済ではない

ベアー・スターンズのサム・モリナロ最高財務責任者(CFO)は融資について「流動性を改善させ秩序だった資産整理を進めるため」と説明した。一方、ゴールドマンのデービッド・ビニアーCFOはGEOの「将来にかなり自信がある」とした上で「これは救済ではない」と明言した。

シカゴ・アセット・マネジメントで運用に携わるピーター・ゴールドマン氏によれば、「ベアー・スターンズの評判は10年で最悪、ゴールドマンは依然、業界のスター」だ。

ベアー・スターンズは8月3日に格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が同社の格付け見通しを「ネガティブ(弱含み)」に引き下げた後に電話会議を開いた。先週は顧客あてに書簡を送り「安心」を呼びかけた。しかし、アルパイン・ウッズ・インベストメンツで運用に携わるピーター・コバルスキ氏は警戒を緩めない。同氏は「問題のすべてが明らかにされているかどうか分からない」と話している。