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7/18 ベアー・スターンズ

米ベアーSのヘッジファンド、「前代未聞」の価値下落で資産空っぽ
  7月18日(ブルームバーグ):米証券会社ベアー・スターンズは、苦境に陥った2本のヘッジファンドの投資家に、投資した資金の回収はほぼ絶望と伝えた。格付けAAAの証券の「前代未聞」の価値下落で、投資家に返還する資金は残っていないという。

  ベアー・スターンズの投資家あて書簡によると、2つのファンドのうち第1の「ハイグレード・ストラクチャード・クレジット・ストラテジーズ・エンハンスト・レバレッジ・ファンド」には「事実上、何の資産も残っていない」。第2のファンド「ハイグレード・ストラクチャード・クレジット・ストラテジーズ・ファンド」の方も「ほとんど何も残っていない」。第2のファンドにはベアー・スターンズからの融資の残高14億ドル(約1700億円)の返済に充てるのに「十分な資産」はあるという。投資家あて書簡を、ブルームバーグ・ニュースは17日関係者から入手した。

  イーガン・ジョーンズ・レーティングスのマネジングディレクター、ショーン・イーガン氏は「これは分水嶺となる事件だ」として、「住宅ローン担保証券への優れた投資家として評判を確立してきた大手プレーヤーがつまずいたとすれば、他の市場参加者の運命は推して知るべしだ」と話した。

  ベアー・スターンズは6月に、第2のファンドに16億ドルを緊急融資した。 1998年のロングターム・キャピタル・マネジメント(LTCM)以来の大規模救済劇だ。ベアー・スターンズのファンドへの投資家が直面する損失は、債務担保証券(CDO)市場の事態の深刻さを浮き彫りにする。

  ベアー・スターンズの2本のファンドは同社在籍22年のベテラン、ラルフ・シオフィ氏が運用していた。同氏はリスク軽減を図り、CDOの中の最高格付けの証券に投資した。一方で、ファンドはリターン向上のため多くの資金を借り入れて運用していた。予想に反してサブプライム住宅ローンのデフォルト(債務不履行)が増加を続けたとき、格付け「AAA」や「AA」の証券も下落し、ファンドは行き詰まった。

              市場への影響

  ニューヨークのヘッジファンド、サンノ・ポイント・キャピタル・マネジメントのアナリスト、ピーター・プラウト氏は、ベアー・スターンズのファンド問題は「今後数日から数週間の信用市場の弱さにつながる」と予想し、「リスク回避志向が高まるだろう」と述べた。ベアー・スターンズの広報担当者はコメントを控えた。

  「親愛なる顧客の皆様」で始まる書簡は、2つのファンドがわずか1カ月で沈んだ経緯を伝えている。投資家からの償還要求が増え価格下落で追い証が発生するなかで、ファンドは資産を売って現金を作ろうとしたが成功せず、債権者による差し押さえや資金引き揚げに至った。

  投資家が過去に受け取った報告書によると、払い戻す資産がゼロとなった第1のファンドには3月31日時点で6億3800万ドルの資本があった。第2のファンドは9億2500万ドルだった。このファンドの運用成績について知る関係者が匿名を条件に述べたところによると、同ファンドは年初来、資産の約91%を失っている。

                投資家

  第2のファンドへの投資家には、複数のヘッジファンドに投資するファンド・オブ・ファンズのトレモント・キャピタル・マネジメントやパラダイムが含まれる。両社は合わせて900万ドル超を失う恐れがある。6月22日の電話会議によると、ベアー・スターンズ自らも約3500万ドルを投資していた。同社は債権者が担保資産の投げ売りで証券の価格をさらに下落させるのを防ぐため、より規模の大きい第2のファンドを救済した。

  スリベント・ファイナンシャル・フォー・ルテランズのアナリスト、エリン・アーチャー氏は、救済のために「ベアー・スターンズが巨額のカネを出したところをみると、これ以上損をするとは考えていないのだろう」と話した。