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ETFへの資金流入が急拡大、金法・外国人買いなど思惑交錯


[東京 26日 ロイター] 株価指数連動型上場投資信託(ETF)への資金流入が足元で急拡大している。純流入額は、6月月初からの合計で1兆5000億円を超えた。

 業務純益かさ上げを狙う金融法人の分配金取りの買いが入ったとの見方がある一方、外国人の大口買い需要など特殊要因があるとの見方も出て、株式市場では思惑が交錯している。

 6月はもともとETFの売買が活発化することで知られている。決算日(分配金確定日)を間近に控えて分配金狙いの買いが入るためだ。現在上場している14本のETFのうち、13本が7月8日―15日に決算日を迎える。3月期決算企業の配当金支払いが6月下旬に集中するため、これを集計して分配金を算出する都合上、この時期に決算日が集中する。ETFは決算が年1回であるため、投資家はこの時期に仕込めばまとまった分配金を得ることができるわけだ。

 野村証券の藤田貴一ストラテジストは「例年5―6月にかけてETFの動きが活発化する背景には銀行の買いがある」と指摘する。銀行が株式を運用する場合、通常その売買損益は経常利益に反映され、本業の収益である業務純益には反映されない。だが、株式配当金や投信の分配金、投信の解約・償還損益は「資金運用収益」等に計上され、業務純益に反映される。ETFからの分配金も業務純益に反映することができるため、結果的に業務純益をかさ上げする効果がある。「経営計画の目標に業務純益を掲げている金融機関にとって、ETFの分配金取りにはそれなりのインセンティブが働く。あくまで可能性の話だが3大メガバンクより下位の金融機関が買っているのではないか」(藤田氏)という。

 ETFへの資金純流入(設定額―解約額)は、6月の月初から増加傾向だが、特に20日―22日の3日間は増加額が約1兆3800億円と際立っている。

 大和証券SMBCエクイティマーケティング部の高橋和宏部長は「金融機関の需要に応える形で組成された可能性は否定できないが、増加の金額が多すぎる。すべてが金融機関向けではなさそうだ」という。かつてETFは金融機関の持ち合い解消の受け皿として利用されたが、「持ち合い解消に絡む大手金融機関の組成は一巡しているはず。海外投資家の大口需要に応えるためか、何らかのヘッジを伴う一時的なポジション形成の可能性もある。それにしても今回の急増は謎が多い」と首をかしげる。

 株式市場の需給面で問題なのは、権利取りを終えた7月中旬以降の解約売りだ。2006年の場合は、日経平均が7月10日の高値1万5555円から18日の安値1万4437円まで約7%下落した。もっとも、「昨年は北朝鮮のミサイル問題と重なったことが大きい」(準大手証券マーケットアナリスト)という。市場では「今回はETFが強力に株価を押し上げたわけでもない。波乱があっても一時的だろう」との声が多い。


北米勢が日本株買い、事業再編などバリュー面重視


[東京 26日 ロイター] 北米やアジアを中心とした海外投資家の日本株買いが続いている。4月、5月は、特に北米勢の買い越しが目立っており、不動産などの含み益を有する企業や事業再編によって企業体質の強化が期待できる企業などバリュー面で魅力的な企業を好んでいる、との指摘も出ている。

 海外資産志向を強め、国内株は戻り売りスタンスで臨む個人マネーとは好対照だ。

 <海外勢の日本株買い、既に06年分の買い越し額に迫る>

 東京証券取引所によると、海外投資家による日本株の買い越し額は2007年1─5月累計で5兆2969億円と、既に2006年1年間の5兆6100億円に迫る勢いだ。

 中でも、北米勢が2兆1345億円、アジア勢が2兆1978億円と、北米、アジア勢の買い越しが目立つ。5月だけでみると、北米が5363億円の買い越しと、2000億─3000億円台のアジア・欧州勢に大きく差を付けた。

 ゴールドマン・サックス証券のリポートによると、同社が6月上旬に訪問した米国の投資家は、5月末に訪問した欧州投資家に比べ日本株に対して前向きで、中でもマクロ系ヘッジファンドやバリュー重視の投資家が強気だった。

 外国株式を運用するファンドマネージャーの大半が日本株をアンダーウエートにしている一方で、バリューファンドのマネージャーは日本株のウエートをニュートラル、あるいは高めにしていたという。 同社は、バリューファンドにとって、余剰キャッシュや不動産を保有する企業、あるいはM&Aや事業再編準備のポテンシャルがある企業などが魅力、としてうえで、「こうした企業に投資することで、隠れた価値を実現できる可能性がある。さらに日本市場は他の市場よりも価値創出の機会が大きい」と指摘している。

 同社は多くの米国投資家から日本の金利上昇による市場への影響について質問を受けたという。一般的に金利上昇は株式市場にはマイナスだが、ゴールドマンでは「デフレを脱却しつつある現在の日本では、金利上昇は家計の金利収入増加につながる」とし、「消費者や企業経営者に景気が回復しているというポジティブなシグナルを与えることは、株式市場にプラスに働くのでは」との見方をしている。

 <国内マネーの海外資産志向続く、小口化で外債にも食指>

 一方で、投信の日本株投資は解約超が続いている。野村総合研究所(NRI)が算出している国内投信の資金流出入状況(設定額マイナス解約額)によると、6月は22日までの15営業日で既に2504億円が流出。5月の流出額1133億円の2倍以上流出している。

 個人資金の流入先は相変わらず海外だ。海外資産(海外株式、海外債券、海外REIT)に投資する投信には8476億円が流入。5月の8375億円(同営業日ベース)を上回るペースで資金が流れ込んできる。

 6月は計45本の新規公募投信の設定が予定されているが、25日までにこのうち29本が設定済みで、残り16本が明日以降設定される。29日は設定が集中し13本の設定がある。6月の新規ファンド45本のうち、海外資産に投資するファンドは29本。明日以降設定される16本のファンドうち半数の8本が海外資産に投資するファンドだ。

 既に設定された海外資産に投資するファンドの設定額は約3104億円。22日までの海外資産に投資する既存ファンドへの流入額8476億円とあわせ、投信経由だけでも1兆1500億円を超える国内マネーが海外資産に向かった計算だ。

 さらに、証券会社をはじめ金融機関の店頭では、高金利をうたった短、中期の外債も人気だ。最近では外債の最低投資単位が小口化され、投資家が買いやすくなっていることも人気の背景にある。年率8%を超える南アフリカランド建て世銀債は売り切れが続出。年4.9%のウォルト・ディズニー米ドル建て社債や、豪ドル、ニュージーランドドル建て債、年率6─7%前後のゼロクーポン債なども人気を集めている。

 海外株高と円安による為替差益という好環境で投資収益を上げてきた個人マネーは、高金利と為替差益を狙う外債投資にも流れている。