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【米経済コラム】指標が明確な変化示すまでは金利据え置き-J・ベリー
  5月10日(ブルームバーグ):今から次の米連邦公開市場委員会(FOMC)会合が開かれるまでの間に、経済指標に明確な変化が示されない限り、次回のFOMC声明は今回と全く同じになるだろう。

  FOMCは9日、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を5.25%に据え置くとともに、前回3月のFOMCとほぼ同じ声明で決定の理由を説明した。声明は「インフレが期待通りに鈍化しないリスクが引き続き政策面で最重要の関心事項であると判断した」としている。

  次回のFOMCは6月27、28の両日に開催される。6月の会合では2007、 08年の景気予想も見直される。

  政策金利は06年6月を最後とした17回連続の0.25ポイントの利上げの後、現水準に据え置かれている。累積的な利上げの効果は昨年半ばごろから表れ始めた。以来、成長とインフレの間での綱引きが続いている。相当幅の利上げ後の常として、当初は成長率の方がインフレ率よりも大きく低下する。

  06年下期の成長率は平均で2.5%を下回り、07年第1四半期には1.3%まで落ち込んだ。落ち込みの主因はFOMCが「調整は継続している」と形容する住宅分野の不振だ。

声明によると、当局者らは依然として今年下期の成長加速を予想するとともに、「コアインフレ率は幾分高い水準にある」ものの、「インフレ圧力は時間をかけて落ち着く可能性が高い」と考えている。

               楽観派

バンク・オブ・アメリカ・セキュリティーズのチーフエコノミスト、ミッキー・D・レビー氏は4月25日の顧客向けリポートで、インフレは確かに鈍化する公算が大きいとの見方を示した。同氏は「生産能力を上回る過剰需要が後退すれば、それに続いてインフレ率は低下するはずだ」と分析し、「そう遠くない将来にコアインフレ率は2%未満に低下すると予想する」と述べている。

  レビー氏によると、過剰需要を喚起したのは、01年から始まった極端な金融緩和だ。政策金利は03年6月には遂に1%まで下がり、1年間その水準にあった。同氏によれば、「現在はこの逆の流れの最中」にある。

  レビー氏は「インフレ低下の正確なタイミングは分からない。需要過剰の流れの転換とインフレ低下の時期のずれは、ケースによってまちまちだからだ。しかし、今年下期にはインフレ低下の傾向が明らかになると予想している」と述べている。

  当局者らは、レビー氏の意見が正しいことを祈っているに違いない。だが、コアインフレ率が低下する時期については同氏ほど楽観的ではない。

               懐疑派

  クリアビュー・エコノミクスのエコノミスト、ケネス・T・メーランド氏は、インフレ低下に懐疑的だ。同氏は9日のFOMC声明発表の後に、「過去の経験は、循環的なコアインフレ率上昇を反転させるには景気の『減速』が必要であることを示している」が、「期間においても程度においても、十分な『減速』はまだ起こっていないと思われる」と指摘した。

  メーランド氏は、成長鈍化の主因だった住宅と在庫の調整は「半分以上終わった」とみて、今後は成長が加速すると予想する。同氏は「利下げに向けてすべての環境が整うチャンスは小さくなっている」として、「市場は年末までに、 08年の利上げを織り込み始めるだろう」と述べた。

  9日のFOMC声明の中で、もう一つ前回と同じだったのは「将来の政策調整は、これから明らかになる情報に基づくインフレと経済の見通しの変化に左右される」という部分だ。

  この一文が言っているのは、重要なのはFOMCメンバーの統一見解を大きく動かすようなデータだということだ。少なからぬ数のアナリストが年内の利下げを予想している。しかし、当局が真剣に利下げを検討し始めるには、労働市場の軟化を明確に示すデータと、インフレが本当に後退し始めているという確証が必要だろう。(ジョン・ベリー)