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米住宅価格の下落、富裕層在住のNY郊外にも波及-連鎖止まらず
5月9日(ブルームバーグ):米国の住宅市場の低迷がニューヨーク郊外の高級住宅地にも波及してきた。
年金運用会社TIAA-CREFのハーバート・アリソン最高経営責任者(CEO)や製薬大手ファイザーのジェフリー・キンドラー会長、俳優のポール・ニューマンさんが在住するコネティカット州ウエストポートの平均価格は 2007年1-4月期に前年同期に比べて8.2%下落し、156万ドル(約1億 8700万円)となった。クリントン前米大統領夫妻が住むニューヨーク州チャパカでは、不動産が売却されるまで市場に滞留する期間は平均で7カ月と、1年前の5か月から長期化した。
資産を持ち信用力の高い人が住むニュージャージー州やコネティカット州などのベッドタウンはこれまで、住宅価格の下落を免れていた。しかしここにきて、信用力の低い借り手向けのサブプライム住宅ローンの焦げ付きに対応した融資基準の引き締めが不動産市場の食物連鎖を混乱させており、全米に広がる住宅不況がマンハッタンの手前にまで押し寄せている。複数の登録サービスのデータによると、24の地域のうち15地域で価格が今年、最大で18.8%下落した。
ウィリアム・ピット・サザビーズ・インターナショナル・リアルエステートのブローカー、ダグ・ワーナー氏は、「以前なら初めての住宅を購入していたかもしれない人が、今だと購入できないかもしれない。これが動きを少し止めている」と指摘し、「鯨はプランクトンを食べるが、プランクトンが消滅すれば、鯨の身に何が起こるのかは分からない」と語った。
1-4月期の住宅価格のデータや市場滞留期間などのデータはニューヨーク、ニュージャージー、コネティカットの3州の登録サービスから収集した。全米不動産業者協会(NAR)は25日に4月分の中古住宅販売件数を発表する。
2007年の米中古住宅販売価格(中央値)は0.7%低下し22万300ドルとなる見通しで、NARが1968年に統計を開始以来初の前年比マイナスとなる。NARのエコノミスト、ローレンス・ユン氏によれば、大恐慌時代以降で初めて前年比で下落する可能性があるという。
NYSEユーロネクスト の株式を売りに格下げ :Matrix
プリンストン、ニュージャージー 5月 9日(ブルームバーグ) -- Matrix USA のアナリスト、 Daniel Scalzi 氏 は、 NYSEユーロネクスト (NYX US) の株式を売り に格下げした 。
ヘッジファンド業界の3月のパフォーマンス
2月後半に起こった、中国株下落を端緒とする世界的な株式市場の下落とクレジット市場でのスプレッド拡大の動きが3月初旬まで続いたものの、月中から月末にかけては相場環境が好転したことから、ヘッジファンドマネージャーの3月のパフォーマンスは全体的に好調であった。
株式相場は、月初軟調な展開であったものの中旬から反発し、MSCI World Indexはドル建で+1.59%を記録した。米国株はS&P500が+1.00%、Russell 2000小型株Indexが+0.93%のリターンを記録し、大型株から中小型株まで揃って上昇した。欧州株式市場も堅調であり、DAXが+3.00%、MSCI Europe Indexはドル建で+2.46%のリターンを記録した。一方で日本株は出遅れ、日経平均は▲1.80%、MSCI Japanは▲2.17%であった。株式市場下落の発端となった中国株は大きく上昇し、下落前の水準を上回った。MSCI Pacific ex Japan Indexはドル建で+4.29%のリターンを記録した。
株式ボラティリティに関しては、米国、欧州ではVIX指数、VDAX指数とも株式相場の大幅下落を受け上昇した後徐々に低下したものの、高水準を維持している。
米金利は、株価の回復に伴って上昇する展開となった。しかしながら、今後の米国景気や金融政策の見通しが不透明な中で、トレンドの出にくい状態が続いている。サプライム・モーゲージ市場の信用不安も他市場への影響は限定的であった。
為替については、先月に引き続きドルが対円、対ユーロとも下落した。ドル/円は118.56円から117.83円、ユーロドルは、1.3229ドルから1.3354ドルへと推移している。
ヘッジファンド業界は、前半は株式相場下落により損失を被るファンドも見られたものの、元々過熱感が見られていたことから株式のエクスポージャーを低下させていたマネージャーも多く影響は限定的。月後半に好調な企業業績や各種経済指標を受けて株式相場が回復し、月を通せば収益機会の多い月になった。HFRI Fund Weighted Composite Indexは+0.97%を記録した。
転換社債裁定戦略については、株式市場のボラティリティは月初から月末にかけて少しずつ低下したものの、依然として高水準であり収益機会の多い月となった。また、サブプライムモーゲージローン市場の問題を受けて、住宅セクターの転換社債のロング・ポジション、株式のショート・ポジションを構築していたマネージャーは収益を獲得した。HFRI Convertible Arbitrage Indexは+0.54%を記録した。
債券裁定戦略では、サブプライム住宅ローンに対する懸念が続いていることから、Indexなどでショート・ポジションを作成していた一部のマネージャーは収益を上げた。HFRI Fixed Income Indexは+0.53%となっている。
イベント・ドリブン戦略については、引き続き企業やプライベートエクイティファンドのキャッシュ・リッチなポジションを背景として、3月も引き続き世界各地で大型M&A案件が生まれるなど、企業活動が盛んだったことから好調なリターンを維持した。HFRI Event-Driven Indexは+1.21%を記録した。
株式L/S戦略のマネージャーは、全般的に好調。上旬に世界的な株価下落があったものの、それまでの過熱感から株式のエクスポージャーを低下させていたマネージャーが多く、影響は限定的であった。中旬以降の株価の反発に伴ってリターンを獲得した。HFRI Equity Hedge Indexは+1.06%を記録した。
株式マーケットニュートラル戦略は、株式のボラティリティが高い水準で推移したことから、比較的高いリターンを創出した。HFRI Equity Market Neutral Indexは+0.82%となった。
グローバルマクロ戦略については、月初の株式相場下落局面ではストップロスの損切りにより売却、その後の株価上昇局面に乗り遅れ、損失額が拡大したトレンドフォロー戦略のマネージャーが見られた。HFRI Global Macro Indexは▲0.12%とマイナスリターンとなった。
エマージング市場では、中旬からの株価上昇に伴い多くのマネージャーがプラスリターンとなった。また、株価上昇幅も日米欧に比べて高かったことから、他戦略と比べて高いリターンを享受した。HFRI Emerging Markets Indexは+2.34%を記録した。