3/5 司法ジャーナル 【無罪確定】
2007年03月05日号【無罪確定】
西岡菱和ライフクリエイト元社長、検察側、地裁の認定を覆すのは困難と判断
●控訴期限切れ
検察側は26日、東京都渋谷区の雑居ビルの虚偽登記事件で、電磁的公正証書原本不実記録罪などに問われ、13日の東京地裁判決で無罪を言い渡された「菱和ライフクリエイト」元社長、西岡進被告(52)について、控訴を見送る方針を固めた。控訴期限の27日を経て、無罪が確定した。
検察側は、暴力団山口組系後藤組組長、後藤忠正被告(64)=同罪で公判中=と共謀したとして、西岡被告に懲役3年を求刑したが、一審・東京地裁は「後藤被告と知り合いだったとは認定できない」などと共謀を否定。検察側は地裁の認定を覆すのは困難と判断した。
●犯罪の証明なし
起訴状によると、西岡被告は後藤被告らと共謀し、2005年、JR新宿駅南口に近い雑居ビルの所有権が後藤組関連企業にすべて移転したと虚偽登記したとされた。
しかし、東京地裁刑事12部の大島隆明裁判長、小林愛子裁判官、佐藤傑裁判官はこの公訴提起について「…、被告人には不実の登記をすることについての共謀があったとは認められず、その余の点について判断するまでもなく、本件公訴事実については犯罪の証明がないことに帰するので、刑事訴訟法335条により被告人に無罪の言い渡しをする」と判決した。
●鷲見一雄のコメント
「この種の判決に対し控訴するなら早々とやる筈なのに動きがないので控訴断念すると思っていたらその通りとなった。妥当な判断と評価する」