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CPIゼロ%は逆風-それでも先行きに確信あれば日銀は利上げ継続へ
  3月2日(ブルームバーグ):1月の全国の消費者物価指数(除く生鮮食品、コアCPI)前年比上昇率はゼロ%と、昨年12月(プラス0.1%)から伸び率が縮小。「マイナス転落にリーチがかかった」(みずほ証券の上野泰也チーフマーケットエコノミスト)格好だ。コアCPIの低迷は次の利上げの障害になるとの見方が強いが、足元の動きに執着し過ぎると見通しを誤る可能性もある。

同時に発表された2月の東京都区部コアCPI前年比上昇率もゼロ%と、前月(プラス0.2%)から伸び率が縮小。今月30日発表される2月の全国コアCPI前年比上昇率は「マイナス0.1%に落ち込む可能性が高くなった」(上野氏)。ただ、日銀は既に2月の金融経済月報で「目先、原油価格反落の影響などからゼロ近傍となる可能性がある」と指摘。福井俊彦総裁も先月22日の国会で「若干のマイナスに陥る可能性もある」と述べており、既に織り込み済みだ。

福井総裁は先月21日の追加利上げ後の会見で「物価水準は非常に低いが実質2%程度の成長が安定的に続くというように考えた場合でも、やはり0.25%とか0.5%という金利水準は相対的に非常に低い」と述べた。東海東京証券の斎藤満チーフエコノミストはこの発言を「景気の腰がしっかりしていることが確認されれば、物価上昇率が多少低くても利上げできる」ということだと読む。

07年度、08年度のコアCPI

米国型コアといわれる「食料(酒類を除く)およびエネルギーを除く」CPIの前年比はマイナス0.2%と、前月(マイナス0.3%)から下げ幅が縮小した。昨年第1四半期マイナス0.6%、第2四半期マイナス0.5%、第3四半期マイナス0.4%、第4四半期マイナス0.3%と、エネルギーを除くコアCPIはゆっくりだが改善しており、1月もそうした傾向が続いていることが示された。

コアCPIについては、1月の原油価格急落の影響が出る2、3月分で最も強い逆風が吹くが、4月からはサービス価格の改定という支援材料もあり、「前年同月比は再び0.2%程度とプラス圏に復する」(バークレイズ・キャピタル証券の会田卓司チーフエコノミスト)との見方もある。日銀は4月27日の金融政策決定会合で経済・物価情勢の展望(展望リポート)を作成し、07年度と 08年度の実質成長率とコアCPIの見通しを明らかにする。

水野温氏審議委員は28日仙台市での会見で、07年度と08年度のコアCPIについて、06年度プラス0.3%、07年度プラス0.5%という従来の見通しが「後ずれするような形になっているのではないかというのが今の時点のラフなイメージ」と述べた。08年度については原油価格による下押し要因がはく落するため、0.5%より若干高くなるのではないか、という見方も日銀内にある。

参院選とコアCPIの「逆風」

福井総裁が追加利上げに踏み切った先月21日の会見で「今後とも金利水準の調整は、経済・物価情勢を丹念に点検しながら、ゆっくりと進めていく」と述べたことで、次の利上げも半年程度先、という相場観が形成されている。たまたま参院選が7月に設定されていることで、8月以降という見方が市場では強いが、日銀にとってより重要なのは、展望リポートの中間評価を行う7月会合だ。

1月会合での利上げの有無をめぐってあれほど大騒ぎになったのも、中間評価という重要な節目だったことが理由の一つとして挙げられる。7月初めには日銀企業短期経済観測調査(短観)も発表される。日銀は昨年7月、短観の良好な結果を背景にゼロ金利解除に踏み切った。ただ、今年の7月会合については、参院選という政治日程以外にも逆風が吹く可能性がある。原油相場が昨年夏場にピークをつけた反動で、今夏のコアCPIは再び下押し圧力を受けることだ。

水野委員は28日の仙台市での会見で、コアCPIがマイナスに転じるリスクがある中で利上げは難しい、という市場の観測について問われ、「今回そういう見通しがあることをあえて金融経済月報に触れながら、政策金利の引き上げを決定した」と強調した。フォワード・ルッキング(先見的)な姿勢を貫く限り、たとえ足元の指標が短期的に振れても影響はされない、というわけだ。

次の利上げも「確信」がキーワードに

福井総裁は先月21日の会見で、利上げの背景についてこう説明した。「展望リポートで示している基本的なシナリオは、生産・所得・支出の前向きの循環メカニズムがしっかりと働き続けるということだ。その循環メカニズムが前向きに働き続けて経済の拡大が続く中で、全体としての需給は少しずつタイトな方向に行くというのが基本シナリオだ。これについて私どもは確信を持った」。

今回の利上げのキーワードは、日銀が自ら描いた「蓋然(がいぜん)性の高いシナリオ」に対する「確信」だった。それは今後も変わるまい。コアCPIが足元ゼロ近傍であっても、先行き需要超過が進むという確信が持てれば利上げする可能性があるのか、と問われ、福井総裁は次のように答えている。

「新しい情勢の展開を丹念に分析しながら、このような先行きの展望がより確かに持てるか、という中で判断が決まってくるわけで、先々コアCPIがゼロ近傍でも利上げをするのか、そこだけ抜き出して質問されても答えられない」。4月の展望リポートで示す蓋然性の高いシナリオが引き続き望ましい経済・物価の姿と一致していれば、そのシナリオに確信が持てた段階で、次の利上げが行われることになる。その有力候補として、7月会合の重要性は決して低くない。


日本株(終了)大幅続落、連鎖安の余震と円キャリー警戒-投資家萎縮
  3月2日(ブルームバーグ):週末の東京株式相場は大幅続落。為替相場で円安修正の動きが強まっており、円キャリートレード(円借り取引)の巻き戻しで株式市場への資金流入が鈍るとの警戒感が広がった。ソニーが5%以上の下落となるなど、流動性があって時価総額が大きい電機株の下げがきつく、トヨタ自動車などの自動車株も売られた。光ファイバー費用の負担で減益見通しとなったNTTを中心に情報・通信も安く、東証業種別33指数は、25業種が下落、上昇は8にとどまった。

  日経平均株価の終値は、前日比235円58銭(1.4%)安の1万7217円93 銭で4連敗。TOPIXは同18.52ポイント(1.06%)安の1721.59。東証1部の売買高は概算で27億4586万株。  午前の取引では一時1月中旬来の安値水準に落ち込んだ日経平均は、午後の取引前半はやや下げを縮小したが、戻りは鈍かった。週末とあって、積極的な買いを入れにくかった上、ここ数日のあまりの下落で投資家心理が萎縮しているとの指摘も出ていた。

  ユナイテッド投信投資顧問の高塚孝一シニアファンドマネージャーは、「今後、相場を左右するのは為替の動向になるだろう。1ドル=117円台まで円高・ドル安が進んでしまうと、輸出企業の来期業績見通しは相当慎重にならざるを得ない。相場は来期見通しへと視点をシフトさせているため、4-6月期まで弱い相場が続く可能性もある」と懸念する。

      円キャリーに巻き戻り、先物にヘッジ的売買

  世界同時株安の余震が続いた。相場を直撃したのが為替相場での円の急伸だ。円キャリー取引の巻き戻し警戒感が起こり、過剰流動性の収縮懸念が投資家心理を弱気に傾かせた。1日のニューヨーク外国為替市場ではドル=円相場が一時、116円台に突入し、12月13日以来の円高水準を記録した。対ユーロでも上げに転じており、円はすべての通貨に対して独歩高となった。

  特に投資家心理を冷やしたのが、対ニュージーランドドルでの円の急騰。高金利通貨として有名なNZドルに対しても、円キャリー解消への懸念が広がっており、「株式相場の一段の軟化を受け、投資家はリスクの高い取引に神経質になっている」(NZ銀行の通貨ストラテジストオ、ダニカ・ハンプトン氏)。

  金融市場の先行きに疑心暗鬼の状態が続いており、世界の株式相場ではキャッシュポジションを高める動きが加速した。前日の世界株式相場の動向を見渡すと、米国株式相場は反落し、ダウ工業株30種平均は一時、前日比最大209.09 ドル(1.7%)まで急落する場面もみせた。欧州や新興国の株式相場も軟調で、ダウ欧州50種株価指数は前年比0.8%安、ブラジルボベスパ指数は同0.9%安、ロシアRTS指数は同3.3%安だった。

  投資家のポジションを整理する動きは週末を控えた日本株市場にも波及した。日経平均先物3月物の出来高は15万1226枚となっており、1日を通して活況といわれる10万枚を大きく超えた。損失回避を狙った売買が増え、先物主導で相場が下落した状況がうかがえた。「先物主導で上昇してきたため、先物主導で下げる展開」(安田投信投資顧問の茶野宏ファンド運用部長)となっているようだ。

         下落率上位はテレパークや巴工業

  東証1部の下落率上位を見ると、親会社の三井物産が保有株式を売り出すと発表したテレパークが大幅安となったほか、大型案件が下期にずれ込み中間期業績見通しを修正した巴工業も急落。ソニーも売り込まれ、家庭用ゲーム機に使用されている技術をめぐる特許侵害訴訟で、米社と和解して1億5030万ドルを支払う事実が明らかになっていた。  このほか、光ファイバーのコスト負担で08年3月期が大幅減益見通しとなるNTTも下げた。

          鉄鋼戻す、震源地は堅調スタート

  ただ、午後の日経平均は、午前の安値(293円安の1万7160円)を下回ることなく終えた。午前は安かった鉄鋼株が上げに転じ、不動産株も上げ幅を拡大。東証1部上位には新日鉄や住友金属工業、神戸製鋼所などが並び、全体の売買代金は3兆5290億円と、高水準を維持した。  「日経平均は3営業日連続で『下ひげ』が出ており、これまでの上昇局面で指をくわえていた投資家が、安い水準で積極的に買っている」(マネックス証券の藤本誠之マネジャー)との声が聞かれた。

  また、世界連鎖株安の震源地となった中国・上海の株式相場が小幅反発して始まったことも、投資家心理の一段の悪化を食い止めたようだ。大和住銀投信投資顧問の門司総一郎チーフストラテジストによると、「来週開催される中国の全国人民代表大会で株価抑制策が出るとの観測から中国株は急落した。中国株がどう動くかやはり注目される」という。

  東証1部の値上り上位を見ると、クレディ・スイス証券が目標株価を引き上げた東京建物のほか、白石・郡山間のガスパイプラインの運用を開始する石油資源開発、通期業績予想を上方修正した平和不動産などが並んだ。UBS証券が強気の投資判断を示した郵船航空サービスも高い。

      新興市場も安い、フォーサイドやサイバーF急落

  国内の新興3市場もそろって下落した。ジャスダック指数は前日比0.8%安の87.60。東証マザーズ指数は同1.3%安の1067.33。大証ヘラクレス指数は同 0.8%安の1770.44。

  ジャスダック市場では、日本技術開発やジャレコ・ホールディングス、アイビーダイワなど低位株に下落が目立ち、SBIイー・トレード証券、スパークス・グループなど金融関連、インデックス・ホールディングスなど時価総額上位株が軟調。前期600億円を超す最終赤字に転落するフォーサイド・ドット・コムは連日のストップ安(制限値幅いっぱいの下げ)。  半面、コストダウンの徹底などで中間期の経常利益が大幅増益となったウチダエスコが大幅高。九九プラス、アルゼなども買われた。

  東証マザーズ市場では、ディー・エヌ・エー、ACCESS、アンジェスMGなどが安い。半面、WOWOW、インターネット総合研究所、アルデプロなどが高い。

  大証ヘラクレス市場では、サイバーファームがストップ安。同社は、「アイ・エックス・アイや東京リースとの間で架空循環取引を行い、売上高を水増ししていた疑いがあるとの報道があったが、事実は一切ない」とのコメントを発表。このほか、高機能繊維製品の販売が軟調で27日に中間業績の下方修正を発表したフォトニクスが連日のストップ安。USEN、サイバーファームなども安い。  半面、アセット・マネジャーズ、ダヴィンチ・アドバイザーズ、エン・ジャパンなどが買われた。

  免疫生物研究所は2日、大証ヘラクレス・グロース市場にIPO(新規株式公開)した。初値は1万円で、公募価格の1万1000円を9.1%下回った。終値は8900円。


中国当局:海外からの短期資金借り入れ規制強化―金融機関対象(2)
3月2日(ブルームバーグ):中国国家外為管理局(SAFE)は2日、国内金融機関による海外からの短期資金借り入れに関する規制を強化したと発表した。金融の安全性を確保し、国際的な不均衡を調整するのが狙い。

SAFEがウェブサイトに掲載した声明によれば、金融機関に割り当てられていた今年の外債借入枠を引き下げた。声明は、「短期外債が速過ぎるペースで拡大している」としている。

SAFEは金融機関に対し、国内市場で外貨を借り入れるよう促した。海外からの短期借り入れの定義も拡大し、外国企業による90日物の預金引き受けも対象になるという。中短期外債は2006年に16%増加。短期債務は中国が持つ外債全体の約57%を占めるという。

中国の外債は昨年3月時点で2880億ドル(約33兆8500億円)。外債全体は昨年、前年比14%増加した。


東京外為:円が一進一退、株にらみで来週も調整局面継続か-117円台
  3月2日(ブルームバーグ):東京外国為替市場ではドル・円が1ドル= 117円台半ばから後半で一進一退の展開となった。前日の欧米株に続き日本株が大幅続落するなど、株式市場の動揺が続くなか、低金利の円を調達して高金利通貨で運用する「円キャリー取引」の巻き戻しに対する警戒感がくすぶる一方、海外時間に大幅に円高が進んだことで、週末を前に東京時間は積極的に円の上値を追う動きは限られた。

  みずほコーポレート銀行国際為替部の田中義久調査役は、東京時間は比較的、落ち着いた動きとなっているものの、円高がスピードも速く、値幅的にも大きく進んだことで、「再び円キャリー取引に戻って、ドル・円やクロス円を買うという環境ではない」と指摘。「来週も株をにらみながらの動きとなり、ドル・円、クロス円はもう少し下押しする可能性がある」とみている。

             円が一進一退

  この日のドル・円は1ドル=117円60-62銭付近で早朝の取引を開始。その後、外貨建て投信の設定に伴うドル買い観測や一部輸入企業の買いを背景に一時、117円83銭までドルが強含んだが、欧州債の償還に伴うユーロ売り・円買いが指摘されるなか、上値は抑えられた。

  また、午前10時過ぎに日経平均株価が前日比300円近い下げとなると、円買いが強まり、ドル・円は一時、117円48銭まで軟化。しかし、中国株式相場の上昇を背景に日経平均が下げ渋ると、ドル・円も安値から値を戻し、正午半過ぎに再び朝方の高値水準まで強含むなど、小幅ながら上下に振れる展開が続いた。

  ユーロ・円も1ユーロ=155円ちょうどを挟み、上下15銭程度のレンジで一進一退の展開。一方、ユーロ・ドルは1ユーロ=1.31ドル台後半でもみ合った。

  2日の東京株式相場は大幅続落となり、午前の取引では日経平均株価が一時、1月中旬以来の安値水準に落ち込んだ。一方、世界連鎖株安の震源地となった中国・上海の株式相場は小幅反発となり、アジア株は高安まちまちとなっている。

  新光証券の林秀毅グローバルストラテジストは、株式相場は直前までかなり上げていたところを、短期間で調整している格好で、「株価の下落とリスクマネーの収縮とスパイラル的に悪化していくという展開は考えにくく、調整という位置付けは普遍」としながらも、短期的には株価動向によってもう一段、ドル・円が下落する可能性もあるとみている。

             株式市場の動向を注視

  前日の米国株式相場は反落し、ダウ工業株30種平均は一時、前日比最大 209.09ドル(1.7%)まで急落する場面も見られた。また、欧州や新興国の株式相場は3日続落となり、ダウ欧州株価指数は1日までの3日間で5.3%と2003 年以来で最大の値下がりを記録した。

  欧米株の下落を受け、1日の海外市場では海外ファンド勢による円キャリー取引の巻き戻しが再加速。ドル・円は一時、1ドル=117円ちょうどを割り込み、116円97銭(ブルームバーグ・コンポジット参照)と昨年12月13日以来、約2カ月半ぶりの水準まで下落し、ユーロ・円も1ユーロ=154円55銭と1月 10日以来の安値を付けた。

  バークレイズ銀行チーフFXストラテジストの梅本徹氏は、株式市場が不安定化していることが円キャリー取引の巻き返しの主因であり、株が落ち着くまでは、円高の流れは止まらない可能性があると指摘。ドル・円は115円程度までの調整があってもおかしくないとした上で、「金融市場で世界経済は後退しないとの期待が戻ってくることが、円安トレンド、あるいは株高トレンドに戻る重要なポイントになる」とみている。

  米国ではこの日、ミシガン大学が2月の消費者マインド指数の改定値を発表する。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト調査の予測中央値では、この日は速報値の93.3とほぼ変わらずの93.5が見込まれている。

  また、連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長がスタンフォード大学でグローバル化と金融政策について講演する。バーナンキ議長は2月28日、金融市場は「十分に機能している」と述べるとともに、米経済は勢いを増していくとの見通しを示した。

  米供給管理協会(ISM)が1日発表した2月の製造業景況指数(季節調整済み)は52.3と、前月の49.3から上昇し、エコノミスト予想の中央値で景気の拡大と縮小の境目を示す50を上回った。

          円キャリー取引再開に慎重

  一方、朝方発表された日本の消費者物価指数(CPI)は、1月の全国の生鮮食品を除いたコアCPIが前年同月比で横ばいと予想通りとなり、円相場への影響はほとんど見られなかった。1月の全世帯の消費支出額(農林漁家世帯を含む、物価変動を除いた実質)は前年同月比0.6%増加と事前予想(同0.3%減)を上回り、13カ月ぶりのプラスとなった。1月の完全失業率(季節調整値)は4.0%だった。

  新光証券の林氏は、CPIは予想通り横ばいだったが、円キャリー取引のリスクへの警戒感が高まってきており、「日本の利上げは当面ないので安心して円売り、とは言えない状況になりつつある」と指摘。今後、株価の下落が収まったとしても、以前のように円キャリー取引が活発に行えなくなる可能性があるとみている。

  米銀JPモルガン・チェースは1日までに、キャリートレードのポジションの大半を「解消」し、より「ディフェンシブ」な投資姿勢を取ることを勧めた。


東京時間午後3時53分現在 前日比  1日のニューヨーク午後5時時点
ドル・円 117.62 +.01 117.61
ユーロ・ドル 1.3171 -.0016 1.3187
ユーロ・円 154.92 -.08 155.10

ハウス:エネサーブ買収、96億円弱でTOBと増資引受-支援要請応諾
3月2日(ブルームバーグ):国内住宅2位の大和ハウス工業は、電力関連事業を手掛けるエネサーブを買収する。TOB(株式公開買い付け)と増資引き受けで最大で96億円弱を投じて株式の過半数を取得する。原油高騰に見舞われてリストラを進めているエネサーブの支援要請を受け、エネルギー・環境関連事業での相乗効果が期待できると判断した。ハウス、エネサーブが2日発表した。

ハウスは1株368円でエネサーブにTOBを仕掛ける。買取価格はエネサーブ株1日終値に比べ172円、率にして32%低い水準。期間は3月7日から4月11日まで。最大で755万株を27億8000万円で買い取る。エネサーブ深尾勲社長と親族が代表の会社が持つ682万1000株についてはTOBに応じることで合意済み。

さらにハウスは1株486円でエネサーブの第三者割当増資1400万株を引き受ける。払込日は3月19日で総額は68億円。この増資を含めてTOBで深尾社長らの持ち分のみを買い取った場合の議決権所有比率は50.3%、TOBで最大株数を買い取った場合は議決権比率が52.1%になる。

ハウス株の終値は前日比10円(0.5%)安の2065円。ハウスによるエネサーブ買収は日経新聞(電子版)が取引時間中に報じた。これを受けて東証はエネサーブ株売買を午後2時32分から一時停止した。停止前までにエネサーブ株は同63円(12%)高の603円まで急騰した。


インド株(終了):下落-センセックス指数は週間で7カ月ぶり大幅安
3月2日:(ブルームバーグ):インド株式相場は下落。センセックス30種株価指数が週間ベースで7カ月ぶりの大幅な下げとなった。米経済の減速懸念と、クレディ・スイスがセンセックス指数は「中期的」に13%下落するとの見通しを示したことが嫌気された。リライアンス・インダストリーズやインフォシス・テクノロジーズが安い。

エスコーツ・アセット・マネジメントで約3200万ドル相当のインド株運用に携わるK・K・ミタル氏(ニューデリー在勤)は、投資対象として「新興市場が割高になり始めていることから投資家は若干慎重になっている」と述べた。

ボンベイ証券取引所のセンセックス30種指数は、前日比273.42ポイント(2.1%)安の12886.13で終了。週間の下落率は5.5%と、昨年7月21日終了週以来で最大となった。3週連続の下落。

ナショナル証券取引所上場の50銘柄で構成するCNXニフティー指数は、前日比84.45ポイント(2.2%)安の3726.75。

民間企業としてはインド最大手のリライアンス(RIL IN)は49.4ルピー(3.6%)安の1317.35ルピー。同国2位のソフトウエア輸出会社、インフォシス(INFO IN)は50.3ルピー(2.3%)安の2103.15ルピー。


今日の国内市況:円キャリー警戒で株式続落、債券もむ-円は一進一退
  3月2日(ブルームバーグ):週末の東京株式相場は大幅続落。為替相場の円安修正の動きは、円キャリートレード(円借り取引)の巻き戻しで株式市場への資金流入が鈍るとの警戒感につながった。ソニーが5%以上の下落となるなど、流動性があって時価総額が大きい電機株の下げがきつく、トヨタ自動車などの自動車株も売られた。光ファイバー費用の負担で減益見通しとなったNTTを中心に情報・通信も安く、東証業種別33指数は、25業種が下落、上昇は8にとどまった。

  日経平均株価の終値は、前日比235円58銭(1.4%)安の1万7217円93 銭で4連敗。TOPIXは同18.52ポイント(1.06%)安の1721.59。東証1部の売買高は概算で27億4586万株。午前の取引では一時1月中旬来の安値水準に落ち込んだ日経平均は、午後の取引前半は中国株が堅調なスタートとなったことでやや下げを縮小したが、戻りは鈍かった。週末とあって、積極的な買いを入れにくかった上、ここ数日のあまりの下落で投資家心理が萎縮しているとの指摘も出ていた。

  ユナイテッド投信投資顧問の高塚孝一シニアファンドマネージャーは、「今後、相場を左右するのは為替の動向になるだろう。1ドル=117円台まで円高・ドル安が進んでしまうと、輸出企業の来期業績見通しは相当慎重にならざるを得ない。相場は来期見通しへと視点をシフトさせているため、4-6月期まで弱い相場が続く可能性もある」と懸念する。

  為替動向に加え、不安定な米国市場の動向も世界同時株安の余震継続と受け止められている。1日の米国株式相場は反落し、ダウ工業株30種平均は一時最大209.09ドル(1.7%)まで急落する場面もみせた。欧州や新興国の株式相場も軟調で、ダウ欧州50種株価指数は前年比0.8%安、ブラジルボベスパ指数は同0.9%安、ロシアRTS指数は同3.3%安だった。投資家のポジションを整理する動きは週末を控えた日本株市場にも波及。日経平均先物3月物の出来高は15万1226枚となり、1日を通して活況といわれる10万枚を大きく超えた。損失回避を狙った売買が増え、先物主導で相場が下落した状況がうかがえたという。

  東証1部の下落率上位を見ると、親会社の三井物産が保有株式を売り出すと発表したテレパークが大幅安となったほか、大型案件が下期にずれ込み中間期業績見通しを修正した巴工業も急落。ソニーも売り込まれ、家庭用ゲーム機に使用されている技術をめぐる特許侵害訴訟で、米社と和解して1億5030万ドルを支払う事実が明らかになっていた。このほか、光ファイバーのコスト負担で08年3月期が大幅減益見通しとなるNTTも下げた。  一方、午前は安かった鉄鋼株が上げに転じ、不動産株も上げ幅を拡大。新日鉄や住友金属工業、神戸製鋼所などが売買高上位に並び、全体の売買代金も3兆5290億円と、高水準を維持した。東証1部の値上り上位は、クレディ・スイス証券が目標株価を引き上げた東京建物や、白石・郡山間のガスパイプラインの運用を開始する石油資源開発、通期業績予想を上方修正した平和不動産、UBS証券が強気の投資判断を示した郵船航空サービスなど。

       債券もみ合い、指数型運用の買い需要一巡

  債券相場はもみ合い。内外株式相場の下落や米長期金利の低下基調が支えとなったが、一方でインデックス(指数)型運用を手掛ける向きの買い需要が一段落しており、投資家の様子見姿勢が強い中で相場は方向感の定まらない展開だった。朝方に発表された景気指標も強弱感を伴う内容だったため、新規に取引を手がけるきっかけとはならなかった。

日本投信委託の山田聡運用第二部長は、日銀のイベントを終えたことで潜在的な買いがまず出て、さらに月末の年限長期化や買い遅れ組の需要もいったんは終わったと指摘。そのうえで、「株安が続いても金利を押し下げる勢いはないが、利上げ後1週間の相場としては上出来だったのではないか」ともいう。

東京先物市場の中心限月3月物は、開始直後に前日比11銭高の134円93 銭をつけたが、すぐに売りが膨らんで8銭安の134円74銭まで下げた。しかし、この15分たらずでこの日の高値と安値を記録した格好となり、その後は日中を通して1日の終値付近で推移し、結局は前日比変わらずの134円82銭で引けた。

一方、この日の午前8時30分に発表された1月の全国消費者物価は、変動の大きい生鮮食品を除くコア指数が前年同月比横ばいとなり、2006年12月の同0.1%上昇から上げ幅を縮めた。半面、食料品とエネルギーを除くベースでは同0.2%低下となり、前月の同0.3%低下から下げ幅を縮めている。市場では、2月の全国コアCPIがマイナスに転落する可能性も指摘されたが、少なくともこの日の債券相場への影響は限定的だった。

現物債市場で新発10年物の285回債の利回りは、前日比1bp高い1.68%で取引を始めたが、その後はやや買いが入って持ち直し、午前9時半前後からは1.665-1.675%での推移が続いた。ただ、「下期に入って以降の1.6- 1.8%のレンジで見ると低いところにあり、外部要因はフォローだが、ここから買ってよいのか迷いもある」(ABNアムロ証券の市川達夫チーフ債券ストラテジストは市川氏)ことから、投資家の姿勢は姿勢だった。

          ドル・円は117円後半で一進一退

  東京外国為替市場では、ドル・円が1ドル=117円台半ばから後半で一進一退の展開。前日の欧米株に続き日本株が大幅続落するなど、株式市場の動揺が続く中、低金利の円を調達して高金利通貨で運用する「円キャリー取引」の巻き戻しに対する警戒感がくすぶる一方、海外時間に大幅に円高が進んだことで、週末を前に東京時間は積極的に円の上値を追う動きは限られた。

  みずほコーポレート銀行国際為替部の田中義久調査役は、東京時間は比較的、落ち着いた動きとなっているものの、円高がスピードも速く、値幅的にも大きく進んだことで、「再び円キャリー取引に戻って、ドル・円やクロス円を買うという環境ではない」と指摘。「来週も株をにらみながらの動きとなり、ドル・円、クロス円はもう少し下押しする可能性がある」と見ている。

  この日のドル・円は1ドル=117円60-62銭付近で早朝の取引を開始。その後、外貨建て投信の設定に伴うドル買い観測や一部輸入企業の買いを背景に一時、117円83銭までドルが強含んだが、欧州債の償還に伴うユーロ売り・円買いが指摘される中、上値は抑えられた。

  また、午前10時過ぎに日経平均株価が前日比300円近い下げとなると、円買いが強まり、ドル・円は一時、117円48銭まで軟化。しかし、中国株式相場の上昇を背景に日経平均が下げ渋ると、ドル・円も安値から値を戻し、正午半過ぎに再び朝方の高値水準まで強含むなど、小幅ながら上下に振れる展開が続いた。  ユーロ・円も1ユーロ=155円ちょうどを挟み、上下15銭程度のレンジで一進一退。一方、ユーロ・ドルは1ユーロ=1.31ドル台後半でもみ合った。

  米国ではこの日、ミシガン大学が2月の消費者マインド指数の改定値を発表する。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト調査の予測中央値では、この日は速報値の93.3とほぼ変わらずの93.5が見込まれている。また、連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長がスタンフォード大学でグローバル化と金融政策について講演予定。バーナンキ議長は2月28日、金融市場は「十分に機能している」と述べるとともに、米経済は勢いを増していくとの見通しを示していた。