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2/19 司法ジャーナル 【無罪判決】

2007年02月19日号

【無罪判決】
西岡・菱和ライフクリエイト元社長、後藤忠正後藤組組長との共謀の認定は無理と判断


●事件の構図否定
 東京地裁刑事12部の大島隆明裁判長、小林愛子裁判官、佐藤傑裁判官は13日、指定暴力団山口組系後藤組組長らがビルの所有権を移転させるためにうその登記をしたとされる事件で、電磁的公正証書原本不実記録、同供用などの罪に問われた菱和ライフクリエイト元社長、西岡進被告(52)に対する判決を出した。

 西岡被告は後藤被告らと共謀の上、渋谷区のビルを転売して利益を得る目的で、05年2月、東京法務局渋谷出張所で、ビル所有権をすべて後藤組の関連企業「赤富士」に移転したと虚偽を登記したとして昨年5月に逮捕、起訴された

 大島裁判長は「西岡被告と後藤被告がかねてから知り合いである事実も証拠上到底認定できない」と検察側の描いた事件の構図を否定、西岡元社長に無罪(求刑懲役3年)を言い渡した。


●共謀を認定するには無理が、
 大島裁判長は、菱和は実際の部分所有者などとの間のトラブルに巻き込まれたと指摘。菱和が売買契約を解除したのに対し、「後藤組関係者は菱和を取引関係に残すため振込名義人を換える画策をし、そのことを利用して菱和から13億円取り戻そうとしていたことが窺われるのであって、このような対立関係にある者同士の間で不実の登記をすることの共謀があったと認定するのはかなり無理がある」と述べ、さらに付言すれば菱和側が後藤組関係者らの告訴を警察に相談する予定だったことも挙げ、「警察に赴く前日に犯罪を実行するのは奇異」と指摘した。

●西岡被告、岩村次席検事
 無罪判決を言い渡された西岡被告は「無実を何度訴えても、検察官はろくに話を聞いてくれなかった」などと捜査への批判をとつとつと語った。
 昨年5月、警視庁に逮捕された。「冗談だと思ったが(暴力団も絡む事件のため)身の安全のために保護され2、3日で解放されるだろうと思っていたら、拘置は約20日に及び、起訴された」 「検事が取り調べたのは5日程度。最初から『起訴だ』と言われ、数分で取り調べを打ち切られたことも。自分の目で見て判断してほしかった」と会見で語気を強めた。
 東京地検・岩村修二次席検事は「検察の主張が理解されず遺憾。判決内容を検討し、上級庁とも協議して対応を決めたい」とコメントした。

●鷲見一雄のコメント
「私は第2回公判を傍聴した。検察側証人、フェニックスの一居、金代に対し、大島裁判長は判決で指摘している疑問を露にし、尋問していた。私は検察側が相当な補強証拠を追加しない限り西岡被告に無罪判決を出すなと感じた。判決は後藤被告に有利な判断をしたわけではないが、野崎和興さんに厳しい判断をしているところから影響がないはずはない。検察側は上場企業の社長と経済ヤクザの大物を起訴したにしては立証がおそまつすぎた。

データから大島裁判長が証拠を厳格に検証することは分かりきったことではないか。検察は控訴するだろうが、敗因を徹底的に総括してやらないと再び臍を噛む危険があるのではないか」