12/2 ブルームバーグ 記事
今週の米経済指標:失業率は4.5%に上昇か、景気減速で-8日発表
12月3日(ブルームバーグ):今週の米経済指標は、11月の失業率が小幅上昇したことや、雇用者数が今年の平均を下回ったことを示し、景気の減速を裏付ける見込みだ。
ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト調査(予想中央値)によると、労働省が8日発表する雇用統計は、失業率が4.5%と、5年ぶりの低水準だった10月の4.4%を上回る見通し。
11月の非農業部門雇用者数は前月比10万5000人増と、今年これまでの平均(同14万7000人増)を下回る伸びにとどまるとみられている。10月は同9万2000人増と、1年ぶりの小幅増だった。
米国の個人消費はこれまで、雇用創出に伴う家計所得の増加に支えられてきた。一方、先週発表された経済指標は、住宅以外のセクターにも景気減速の兆しが出ている様子を示した。
マリア・フィオリニ・ラミレスの米国担当チーフエコノミスト、ジョシュア・シャピロ氏は「現在、経済成長の妨げになっているセクターは主に建設業と製造業だ」と指摘。「これまでのところ個人消費は持ちこたえているが、10- 12月期の成長の逆風となる要因は多い。この状況は来年1-3月期も続く可能性が高い」と語った。
また、11月の週当たり平均賃金は前月比0.3%増の見込み。前年同月比ベースでは4.2%増と、2001年2月以来の大幅な伸びになるとみられている。予想通りなら、バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長の楽観的な景気見通しの根拠の1つとなる。
成長回復
バーナンキ議長は11月28日の講演で、来年の成長率について「潜在成長率とおおむね一致する水準に戻る見込みだ」と指摘。このシナリオは「個人消費が、所得増加や最近のエネルギー価格低下に支えられ、増加を続けるとの見通しに基づくものだ」と語った。
投資家の間には懐疑的な見方もある。米10年国債利回りは先週、1月以来の低水準に低下。金融当局は来年、景気減速に対応するため、利下げをする必要があるとの観測が背景にあった。市場関係者の予想を反映する金利先物の水準によると、来年3月までに政策金利(現行5.25%)が5%に引き下げられる確率は100%だ。
シティグループ・グローバル・マーケッツのマネジングディレクター、スティーブン・ウィーティング氏は「耐久財受注が低調なことや、住宅関連セクターの落ち込みが明らかに続いていることは、景気がさらに減速する見通しを裏付けている」と指摘。「これに加えて、われわれの予想通りに物価下落圧力が強まれば、利下げ観測は一層鮮明になる」と語った。
建設、製造業の不調を反映し、米供給管理協会(ISM)が5日発表する 11月の非製造業景況感指数は55.5と、10月の57.1を下回る見込み。また、労働省が同日発表する7-9月期の非農業部門労働生産性指数(改定値)も、前期比年率0.4%上昇と、4-6月期(同1.2%上昇)に比べ伸びが鈍化する見通しだ。速報値は同横ばいだった。
ブルームバーグ調査
日付 発表時刻 経済指標 予想 前回実績
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12/05 8:30 7-9月の労働生産性(改定) 0.4% 0.0%
12/05 8:30 同単位当たり労働コスト 3.3% 3.8%
12/05 10:00 10月の製造業受注指数 -4.2% 2.1%
12/05 10:00 11月のISM非製造業指数 55.5 57.1
12/07 8:30 先週の失業保険新規申請件数 32.5万件 35.7万件
12/07 15:00 10月の消費者信用残高 41億ドル -12億ドル
12/08 8:30 11月の失業率 4.5% 4.4%
12/08 8:30 11月の非農業部門雇用者数 10.5万人 9.2万人
12/08 8:30 11月の週当たり平均賃金 0.3% 0.4%
12/08 10:00 12月のミ大消費者マインド指数 92.0 92.1
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(%は前月比増減率、失業率を除く)
(発表時間はワシントン時間)
今週の外為市場:ユーロと円が対ドルで上昇か-ブルームバーグ調査
12月4日(ブルームバーグ):ブルームバーグが12月1日に世界のトレーダーやストラテジスト、投資家などの市場関係者34人を対象に実施した調査によると、ユーロ買い・ドル売りを勧めたのは62%だった。円買い・ドル売りを推奨したのは54%だった。
先週は市場関係者の予想通り、ドルがユーロと円に対して下落した。ドル・ユーロ相場がブルームバーグの予想調査と同じ方向だったのは過去52週中 24回、ドル・円相場が予想と同じ方向だったのは過去52週中25回。
ブルームバーグ調査の結果は下表の通り。
*T (人)
通貨 買い 売り ホールドユーロ 21 6 7 円 19 4 12 英ポンド 22 8 6 スイス・フラン 19 8 7 オーストラリア・ドル 21 4 8 カナダ・ドル 11 12 12 ユーロの対円相場 19 7 4
11月米自動車販売:フォードが4位に転落-GM、トヨタは増加(3) 聞く
12月1日(ブルームバーグ):自動車メーカー各社が1日発表した11月の米自動車販売統計によると、フォード・モーターが前年同月比9.6%減少し、月間の販売台数ではゼネラル・モーターズ(GM)やトヨタ自動車、ダイムラークライスラーに次ぐ4位に転落した。トヨタが月間販売台数でフォードを上回ったのはこれで2度目。フォードは従来、米国販売で2位を維持してきた。
フォードは11月の米国販売減を受けて、生産計画を再度、下方修正した。トヨタの米自動車販売は前年同月比16%増加。ダイムラークライスラーでは同 4.7%増えた。GMの米販売台数は29万7556台と、前年同月比5.8%増えた。
センター・フォー・オートモーティブ・リサーチのデービッド・コール会長は、フォードが米自動車販売台数で4位に転落したことについて、自動車業界の変化を象徴すると指摘、「フォードが4位に転落したことが大きなニュースかと言えば、答えはイエスだ。世界規模で変化が起きている」と話した。
ブルームバーグが実施したアナリスト調査で、フォードの11月米自動車販売は3.6%増加が予想されていた。
フォードの販売アナリスト、ジョージ・パイパス氏は、セダン「トーラス」の生産停止などを理由に、2007年の同社月間販売がプラスになるのは「まれになりそうだ」と話した。
オートモーティブ・コンサルティング・グループのプレジデント、デニス・ビラグ氏は、「クライスラーが今までにフォードを上回る販売を記録したことがあったか記憶にない。11月の統計は驚きで、フォードにとっては悪いニュースだ」と話した。
日産自、ホンダ
日産自動車の米自動車販売は前年同月比1.6%減少。ホンダ・モーターは1%未満増加して10万6446台だった。ダイムラークライスラーは18万6635 台。内訳をみると、クライスラー部門が前年同月比2.9%増。メルセデス・ベンツは同21%増だった。フォードとトヨタの販売台数はそれぞれ18万2259台、 19万6695台だった。
GMの米自動車販売がプラスとなるのは今年に入ってから3度目。ライトトラックは16%増えた。「シボレー・シルバラード」や「GMCシエラ」などのリテール販売は29%増。乗用車の販売は7.9%減少した。レンタカーなど企業向け一括販売(フリート)は7%減少した。
フォードの生産計画
フォードは10-12月(第4四半期)の北米生産削減規模を22%に改め、 2007年1-3月期の生産も14%削減する方針を示した。第4四半期の生産計画は62万台と、10月23日時点での予想を1万5000台下回る。前年同期は79 万 3000台だった。
来年1-3月期のフォードの乗用車・トラック生産計画は75万台と、前年同期の実績(87万6000台)を下回る。
トヨタの米自動車販売がプラスとなるのは、18カ月連続。セダン「カムリ」やスポーツ型多目的車(SUV)の「RAV4」と「FJクルーザー」、高級車「レクサスES」などの販売が増えた。
日産の北米販売担当者、ブラッド・ブラッドショー氏がインタビューで明らかにしたところによると、日産の販売台数は7万6015台だった。こちらでお願いします
また、オートデータによると、11月の販売台数は季節調整済みで年率1600 万台(前年同月1610万台)。
NY外為(1日):ドルが05年3月以来の安値、ISM統計を嫌気(2)
12月1日(ブルームバーグ):ニューヨーク外国為替市場ではドルが急落、ユーロに対して2005年3月以来の安値となった。米供給管理協会(ISM)の 11月の製造業景況指数が景気の拡大と縮小の境目となる50を割り込んだことが嫌気された。
ISM統計をきっかけに、米利下げ観測が強まり、ドルは対ユーロで20カ月ぶり安値の1.33ドルまで下げた。FXコンセプツで120億ドルの通貨運用に携わるスコット・エインズベリー氏は、「ドルに対する悪材料が増えている。まだ下落余地があるだろう」と話した。
ニューヨーク時間午後4時2分現在、ドル相場はユーロに対して1ユーロ=1.3335ドルと、前日遅くの1.3243ドルから下げた。ドルの対ユーロでの最安値は2004年12月に記録した1.3666ドル。また、ドルは1日、英ポンドに対して1ポンド=1.9848ドルと、14年ぶり安値となった。
ドルは対円でも安く、1ドル=115円46銭(前日遅くは115円80銭)。一時は、3カ月ぶり安値の114円98銭を付けた。
ドルは過去2週間で3.8%下げ、2週間ベースでは4月28日に終わった同期間以来で最大の値下がり。当時は同月に開催された7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)が米貿易赤字に懸念を表明し、アジア通貨上昇の必要性を指摘したことでドルが売り込まれた。
11月のISM製造業景況指数は49.5と、約3年ぶりに景気の拡大と縮小の境目となる50を割り込んだ。エコノミスト予想は51.5。前月は51.2だった。
欧州経済指標
英調査会社NTCリサーチがまとめロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループ(RBS)が発表した11月のユーロ圏製造業景気指数は56.6 と、10月の57から低下したものの、生産活動の拡大と縮小を分ける50ポイントを上回り、17カ月連続の拡大となった。また、欧州連合(EU)統計局(ユーロスタット)が1日に発表した10月のユーロ圏12カ国の失業率は季節調整済みで7.7%と、2001年4月に記録した過去最低水準に並んだ。
金利先物動向によると、市場参加者は3月の利下げを確実視している。ISM統計発表前に同確率は73%だった。前日は68%。
連邦公開市場委員会(FOMC)は8、9、10月の会合でフェデラルファンド(FF)金利誘導目標を5.25%で据え置いた。10年債で比較した場合、米国債はドイツ国債を77ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上回るにとどまり、同差は17カ月で最小となった。
ドル売り材料
ジュリアス・ベア・インベストメント・マネジメントの投資ストラテジスト、デービッド・デュラント氏は、「当社はドルに弱気だ。現在のところ、発表される経済指標はすべてドル売り材料だ」と話した。
来週に発表される10月の米製造業受注指数は前月比減少が予想され、11 月の米失業率は上昇が見込まれている。
英銀大手スタンダード・チャータード銀行のニューヨーク在勤エコノミスト、マイク・モラン氏は、「米景気下振れリスクが広がっている。ドルに圧力が掛かり続ける見込みだ」と話した。
シカゴ連銀のモスコウ総裁は1日の講演で、来年の経済成長率は3%に向かって上昇し、インフレ抑制には追加利上げが必要になる可能性があるとの見方を示した。
一方、ユーロは、金融情報サービス会社、マーケット・ニュース・インターナショナル(MNI)の報道を手掛かりに上昇。MNIは1日、外国為替市場での1ユーロ=1.30ドルを上回るユーロ高進行について、欧州中央銀行(ECB)の政策当局者は懸念していないと報じた。同報道によると、ECBは 1.50-1.55ドルをユーロ相場の「節目」と認識している。
マン・グローバル・リサーチの上席通貨アナリスト、マイケル・マルピード氏(シカゴ在勤)は、同報道について、ECB高官からユーロ高は行き過ぎだとの「口先介入が入る懸念がないことを意味する」と話した。
円は対ユーロで最安値を更新。日本の10月の全国消費者物価指数(CPI)は、生鮮食品を除いたコアで前年比0.1%上昇した。上昇幅は事前予想を若干下回り、前月の同0.2%上昇から上げ幅を縮小した。
円はユーロに対して153円95銭と、前日遅くの153円35銭から下落。一時、154円11銭の安値を記録した。
英ポンドはユーロに対して、1992年9月10日以来の高値となった。イングランド銀行は今月9日、金融政策委員会(MPC)で、政策金利のレポ金利を0.25ポイント引き上げて、5%にすることを決めた。
米国株(1日):下落、ISM製造業指数低下で景気減速懸念が拡大(2)
12月1日(ブルームバーグ):米国株式相場は下落。午前に米供給管理協会(ISM)が発表した11月の米製造業景況指数が約3年ぶりに景気の拡大と縮小の境目(50)を割り込んだほか、仕入れ価格指数の上昇が嫌気された。
特に建設機械大手のキャタピラーと半導体のインテルが売りを浴びた。
ISMの統計内容から市場では、米景気が不況に向かい、企業は増益を維持するための設備投資に期待できなくなるとの懸念が強まった。
パンアゴラ・アセット・マネジメントの最高投資責任者、エドガー・ピーターズ氏は、「スタグフレーションに直面する可能性がある。インフレ加速の一方で景気が減速しているからだ。ディフェンシブ(防御)に入るときだろう」とコメントした。
S&P500種株価指数は前日比3.91ポイント(0.3%)下げて1396.72。月初の伸び率としては2001年12月3日以来最低だった。ダウ工業株30種平均は同 27.80ドル(0.2%)安の12194.13ドル。ナスダック総合指数は同18.56ポイント(0.8%)低下して2413.21。
週間ベースでS&P500種は0.3%下落、ダウ平均とナスダックはそれぞれ 0.7%と1.9%下げた。
製造業景況指数
ISMが1日発表した11月の製造業景況指数(季節調整済み)は49.5と、50 を割り込んだ。同指数が50を割り込むのは、2003年4月以来。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想は51.5。
11月のISM指数を項目別でみると、仕入価格指数は53.5と前月の47 から上昇した。同指数もエコノミスト予想を上回った。
また、シカゴ購買部協会が前日発表した11月のシカゴ地区の米製造業景況指数は2003年4月以来の最低だった。このほか、10月の新築住宅販売件数も予想を下回った。
フィラデルフィア連銀のプロッサー総裁は、ISM製造業景況指数の落ち込みが今後の米経済の方向性を示しているとの見方に慎重な姿勢を示し、経済成長よりもインフレに対する懸念が大きいとの見解を繰り返し表明した。
シェーカー・インベストメンツのプレジデントとして運用に携わるエドワード・ヘメルガーン氏は、「市場は経済成長を懸念しているが、FOMCはインフレに対する警戒姿勢があまりにも強い」と指摘した。
ニューヨーク証券取引所(NYSE)の騰落比率は5対8。出来高概算は 17億1000万株。年初来平均を4.5%上回った。
エヌビディア、ナスダックなどが安い
グラフィックス用半導体メーカーのエヌビディア、半導体大手アドバンスト・マイクロ・デバイシズ(AMD)は、いずれも下落。両者は、グラフィック用半導体市場について調査を進めている米司法省反トラスト局から召喚状を受け取ったことを明らかにした。
ナスダック(米店頭株市場)の運営会社、ナスダック・ストック・マーケットも安い。プルデンシャル・エクイティ・グループが、ナスダック・ストック・マーケットによるロンドン証券取引所(LSE)の買収が「近いうちに実施されることはなさそうだ」との見通しなどを理由に、ナスダックの株式投資判断を「オーバーウエイト」から「アンダーウエイト」に引き下げたのが売り材料だった。
チョコレート菓子製造大手のハーシーは、プルデンシャルのアナリストが同社の株式投資判断を「ニュートラルウエイト」から「アンダーウエイト」に引き下げたのが嫌気され、下げた。ハーシーの業績見通し下方修正の可能性や販売業者からの返品、さらにカナダで起きたサルモネラ菌の問題などが投資判断引き下げの材料となった。
百貨店大手のフェデレーテッド・デパートメント・ストアーズも下落。米シティグループ・インベストメント・リサーのアナリストは、百貨店大手のフェデレーテッド・デパートメント・ストアーズの株式投資判断を「買い」から「ホールド」に引き下げた。シティグループは、メイシーズに統合されるメイ・デパートメント・ストアーズ店舗が同社全体の売り上げの足を引っ張る可能性があると指摘した。
上昇銘柄
住宅関連用品小売りのホーム・デポは上昇。ダウ平均に採用されている銘柄のうち、値上がり率トップだった。同社の経営陣と取締役会メンバーが株式非公開化を望んでいるとの報道が買い材料だった。
経済ニュース専門局の米CNBCと米紙ニューヨーク・ポストは今週、ホーム・デポがプライベートエクイティ(株式非公開)企業の買収対象になる可能性があると報道した。
航空機大手のボーイングも高い。同社はインドの軍事関連機器受注(150億ドル相当)の入札に参加する可能性があることを明らかにした。
米FRB副議長:インフレは減速傾向、加速リスク依然ある-質疑応答
12月1日(ブルームバーグ):米連邦準備制度理事会(FRB)のコーン副議長(64)は1日、FRB主催の会合での講演後の質疑応答で、インフレ傾向は「加速から減速」にシフトしたが、加速に転じるリスクは依然として残っているとの見方を示した。
コーン副議長はまた、金融当局はインフレ抑制の取り組みで「かなりの信頼」を得ているため、目標インフレ率導入の根拠は「薄れている」と述べた。
金融当局が注目している個人消費支出(PCE)コア価格指数の10月の伸び率は前年同期比2.4%と、当局者の一部が好ましいと考えるレンジ(1-2%)を上回った。コーン副議長は具体的なレンジを示していないが、10月のニューヨークでの講演では、景気減速よりもインフレ・リスクに対する「懸念の方が大きい」との認識を示した。
コーン米FRB副議長:金融当局は短期指標を「慎重に」扱うべきだ
12月1日(ブルームバーグ):米連邦準備制度理事会(FRB)のコーン副議長は1日、経済統計の正確さに不透明感があることを理由に、金融当局は短期的な指標を「慎重に」扱うべきだとの考えを示した。
コーン副議長は、ワシントンで開かれた会合での講演原稿で「金融政策は単一の経済指標に左右され過ぎるべきではない」と指摘。「各国の中央銀行は、1つの政策モデルに基づいた大胆な行動を取ることに慎重にならなければならない」と言明した。
この日の講演に、経済見通しや今後の金利動向への言及はなかった。米金融当局は10月25日、政策金利を5.25%のまま据え置くとともに、景気減速に伴いインフレ圧力が弱まる可能性が高いとの認識を示した。次回の連邦公開市場委員会(FOMC)は12月12日に開催される。
副総裁はさらに、記録的な原油高にもかかわらず、インフレ期待は落ち着いていると指摘。その上で住宅セクターや市場関連の指標の信頼性や有効性は、「われわれが希望するほど高くない」との見方を示した。
11月米ISM製造業景況指数:49.5に低下-約3年ぶりに50下回る(3) 聞く
12月1日(ブルームバーグ):米供給管理協会(ISM)が1日発表した 11月の製造業景況指数(季節調整済み)は49.5と、約3年ぶりに景気の拡大と縮小の境目となる50を割り込んだ。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想は51.5。前月は51.2だった。
自動車メーカー各社は在庫一層のために値下げを実施、住宅市場の落ち込みは建設資材やその他の製品需要に打撃を与えている。今回の統計内容からは、工場からの需要減退がさらに経済成長を鈍化させる可能性が示された。
カントリーワイド・ファイナンシャル証券部門の市場チーフエコノミスト、エリック・グリーン氏は、「住宅以外にも減速が広がっていることが示された。リセッッション(景気後退)へ向かっているわけではないが、しばらくは潜在成長率を下回る成長が続くだろう。失業率も上昇するだろう」とコメントした。
11月のISM指数を項目別でみると、仕入価格指数は53.5と前月の47 から上昇した。なお、10月は2002年2月以来の低水準だった。雇用指数は 49.2と前月の50.8から低下した。
また、新規受注は48.7と2003年4月以来の最低。前月は52.1だった。生産指数は48.5(前月は51.9)へ低下した。入荷遅延は52.8(前月は 50.2)、受注残は46.5(前月44.5)だった。