11/30 ブルームバーグ 記事
米ウォルマート:11月既存店売上高が0.1%減少、過去10年で最悪
11月30日(ブルームバーグ):小売り最大手の米ウォルマート・ストアーズが30日発表した11月の既存店売上高は前年同月比0.1%減少し、過去約 10年で最低だった。年末商戦向けにがん具やエレクトロニクス製品を値下げしたものの、十分な集客効果が得られなかった。
ウォルマート(アーカンソー州ベントンビル)の発表資料によると、同社は12月の既存店売上高として、前年並みから1%増加を予想している。
ウォルマートの10月の既存店売上高は前年同月比0.5%増だった。ウォルマートは先月から、がん具やエレクトロニクス製品、食品、家電製品などを値下げし、ジェネリック(後発薬)の格安販売プログラムを拡大した。
29日のウォルマート株価終値は前日比18セント高の46.89ドル。
10月米個人消費支出:0.2%増-コア価格指数は0.2%上昇(2)
11月30日(ブルームバーグ):米商務省が30日に発表した10月の個人消費支出(PCE)は前月比0.2%増加し、前月の0.2%減から伸びがプラスに転じた。増加率はブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想中央値(0.1%増)も上回った。
10月の個人所得は前月比0.4%増加(前月0.5%増)。同項のエコノミスト予想は0.5%増だった。金融政策担当者が重視する食品とエネルギーを除くPCEコア価格指数は10月に前月比0.2%上昇と、2カ月連続で0.2%上昇となった。同指数のエコノミスト予想は0.1%上昇だった。
10月の可処分所得は前月比0.3%増加(前月0.5%増)した。インフレ調整ベースでの10 月の可処分所得は0.6%増加。前月は0.8%増だった。
インフレ調整した10月の実質ベースPCEは前月比0.4%増加し、7月以来最大の増加となった。9月は0.2%増だった。 実質ベースPCEのうち、自動車や家具などの耐久財支出は同0.2%増加(前月0.6%増加)。非耐久財支出は同0.7%増加(前月0.1%減)。サービスは同0.3%増加した。
ユーロ圏の7-9月期GDP改定値:前期比0.5%増、前年比2.7%増
11月30日(ブルームバーグ):欧州連合(EU)統計局(ユーロスタット)が30日発表した2006年7-9月(第3四半期)のユーロ圏12カ国の実質国内総生産(GDP)改定値は前期比0.5%増と、4-6月期の1.0%増(改定値)から伸びが減速した。7-9月期の前年同期比は2.7%増加した。 11月14日発表の速報値は前期比が0.5%増、前年同期比は2.6%増だった。
政府税調会長:法人税の実効税率、引き下げ方向性を答申に明記(2)
11月30日(ブルームバーグ):政府税制調査会(首相の諮問機関)の本間正明会長(大阪大学大学院教授)は30日午後、税調会合後の記者会見で、12月 1日に提出する来年度税制改正答申の中に、経済活性化の観点から将来的に法人税の実効税率を引き下げる方向性を示した記述を盛り込むことを明らかにした。ただ、現在40%程度の実効税率をどの程度引き下げるか、具体的な数字には言及しないと語った。
また、減価償却制度の見直しについて本間会長は、「95%ルール、10%ルールを撤廃することは、まとまっている」と指摘。現行制度では、法定耐用年数が経過した段階で償却できるのは取得価格の90%(10%ルール)までで、その後設備がいくら老朽化しても95%までしか償却できないため、残る5%は損金計上できない。主要国で全額償却ができないのは日本だけだ。
来年度に期限を迎える株式優遇税制については、譲渡益と配当10%を本則の20%に戻すべきだとの原則を確認したうえで、実施に当たり株式市場に配慮した「留意事項を明記している」と述べた。
本間会長は同日の企画会合では、答申案について、概ね了解を得たことを明らかにし、最終的に案文調整したうえで、12月1日に提出したいと語った。法人税の実効税率については、「(引き下げの)方向性は文言の中に入っている」と指摘したうえで、「その方向性で議論をして、国民から理解を得られるように経済活性化の効果についてしっかり分析していくという書きぶりになった」と語った。
政府税調で賛否両論が出されていた同族会社に対する留保金課税の廃止については、「両論併記では書いていない」と述べ、「頭から拒否している書き方にはなっていない」と述べ、留意事項も書いていると語った。
一方、消費税や所得税については、「項目として取り上げていない」としながらも、財政健全化などとの関係で各税目の見直しを検討する旨言及していると語った。
ソフバンク:格下げはなく、一定の評価-携帯買収の借り換え完了(2)
11月30日(ブルームバーグ):日本格付研究所(JCR)は30日、ソフトバンクの格付け「BBB」を据え置くと発表、見通しは安定的とした。ソフトバンクが同日に、英ボーダフォン日本法人(現・ソフトバンクモバイル、SBM)買収で調達した融資の借り換え手続き完了を発表したことに対応した。これで、同社に対する主要格付け会社の見解が出そろった。約1兆5000億円にのぼる携帯電話事業の買収だったが、格下げした会社はなかった。
ソフトバンクは携帯事業買収で、1兆2800億円のブリッジローン借り入れを実施、しかし、同ローンの期間は1年に限られていたため、最長13年の融資と債券への借り換えを進めていた。ただ、長期に借り換えた結果、残高は1兆4500億円に増加した。返済はSBMが稼ぎ出す収益を原資として行う。
同社はまた、一時的な手数料支払いなどを含め、07年3月期の連結業績に経常損益で約129億円、税引き前純損益で159億円のマイナス効果が生じるとしながら、いずれの影響額も当初予定の範囲内だとしている。
格下げはなし
携帯事業の買収を受け、米ムーディーズは8月9日、ソフトバンクの格付けをBa3からBa2に引き上げた。一方で米スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は9月19日に、BB-の格付けを据え置いていた。
JCRは30日の発表資料で、ソフトバンクの信用力について「買収資金は同社の財務リスクを増大させない仕組みによって再調達される」と指摘。事業の面でも、SBM買収で総合通信会社となったことでグループの相乗効果が期待でき、競争力は今後強化されると評価した。
また、ムーディーズは30日、SBMの格付けをBaa2からBaa1に引き上げた。SBMが実質的な期限前償還にあたるデットアサンプション(債務履行引受契約)を行ったことで、信用力が向上すると判断した。
ソフトバンクの30日株価終値は、前日比25円(1.0%)高の2425円。
海外勢先物売りは3000億円強、信託銀買いは半年ぶり多さ-11月4週
11月30日(ブルームバーグ):東京証券取引所が30日に発表した11月第4週(20日-24日)の投資部門別売買動向によると、東京、大阪、名古屋3市場の1・2部合計で、海外投資家は現物株を金額ベースで576億円買い越した。2週連続の買い越しだが、前週と同様にTOPIXを中心とした株価指数先物は大幅に売り越しており、先物の売り越し額は3339億円に達した。
第4週の日本株相場は、日経平均株価が週間ベースで2.2%下げ、4週連続安となるなど調整傾向を強め、週末値ベースでは2カ月ぶりに1万6000円を割り込んだ。下値不安が強まる中、11月末には海外機関投資家などの間で決算を迎える向きも多く、持ち高整理やヘッジ売りなどの圧力が先物に高まったとみられている。
ちばぎんアセットマネジメントの大越秀行運用部長は、11月は投資資金の移動など需給で世界のマーケットが大きく動いたと指摘。ただ足元では、「その手じまいの動きが出ていて、売り込まれていた日本株が買われている。ファンドの解約などに伴う動きは一巡した」(同氏)と受け止め方だ。
一方、年金資金などの売買動向を示しているとされる信託銀行は1029億円の買い越しとなり、1000億円を超す買い越しは6月2日以来、およそ半年ぶりとなった。
このほか買い越し主体の金額は、個人が768億円で2週間ぶりの買い越し。投資信託は465億円、事業法人が286億円、生保・損保が51億円、長銀・都銀・地銀等が96億円、その他金融機関が84億円、その他法人が88億円をそれぞれ買い越した。現物株の売り越し主体は証券自己の3755億円のみ。