三角合併解禁で注目されるM&A資金、株買いの主役に浮上か | 20年間で5000万作る資産運用方法を考える・・・>゜)))彡◆

三角合併解禁で注目されるM&A資金、株買いの主役に浮上か

〔クロスマーケット〕三角合併解禁で注目されるM&A資金、株買いの主役に浮上か
06/11/27 17:11


 <東京市場・27日>
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日経平均   |国債先物12月限| 国債283回債 |ドル/円(17:12)  |
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15,885.38円  |  134.93円  |  1.665%   | 116.02/07円   |
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+150.78円 |  ─0.05円  | +0.010%   | 115.82/86円   |
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注:日経平均、国債先物は大引け、現物の価格は15時現在。
下段は前営業日終値比。為替は前週末NY終値。

水野 文也記者

 [東京 27日 ロイター] 外国人投資家の日本株に対する姿勢に変化を読む声が出
ている。直近での株価下落要因として、決算を控えた海外ファンド筋の手仕舞い売りが挙
げられていたが、そうした売りの一巡後に、M&Aを意識した資金が流入するとの見方が
浮上している。懸念されるドル安/円高もM&Aを志向したファンド資金の場合、円資産
そのものの価値向上につながるため、海外勢の日本株買いにとってプラス材料と位置づけ
られることになる。来年5月に解禁される三角合併を契機に、国際的なM&Aがマネーフ
ローの世界でも注目を集めそうだ。

 <ファンド筋の換金は一巡>

 きょうの東京株式市場は、朝方こそドル安/円高や前週末の米国株安を嫌気し軟化して
始まったものの、その後は一転して買い優勢となり、日経平均は、危機的な状況に陥ると
意識された9月25日のザラ場安値1万5513円87銭を割らずに反発した。これまで
海外のヘッジファンドが11月の決算を意識して、日本株の手仕舞い売りに動いていたが
、月末接近によって「ファンド筋の換金売りが一巡したとの見方が台頭し、先物市場でシ
ョートカバーが活発化。需給改善期待から戻りに弾みを加えた」(ベア・スターンズ証券
・株式営業部長の倉持宏朗氏)という。
 さらに円高が懸念された半面、米国のクリスマス商戦の滑り出しが好調だったことで「
企業業績に対する不安が多少は和らいだ格好。円高とは言っても1ドル=115円程度な
ら影響は大きくなく、むしろ輸出拡大期待を手掛かりに、海外勢からの買いを誘った」(
米系証券日本株トレーダー)との声も出ていた。
 ShopperTrak RCT Corpによると、24日の「ブラック・フライデ
ー」の1日当たりの売上高は、全米で前年同日に比べて6%増となり、感謝祭後のクリス
マス商戦は好スタートを切った。

 もっとも最近まで日本株を売っていたのは、決算を控えたファンド筋による手仕舞い売
りだけではないとの見方が多い。市場では「成長性の乏しい日本株を売って、その分を中
国株やインド株にシフトさせる動きが多いようだ」(フェニックス証券・ディーリング部
長の中城守氏)といった声も出ていた。中国株などエマージング市場の株式を買う一方で
、日本株の先物をヘッジの感覚で売るオペレーションが直近の下げ過程では少なくなかっ
たという。

 これらの資金が日本株に投じられたのは、過去2─3年の間のもので、買った時点での
株価水準は時価よりもかなり安いために、現時点で売っても十分利益が生じる。この点に
ついて、みずほインベスターズ証券・調査部部長の一尾仁司氏は「他国の株式にシフトし
ている資金には、再生ファンドとして日本に投じたものが少なくない。それらは銀行株な
どを今よりはるかに低い水準で買っているため、いつでも売れる。もくろんでいた企業取
得につながらない結果であっても、彼らは株高で大きな果実を得た」とコメントしていた

 市場では「これまでは相対的な比較感から日本株が売られたと言えるが、何らかのイン
センティブが発生する土壌がなければ本当に見放される可能性も出てくるだろう」(米系
証券日本株トレーダー)と懸念する声も出ている。

 <国際的M&A資金、円高はプラス材料に>

 そうした中、日本株について今後は別の視点から買い余地があるとのみる関係者も少な
くない。企業業績見通しからくる日本株の割安感のほか、来年に三角合併が解禁になるこ
とで、M&Aを意識した資金が流入するとの見方がそれだ。ある意味で、デフレから脱却
する日本において、再生ファンドの役割はひとまず終わり、M&A系のファンド資金に「
手代わり」することは、時代の流れからロジックに無理はない。
 みずほインベスターズ証券の一尾氏によると「最近になって、三角合併においても『繰
り延べ課税』を認める方向になったと観測されたことで、海外勢の見る目が変わった可能
性がある」という。現行税制では買収される企業の株主は、株式を交換しただけで課税さ
れる可能性があったが「こうした障害が排除されれば、M&Aを狙った資金が日本に流入
しやすくなる」(エース証券・専務の子幡健二氏)との指摘がある。

 ドル安・円高の進行についても、M&Aが株式市場のメインテーマになるのであれば、
必ずしもマイナスにはならない。これまで円高は企業収益を圧迫する要因となり、日本株
を買う手掛かりである割安感を後退される要因になるため、警戒されていた。しかし「M
&Aで企業を買収した場合、円資産が膨らむという意味で、円高はプラス材料になる。逆
に買収活発化が円を支える材料にもなろう。三角合併解禁に向けてのインフラ整備が進め
ば、かりに円高に進んだとしても、来年の日本株は上昇シナリオが描くことができる」(
エース証券の子幡氏)との声が出ている。