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NY外為(24日):ドル続落、対ユーロで19カ月ぶり安値-1.30ドル台(2)
11月24日(ブルームバーグ):ニューヨーク外国為替市場ではドルが続落。欧州の中央銀行が利上げに動く一方、米連邦公開市場委員会(FOMC)は来年早い時期に利下げに踏み切るとの観測を背景に、ドルは対ユーロで19 カ月ぶりの安値を付けた。

ドルは対ユーロで1ユーロ=1.30ドルの水準を2005年4月以来始めて割り込み、同水準に設定されていたドル売り注文が発動されたため、一段安となった。欧州中央銀行(ECB)は政策金利をほぼ4年ぶりの高水準に引き上げており、トリシェ総裁は20日、インフレが引き続き脅威だと発言した。一方、FOMCは8月以来金利を据え置いている。

コメルツ銀行の為替ストラテジスト、カーステン・フリッチ氏(フランクフルト在勤)は、「1ユーロ=1.30ドルの突破は、ドルに下落余地がある明らかな兆候だ」とし、「ドルに対する地合いはネガティブだ。ユーロ圏の景気拡大は引き続きしっかりしている」と述べた。

ニューヨーク時間午後3時23分現在、ドルは対ユーロで1ユーロ= 1.3099ドルと、前営業日遅くの同1.2945ドルから下落。欧州取引時間帯には、同1.3109ドルまで下落する場面もあった。ドルは対円でも1ドル=115円78銭と、前営業日遅くの同116円30銭から下げた。ドルはまた、対英ポンドでも1ポンド=1.9351ドルと、ほぼ2年ぶりの安値に下落した。

ユーロは対円で1ユーロ=151円62銭。一時はユーロの最高値となる同151円74銭を付けた。前営業日遅くは同150円52銭だった。

23日は日米で祝日だったことから、この日の商いは通常より薄かった模様。

軟調サイド

BMOキャピタル・マーケッツ(トロント)の主任為替トレーダー、フィラス・アスカリ氏は、薄商いの中で1ユーロ=1.30ドルを「突破するのは比較的容易だった」と指摘した。

トレーダーは、1ユーロ=1.30ドルというような主要な水準を突破する水準に、いわゆる損切りのための売り注文を設定することが多い。下半期に入り、前週までは、ユーロは対ドルで1ユーロ=1.2458-1.2938ドルのレンジにとどまっていた。

RBCキャピタル・マーケッツの上級為替ストラテジスト、マシュー・ストラウス氏は、「オーバーナイトで見られた動きは、いくつかの重要なテクニカル水準に誘発されたものだった」とし、「一部、損切りのドル売りが誘発され、1ユーロ=1.30ドルの心理的に重要な水準をユーロが上抜ける結果となった」と語った。

ECBの利上げ見通し

ロイター通信が24日伝えたところによると、欧州中央銀行(ECB)政策委員会メンバーでオーストリア中央銀行のリープシャー総裁は、ECBがインフレに対し「警戒」姿勢を継続することが必要だとの考えを示した。これに先立ち、トリシェECB総裁やECB政策委員会メンバー、スペイン中銀のオルドネス総裁も今週、インフレがリスクだと発言した。

ユーリボー(欧州銀行連盟の銀行間貸し出し金利)3カ月物(6月渡し)の利回りは3.875%となっており、6月までにECBが政策金利をあと2回引き上げて3.75%とするとトレーダーがほぼ確実視していることを示している。

トレーダーはまた、3月21日のFOMCでの利下げ確率を51%織り込んでいる。同確率は今月16日時点では11%だった。

中国人民銀の動向

中国人民銀行の呉暁霊副総裁は24日、人民銀が、ドル買い介入の後、供給された人民元資金を吸収する「不胎化」政策に取り組む考えを示した。人民銀は、人民元の上昇を防ぐためドル買い介入を行い、その後、国債の売り操作によって人民元を吸収してきた。また、記者会見での配布資料によれば、同副総裁は、ドルへの過度な依存は外貨準備を減価させるリスクがあるとして、東アジア諸国がドルへの依存を軽減する必要があると指摘した。

ドルは年間ベースでは、04年までの3年間連続で、対ユーロと対円で下落した。ドルは対ユーロで04年12月30日には最安値の1ユーロ=1.3666ドルを付けた。この後ドルは05年には、FOMCの利上げを好感し、対ユーロと対円で反発した。


三洋電:来期純益、3分の1以下の200億円に-誤算続きで計画修正(5)
  11月24日(ブルームバーグ):経営再建中の三洋電機は24日、2006年9月中間期の連結決算(米国会計基準)発表に併せ、昨年7月に策定していた期間3年の中期経営計画を大幅に修正した。メーンバンクの三井住友銀行出身の前田孝一副社長が会見で明らかにした。具体的には、08年3月期の連結純利益目標は620億円から200億円、営業利益予想は970億円から500億円、売上高見通しも2兆6400億円から2兆2000億円へと減額された。

  三洋は三井住友銀、米ゴールドマン・サックス(GS)、大和証券エスエムビーシープリンシパル・インベストメンツ(大和SMBC)の金融3社の主導で再建を実施。人員削減では当初3年分として掲げた約1万4000人を1年で前倒しカットするなど一定の進展を示した。

  しかし、携帯電話の世界最大手であるフィンランドのノキアとの提携が6月に破談になるなど戦略上の誤算が続出。中核事業として残した携帯、デジカメやエアコンなど家電部門でも苦戦し、今期で2200人の削減追加などを強いられた。この結果、24日に今期業績予想を大幅下方修正、純損益は500億円の赤字と3年連続で赤字を出す見込みとなり、来期まで尾を引く形となった。

  ただ、会見した井植敏雅社長は発表会見で「一連の構造改革をやり切ることが私や幹部の経営責任」などと述べた。一方、市場では再建の先行きについて「枠組みやスピード、最終的形が見えないので、何とも評価しようがない」(みずほ証券の張谷幸一アナリスト)などと懐疑的な見方が、依然根強い。

             相次ぐ誤算

  三洋電は04年9月の新潟県中越地震で半導体事業が大打撃を受けたことなどで05年3月期の純損益が1715億円の巨額赤字に転落。このため昨年7月策定の中期経営計画で、携帯やデジタルカメラ、電池、産業用機械などを中核事業に位置づけ、半導体事業などを本体から分離する方針を明示していた。

  並行して世界全体の従業員の15%に当たる約1万4000人の削減を計画。この目標は1年で前倒し実施するなどした。その代償としての退職給付金の増大などで06年3月期の純損益は2057億円の赤字に転落。計画実施の原資として06年3月、約3000億円の第三者割当増資を実施したことで、引き受け先を務めた三井住友銀、GS、大和SMBCが再建を主導することになった。

  こうした方針に沿って7月に半導体事業の分社化などを断行。しかし、2月に携帯電話の世界最大手、フィンランドのノキアと北米での合弁会社設立を発表していたものの、6月に破談。8月には台湾の広達電脳とのテレビ合弁本格化も事実上先送りされるなど、誤算が相次いでいた。

         通期純損益、500億円の赤字に

  07年3月通期の業績予想は、純損益が200億円の黒字から500億円の赤字、営業利益は650億円から350億円、売上高見通しは従来から2000億円減額の2兆2000億円に、それぞれ下方修正された。携帯電話、デジカメ、充電池の販売不振に加え、事業再構築で400億円のリストラ費用を追加計上したことなどが響いた。

  400億円の内訳は、白物家電約100億円、半導体約100億円、テレビ約 100億円、携帯電話・デジタルカメラは約50億円。人員削減では約210億円の費用を計上する一方、07年度以降に年間170億円の効果を見込む。

         携帯とデジカメ「売却話ない」

  中核事業である携帯とデジカメについては、事前の報道で分社化や売却などが取りざたされていた。特に携帯は開発コストの増大や海外向けの単価下落などで、下半期での損益悪化が予想されているためだ。

  24日の発表で同社は携帯事業について、マレーシアなどでの海外生産比率を増やすと説明したものの、具体的な数値についてはコメントしなかった。また、井植社長は会見で「売却などの話は現在、何もない」と明言。松井秀雄・執行役員は、通期の営業利益見通しで携帯電話とデジカメの不調が「200億円程度」の営業減益要因になる、としながらも、両事業は依然黒字だと説明した。

  ただ、みずほインベスターズ証券調査部の大澤充周シニアアナリストは「国内携帯市場はさほど急激な成長は見込めず、海外では低価格製品が主体だ」として、携帯などの「コンシューマービジネスに依存することは危険だ」と述べた。

  また、みずほ証券の張谷氏も、携帯とデジカメの両事業の今後の扱いについて、売却するにしても「相手があっての話であり、何もいえないのでは。半導体事業も一昨年来、売却のうわさが流れていたのに、分社化するにとどまった」と指摘した。

        9月中間期の純損益、36億円の赤字

  9月中間期は、純損益が36億円の赤字となった。前年同期は1425億円の赤字だった。営業利益158億円と経常利益70億円はいずれも黒字転換した。売上高が前年同期比7.1%減の1兆955億円。

   部門別動向は、売上高がコンシューマー5018億円(前年同期5666億円)、コマーシャル1323億円(同1200億円)、コンポーネント4559億円(同4667億円)などで、営業損益はコンシューマーで赤字39億円(同赤字 121億円)、コマーシャルで黒字72億円(同黒字20億円)、コンポーネントで黒字288億円(同赤字62億円)など。

第2四半期(7-9月)の連結業績は、売上高が前年同期比3%減の5914 億円だったが、純損益が61億円の黒字(同1163億円の赤字)に転換した。中間期から第1四半期(4-6月)実績を差し引いてブルームバーグ・ニュースが計算した。

  24日の三洋電の株価は、通期業績予想の下方修正をめぐる報道を受け、一時は年初来安値の178円まで下落した。終値は前営業日比3円(1.6%)安の 180円。


【来週の日本株】下値試す、鉱工業生産低調のリスク-円高も警戒視
  11月24日(ブルームバーグ):来週の東京株式相場(27-12月1日)は、下値を試す展開となりそうだ。米景気の減速懸念を背景に、外国為替市場のドル・円相場に円高進行圧力が掛かってきた。これまで相場を下支えしてきた輸出関連株にとってはマイナスで、一段の円高が進むかどうかは警戒要因になる。また国内では、景気の踊り場懸念がくすぶる中、鉱工業生産などの経済指標が発表される。市場予想より弱い数字が相次げば、景気の先行き不安感から、内需関連株も軟調に推移する可能性が高い。

  今週の東京株式相場は、日経平均株価が週間ベースで2.2%安と4週連続で下落。国内外で手掛かり材料に欠ける中、証券税制の軽減措置の撤廃問題などが相場の重しとなり、先物主導で下落する場面が多かった。特に、本業の伸び悩みが決算で確認された銀行株の下げが目立ち、東証銀行株指数は年初来安値を更新している。

  第一勧業アセットマネジメントの柏原延行執行役員は、来週の日本株相場について「下値を試す展開になるだろう。国内の個人消費に対する不安感は依然強い。日本銀行関係者の発言も相次ぐため、日銀の利上げ懸念も続くだろう。相場は悲観材料を織り込み過ぎていると見ているが、センチメントが変わるまでは時間が掛かりそうだ」と警戒している。

             円高リスク加わる

  「円高を想定していた市場関係者は少なかった」(十字屋証券第1ディーリングチームの岡本征良チームリーダー)――。今週末24日の東京株式相場を突如として襲ったのが海外為替市場における急速な円高進行だ。今週前半は1ドル=118円台の円安水準で推移していたものの、週後半に一気に116円台まで円高・ドル安が進んだ。米国の経済指標で景気の減速傾向が示唆され、金利先高期待が後退し、ドル売りが加速。円キャリートレード(低金利の円で調達した資金を高金利通貨に投資する取引)の解消に伴う円買い圧力も警戒された。

  急速な円高傾向が株式相場の重しとなる背景には、「上半期の企業業績が円安で底上げされていたため、円高傾向は企業業績にマイナスとして受け止められる」(大和住銀投信投資顧問の門司総一郎チーフストラテジスト)ことがある。国内景気の先行き不安から内需関連株が軟調に推移する中、円高進行がさらに進行すれば、「これまで相対的に堅調だった輸出関連株も利益確定売りの対象になりやすい」(第一勧業アセットの柏原氏)。

  こうした中、来週の米国市場では重要な経済指標の発表がある。景気の先行き不透明感が強まれば、さらなる円高・ドル安進行を誘う可能性もあり、投資家は米景気指標と為替相場の動向に一喜一憂することになりそうだ。主な米経済指標は、28日に消費者信頼感指数と中古住宅販売、29日に新築住宅販売とベージュブック(地区連銀報告)、30日に10月の個人所得・消費、12月1日に11月のISM(供給管理協会)製造業景況指数などがある。

           日銀関係者の講演会に注目

  為替相場の動向を占う上では、日本銀行関係者の発言にも注目が集まりそうだ。日銀は早期の利上げに含みを残しており、利上げに対して強気の発言が出れば、為替相場の円高の流れに拍車をかけることになる。週初には日本銀行福井俊彦総裁の講演(27日大阪、28日名古屋、29日東京)が相次ぐほか、30日には野田忠男審議委員の講演会が岡山市で開かれる。12月1日に発表される10月の全国消費者物価指数を目前に、日銀関係者の発言が集中するため、市場では「利上げ懸念がある中、発言内容には注意したい」(東海東京調査センターの矢野正義シニアマーケットアナリスト)との声が多い。

         国内景気減速懸念、鉱工業生産に注目

  国内景気の減速懸念も拭えない。米国同様に重要な経済指標の発表予定が多く、29日に鉱工業生産指数、12月1日に全国消費者物価指数、家計調査などがある。市場予想を下回る数字が出れば、相場は内需株中心に下値を模索する展開が想定される。

  この中で、市場関係者が注目しているのが10月の鉱工業生産指数だ。鉱工業製品の生産活動などを指数化したもので、景気循環と密接な関わりを持つ。ブルームバーグ・ニュースが民間エコノミストを対象に調べたところ、鉱工業生産は前月比0.4%減の見込み。指数の低下幅が市場予想を上回れば、「景気は踊り場との見方が強まり、相場は調整局面入りを強めそうだ」(新光証券エクイティ情報部の三浦豊次長)という。

  同時に発表される10月の電子部品・デバイスの在庫指数も注目材料だ。基幹産業である電子部品・デバイス鉱業部門の在庫状況で、生産調整は経済活動の停滞につながるため、景気の先行きを占う指標の1つとして重要視されている。経済電話向けなどの在庫積み増しが影響し、9月は162.6と過去最高を更新した。在庫水準が一段の上昇となれば、弱い相場にさらに水を差しかねない。



楽天の高山CFO:EC事業の営業利益率は回復-金融事業も再建努力
11月24日(ブルームバーグ):インターネット仮想商店街最大手の楽天の高山健最高財務責任者(CFO)は24日までにブルームバーグニュースとのインタビューで、2006年第4四半期(10-12月)の電子商取引(EC)事業で営業利益率30%台を回復するとの見通しを明らかにした。また、金融関連事業についてはコスト削減などの経営努力で早期の立て直しに自信を示した。

高山CFOは、主力のEC事業について「クリスマスシーズンには大きな伸びが出てきている」と指摘したうえで、経営体制刷新でコスト管理を強化するなど、「4Q(第4四半期)にはEC事業の営業利益率30%を回復させる」と述べた。さらに、「来期の第1四半期は達成できるかわからないが、今後も(営業利益率)30%以上のマージンは維持していかなければならない」と強調した。

楽天のEC事業の第3四半期売上高は前年同期比74%増の142億円、前期比では3.1%増と売上高ベースでは順調。営業利益率は、上半期に先行投資を進めすぎたことでマーケティングコストや販売促進費などが増大し、第1四半期 34%、第2四半期27%、第3四半期24%と減少傾向にある。

金融事業回復へ向け努力

楽天はクレジット・ペイメント事業で、オートローン事業をオリエントコーポレーションに売却し、今後はネットと親和性の高いカード事業とファイナンス事業に注力する方針だ。第3半期に事業譲渡に伴う経費など特別損失299億円計上して事業を再構築した。この結果、同事業の第3四半期の営業損益は84億円の赤字となった。

高山CFOは、楽天KCについて「人員など固定費的な負担をどう吸収していくかが当面の課題」と指摘する。損益見通しに関しては、第4四半期が「若干の赤字」とし、「来期の第1四半期は損益均衡、第2四半期で利益を上げ、第4四半期では巡航速度に持っていきたい」と述べた。

証券事業については、株式相場低迷の影響などから「厳しい環境にある」との認識を示したものの、投資信託など商品ラインナップを拡充させるほか、インベストメントバンキング事業として手数料ビジネスを取り入れることで、業績回復を図ると述べた。さらに、システム関連費用について、見直して「ベストに転換していく」との方針を示した。

中核、非中核事業の見極め厳格化

楽天は来年春をめどにウェブ上で東京都民銀行の楽天支店の設立を進めている。三木谷浩史社長は16日の業績発表で、「97年当時に考えていた事業の主要アプリケーションは一通り実現した」と述べた。高山CFOも、銀行業務の準備は順調で「ネット上で提供できるサービスはほぼ揃った」としながらも、「ただ、揃えただけでは意味はない。きちっとエグジット(出口)まで考えなければいけない」と強調。金融事業からプロ野球球団「楽天ゴールデンイーグルス」運営までグループの各事業をマネジメントする際は、目先の収益性だけにとらわれず、「コア、ノンコアを見極めながら厳格に行う方針」と語った。

新規事業

楽天は11月から、国内携帯電話最大手のNTTドコモと共同で、ドコモが展開する「iモード」サービスに対応したインターネットオークションのサービス「楽オク」を開始。PC版のサービスもそれに先行して始め、オークション事業で先行するヤフーを追撃する。三木谷社長はオークション事業を将来的に事業の柱の1つに育てるとの方針を明らかにしている。

高山CFOは、NTTドコモとの提携によるオークション事業「楽オク」について「しばらく先行投資が続き来年の収益化は難しいかもしれない」との見通しを示す。ただ「楽天のシナジー(相乗)効果の意味が大きい。新規のユーザーをグループに取り込むことに意味がある」として、「現在のiモードの利用者は約4700万人だが、その3分の1に当たる2010年までには1500万人、流通総額では楽天市場に匹敵するほどの4000億円規模を目指したい」と抱負を語った。


米国株(24日):下落、原油高を嫌気-ホーム・デポなど小売株安い(2)
11月24日(ブルームバーグ):米国株式相場は下落。原油高とドル安進行を受けて、年末商戦や景気の見通しを巡る懸念が高まった。

住宅関連小売りのホーム・デポなど小売株が下落。医療機器のジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)や金融サービスのシティグループが安く、ダウ工業株30種平均を押し下げた。

オールド・セカンド・ウェルス・マネジメント(イリノイ州オーロラ)で10億ドル超の資産運用に携わるジョエル・バインダー氏は、「景気減速は通常、企業業績の伸び鈍化を意味する。ドル安と石油高が投資家の不安を掻き立てている」と話した。

ダウ平均終値は前営業日比46.78ドル(0.4%)下げて12280.17。S&P500種株価指数は同5.14ポイント(0.4%)安の1400.95。ナスダック総合指数は同5.72ポイント(0.2%)値下がりして2460.26で終了した。

週間ベースでダウ平均は0.5%安。11月3日に終わった週以降で初のマイナスとなった。S&Pはほぼ変わらず。ナスダックは0.6%上昇した。この日は午後1時までの短縮取引だった。23日は感謝祭祝日で休場。

ニューヨーク証券取引所(NYSE)の出来高は概算5億2000万株と、過去3カ月平均を3分の2ほど下回った。騰落銘柄数はほぼ等しかった。

原油高とドル安

原油相場は上昇。イタリアの石油会社、ENIのナイジェリア子会社が武装勢力による攻撃を受け、日量6万バレルの石油供給が途絶したことが買い材料。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)電子取引の原油先物相場1月限は、前日比52セント(0.9%)高の1バレル=59.76ドル。

一方、外国為替市場でドルはユーロに対して19カ月ぶり安値に下げた。米利下げが来年にも実施されるとの観測がドル売りを誘った。1ユーロ= 1.30ドルを上回るユーロ高・ドル安が進行したところで、ドルの下げが加速。ユーロの1.30ドル台乗せは2005年4月以来で初めて。

S&P500種に採用された小売株で構成する指数は0.8%下げ、産業別 24指数のなかで値下がり率2位。ガソリン価格の上昇が家計を圧迫すると懸念された。

米国では毎年、感謝祭の翌日の金曜日から年末商戦が本格的にスタートする。小売り各社がその年の売り上げを黒字化できる日とされていることから、「ブラックフライデー」と呼ばれている。ホーム・デポが下落。ウォルマート・ストアーズも安い。ターゲットも下げた。

J&Jとシティグループは下げ、ダウ平均を構成する銘柄のなかで値下がり率上位に並んだ。

金鉱株に買い

ドル安で金相場が値上がりし、金鉱株が高い。金現物はロンドン市場で一時1.4%上昇し、オンス640.30ドルを付けた。ニューモント・マイニングやイアムゴールドが高い。

パソコンメーカーのアップルコンピュータが急伸。バンク・オブ・アメリカ・セキュリティーズのアナリスト、キース・バックマン氏は、アップルの目標株価を84ドルから93ドルに引き上げた。同アナリストは、アップルのノート型パソコンの売上高が2008年度に20%増えると予想した。同氏はまた、08年度のアップルの1株当たり利益を3.25ドル、売上高を 269億ドルと予想した。調査会社トムソン・ファイナンシャルがまとめたアナリスト予想平均値は、1株当たり利益が3.20ドル、売上高が263億ドル。

台湾の半導体パッケージング大手、アドバンスト・セミコンダクター・エンジニアリング(日月光)のADR(米国預託証券)が急伸。米投資会社カーライル・グループは24日、同社が率いる投資家グループが日月光に対し、現金による54億ドル規模の買収提案を計画していることを明らかにした。アドバンスト・セミコンダクターを18.4%保有する同社の張虔生会長も、買収グループに参加する。1株当たりの買収提示額は39台湾ドルになるもよう。これは24日の株価終値を9.9%上回る。


痛む個人は下げ局面でも売り、外国人も実質売り姿勢-11月3週の需給
11月24日(ブルームバーグ):東京証券取引所が24日に発表した11月第3週(13日-17日)の投資部門別売買動向によると、東京、大阪、名古屋3市場の1・2部合計で、個人投資家は金額ベースで415億円を売り越した。売り越しは3週間ぶり。ただ、これまでの個人は相場全般の上昇局面では売り、下落局面では買うという姿勢を続けてきたが、第3週は下落相場でも売り越しとなり、個人の手口が悪化している状況を示していると言えそうだ。

  11月3週は日経平均株価が週間で0.1%安となり、3週連続の下落。週初の13日には9月28日以来、およそ1カ月半ぶりに1万6000円を割り込む場面があった。11月1、2週の下落局面では、個人は2420億円、1160億円をそれぞれ買い越し。一方、9月最終週から10月最終週まで5週連続高したケースでは、いずれも2000億円から4000億円台の売り越しとなっていた。「安く買って高く売る」投資姿勢を貫いてきた個人が、下落週でも売り越しとなったのは7月3週以来のことだ。

  三菱UFJ証券投資情報部の藤戸則弘シニア投資ストラテジストは、「新規上場銘柄のパフォーマンスなどもさえず、個人は壊滅状態。相場を見ながら売買する向きのほかに、証券優遇税制撤廃の動きなどもあり、日経平均が1万 6000円ならあらかじめ売っておこうとする動きも徐々に出始めている」と指摘した。

  大手インターネット証券の松井証券のまとめによると、同証を通じて信用取引の買いを行っている個人の評価損益率は17日段階でマイナス13.9%。1週間前の10日のマイナス12.5%から手口が悪化している状況が分かる。

  一方、外国人投資家は現物(金額ベース)では3週間ぶりに買い越し、金額は651億円だった。ただ、同時に公表されたTOPIXを中心とする株価指数先物の取引状況を見ると、2729億円を売り越しており、実質的には2000億円以上の売り越し。三菱U証の藤戸氏によると、「欧州系証券の先物売り持ち高の積み上げが目立っている。これはいずれ現物株と差し替えられるとみられ、海外資金の日本株のウエートを削る動きである可能性が警戒される」という。

  このほかの投資主体別動向は、信託銀行が356億円、証券自己が719億円のそれぞれ売り越し。証券自己は3週連続の売り越しで、大和総研投資戦略部の木野内栄治チーフテクニカルアナリストは、10月末に実施されたTOPIXの3月決算銘柄に関する浮動株比率調整の動きとの相関性を指摘。「インデックスの入れ替えに伴う売買増加を見込んだ証券自己の在庫の積み上げが巻き戻すため」(同氏)と分析している。  買い越しは長銀・都銀・地銀等の122億円、投資信託の457億円、事業法人の153億円などだった。投信の買い越しは3週連続。