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9月米企業在庫:0.4%増-売上高は2%減、96年以来で最大の減少率
11月14日(ブルームバーグ):米商務省が14日に発表した9月の米企業在庫は前月比で0.4%増加した。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想中央値は0.6%の増加だった。8月は速報と同じ0.6%増。

9月の企業売上高は前月比2%減少し、前月の0.5%増からマイナスに転じた。減少率は1996年1月以来で最大。在庫比率は1.30カ月と、前月の1.27カ月から拡大した。


10月の米生産者物価指数:全完成品1.6%低下、コアは0.9%低下(2)
11月14日(ブル-ムバ-グ):米労働省が14日に発表した10月の生産者物価指数(PPI)全完成品は前月比1.6%低下と、2カ月連続でマイナスとなった。低下幅は前月の1.3%を上回り、ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想中央値(0.5%)も上回った。PPIが2カ月連続で低下したのは2004年7月以来で初めて。エネルギーコストと自動車価格の低下が影響した。

一方、振れの大きい食品とエネルギー価格を除いたコア指数は前月比0.9%低下と、前月の0.6%上昇から反転した。低下幅は1993年以来で最大。同項目のエコノミスト予想中央値は0.1%の上昇だった。

10月の統計を項目別に見ると、エネルギーが前月比5%低下(前月8.4%低下)し、全体を押し下げた。ライトトラックは同9.7%低下した(同3.5%上昇)。フィラデルフィア連銀がまとめたリポートによると、エコノミストらは景気が予想以上に弱いことを踏まえ、インフレ見通しを下方修正している。

PPIは1-10月期に2%低下。前年同期は6.4%の上昇だった。また、PPIコアは年初来0.7%上昇し、前年同期の1.6%上昇から伸びが鈍化した。

10月のPPI指数は前年同月比では1.6%低下(前月0.9%上昇)した。比較対照となる昨年10月の数値は、大型ハリケーン「カトリーナ」来襲に伴う原油高の影響で押し上げられた。コア指数は10月に前年同月比0.6%上昇(前月 1.2%上昇)。

ガソリン価格は10月に前月比7.9%低下。天然ガスは9.3%低下と、過去最大の低下幅となった。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)で取引されている原油の10月平均価格はバレル59.14ドルと、9月の63.90ドルから低下した。

また、コア項目では、乗用車が前月比2.3%低下(前月2.8%上昇)。労働省は、乗用車とライトトラックの価格が10月に低下したことについて、自動車の品質向上を反映していることが一因だと指摘した。

食品は10月に前月比0.8%低下し、前月の0.7%上昇から反転した。資本財は同0.9%低下し、前月の0.6%上昇からマイナスに転じた。コンピューターは同 3.1%低下した。

材木や鉄鋼などの中間財指数は前月比1.1%低下した。前年同月比では0.4%の上昇。原材料指数は前月比10.5%低下した。前年同月比では22%の低下。

食品とエネルギーを除いたコア中間財指数は前月比横ばい(前月は0.1%上昇)。前年同月比では5.9%の上昇だった。一方、コア原材料指数は前月比 1.3%低下し、前月の1%上昇から反転した。同項目は前年同月比で20.1%上昇した。



10月米小売売上高:0.2%減、除ガソリン0.4%増-前月は下方修正(2)
11月14日(ブルームバーグ):米商務省が14日に発表した10月の小売売上高(速報、季節調整済み)は前月比0.2%減少した。ブルームバーグ・ニュースがまとめた10月小売売上高のエコノミスト予想中央値は0.4%の減少だった。9月は0.8%減と速報値(0.4%減)から下方修正された。

10月の小売売上高のうち、ガソリンを除いたベースで前月比0.4%増加した。JPモルガン・プライベート・クライアント・サービシズのチーフエコノミスト、アンソニー・チャン氏は、「消費は何とか持ち応えてはいるが、堅調とは言えない。経済成長の鈍化を表している」とコメントした。

10月の売上高を項目別に見ると、変動の大きい自動車を除いたベースでは前月比0.4%減少(前月は1.2%減少)だった。自動車および自動車部品販売は前月比 0.6%の増加、前月は0.7%増だった。自動車とガソリンを除く売上高は、前月に引き続き0.3%の増加だった。

建築資材や園芸用品の売上高は0.3%減少と、前月の1.8%減少から改善した。電気製品の販売は前月比で横ばい。前月は0.1%増だった。

国内総生産(GDP)の個人消費支出部門の算定に用いられるガソリンと自動車、建築資材を除く売上高は0.4%増加(前月0.6%増)。

10月のオンライン上やカタログ販売など、店舗を介しない小売売上高は 0.1%減。前月は0.3%の減少だった。総合小売店での売上高は0.7%減と、前月の0.7%増からマイナスに転じた。



7-9月実質GDP年率2.0%、7期連続成長-追加利上げ観測再燃(7)
11月14日(ブルームバーグ):2006年7-9月の国内総生産(GDP、季節調整値)は実質で前期比0.5%増、年率換算でプラス2.0%成長となった。7期連続のプラス成長となり、事前予想を上回る内容だったことを受け、最近の弱い経済指標で後退していた年内追加利上げ観測が再燃、外国為替市場では円が上昇している。

内閣府が14日発表した四半期別国民所得統計速報によると、個人消費が2期ぶりにマイナスとなったものの、民間設備投資が減速しつつもプラスを維持したことから、内需が成長率を0.1%押し上げた。一方、輸出が同2.7%増と高い伸びとなったのに対し、輸入が同0.1%減少したことで、外需は成長率を0.4%押し上げた。

成長率は、事前の市場予想(ブルームバーグ・ニュース調べ、前期比0.2%増、年率プラス1.0%成長)を上回り、前期4-6月の前期比0.5%増、年率プラス1.5%からわずかだが伸びが高まった。このところ、消費、生産関連を中心に弱めの経済指標の発表が相次いだことを受け、今回のGDP統計が追加利上げの時期を探る日銀の判断に支援材料になるかどうか、注目されていた。

7-9月GDP統計の結果が金融政策に与える影響について、バークレイズ銀行チーフFXストラテジスト、梅本徹氏は、「12月利上げはほぼ確実になったと思う。成長率は2%に乗ったし、在庫がちょっと強いのが心配だが、これで政府も福井日銀総裁にがたがた言えなくなっただろう。そういう意味でも利上げは非常にやりやすい」との見方を示した。

しんきんアセットマネジメント投信、運用本部投資調査グループの宮嵜浩エコノミストは、4-6月に政府・日銀が潜在成長率とする1%台後半をわずかに下回った後、7-9月期に再び、潜在成長率を上回る成長ペースに戻った格好だとしたうえで、「日銀の追加利上げ実施観測は、一段と強まることになろう」とコメントした。

これに対し、クレディ・スイス証券の白川浩道チーフエコノミストは「7-9月期GDP成長率の上ぶれを受け、(金利)正常化論にこだわる日銀は早期追加利上げに一段と前向きになるだろう」としながらも、「来年1-2月のマクロ経済・市場環境が追加利上げを許すものとなっているとは限らない。景気が踊り場局面に入っているとの見方を変える必要はなく、年度下期については成長率が鈍化する可能性が高いからである」と慎重な見方を崩していない。

統計発表後に始まった東京株式市場では、GDPが予想より強い内容だったことを受けて日経平均株価は上昇し、午前10時半現在、前日終値比262円46 銭高の1万6282円02銭。円は対ドルで反発し、同時刻現在1ドル=117円74 銭前後で推移、半面、債券先物相場は下落している。

ソシエテジェネラルアセットマネジメントの白石茂治常務は、「機械受注の下振れで懸念された設備投資は、依然として基調の強さが変わらないことが確認されたうえ、海外景気減速の影響が予想された輸出も落ち込みが大きくない。予想より悪化した消費も夏場の天候要因が最悪だったためで、10-12月期には回復するだろう」と指摘。「全体的には伸び率こそ巡航速度に落ち着きつつあるが、景気の拡大基調が続いているという安心感が出た内容だった」と評価した。

景気の回復基調に変化ないとの見方も

個人消費の落ち込みについては、梅雨明けの遅れなど天候不順、7月の株価低迷、所得の伸び悩みなどが影響したとみられる。ただ、消費減少は特殊要因によるもので、設備投資も過去2四半期の高い伸びの反動が出ているとの見方から、景気の回復基調に変化はないとの指摘も多い。

三菱総合研究所の大島一宏エコノミストは、足元では確かに賃金も伸び悩んでいるが、ボーナス支給時期がずれたといった要因などで実勢より低く出ている面もあるとし、「ボーナスを除く給与でみると、雇用の拡大とともに雇用者所得は今後も緩やかな増加が見込まれる。当面は消費が腰折れる可能性は小さい」との見方を示している。

気象庁によると、7月は梅雨前線が本州付近に停滞して梅雨明けが遅れたため、降水量が非常に多く、日照時間はかなり少なかった。山陰、北陸、九州地方や長野県では記録的な豪雨となり、被害も出た。8月は残暑で秋物衣料の動きが鈍かった。

内閣府によると、7月から値上げされたたばこへの支出が、4-6月の駆け込み需要の反動で減ったほか、天候不順を背景に国内旅行、エアコンなども減少した。

安田投信投資顧問の茶野宏ファンド運用部長は、個人消費の落ち込みの背景として「消費を刺激するようなものがなかったこと」を挙げた。今後は、「マーケティング戦略などの企業の努力次第」とし、「切り口の変わった、新しい消費スタイルを提案するショッピングセンターなど供給面からの動向には注目している。天候が悪いというのは言い訳に過ぎない。天候が悪くても売れるものは売れる」との見方を示した。また、「クリスマス商戦は注目しているが、12月に入ってからなので、シナリオを描くのには少し早い」としている。

設備投資

民間設備投資は、1-3月に前期比3.7%増加したあと、4-6月(同3.5%増)、7-9月(同2.9%増)と鈍化したが、10四半期連続でプラスを維持。堅調さを改めて示した。

大島氏は、「設備の不足感の強まり、企業収益の堅調もあり、2007年にかけて拡大基調が維持されるだろう。7-9月の伸び率低下は、中期的な回復過程における短期的な調整の範囲内とみるべきだ」としている。

民間設備投資の先行指標とされる船舶・電力を除く民需の受注額が、9月に前月比7.4%減と2カ月ぶりにマイナスとなったことで、投資の先行きへの懸念が高まっていた。大田弘子経済財政相は14日午前の閣議後の会見で、「全体として基調は変化していないとみている」と指摘し、景気全体についても「腰折れの懸念は今のところない」と強調した。

一方で、先行きについて慎重な見方もある。日本政策投資銀行調査部の鈴木英介氏は、7-9月までは好調な企業決算を背景に伸びていたとしたうえで、「機械受注にやや弱い動きがみられること、企業がことし下期の業績見通しに慎重な姿勢を崩していないことなどから、今後は設備投資の伸びが鈍化する」とみている。

デフレーター

今回から消費者物価指数(CPI)の基準改定が反映され、過去にさかのぼってデフレーターが改定された。このため、過去の成長率も修正された。

一般的な物価を示すGDPデフレーターは前年同期比0.8%下落と、前期の 1.2%下落(改定値)から縮小。国内需要デフレーターは同0.1%上昇した。名目GDPは前期比0.5%増、年率プラス1.9%成長だった。大田弘子経済財政相は会見で、「デフレ脱却は視野に入ってきた」との見方を示した。

10-12月の成長率は持ち直すとの見方

先行き10-12月について民間エコノミストの間では、成長が持ち直すとの見方が多い。三菱UFJ証券、経済調査部の向吉善秀シニアエコノミストは、「10-12月期は成長率が持ち直す可能性が高く、景気の拡大基調は維持される」との見方を示す。生産活動が好調なほか、消費もサービス支出が堅調で株価回復によるマインド改善も見込まれると指摘。設備投資は大企業製造業のみならず中堅・中小企業、非製造業の業種で幅広く拡大しており、当面は高い伸びが見込まれるとみている。

また新光総合研究所の宮川憲央エコノミストは、7-9月は夏場の天候不順といった一時的要因の影響で消費が不調だったという面があり、消費は基調として緩やかな増加が続くとしたうえで、「10-12月は反動的に大きく持ち直す」と予想。発表前の同総研の予想では10-12月GDPは実質で前期比0.9%増、同年率で3.6%。一方で、米国経済減速に伴う輸出の減速、輸出と連動性の高い設備投資の増勢鈍化、電子部品・デバイスの在庫積み上がりを背景とした生産抑制などが起こる可能性もあるとして、国内経済の基調としては減速傾向が当面続くとの見方を示した。

戦後最長の回復へ-3度目の踊り場も

2002年1月を谷とした現在の景気拡張局面は11月で58カ月に達し、「いざなぎ景気」(65年10月-70年7月、景気拡張期間57カ月)を超え事実上、戦後最長の回復となっている。正式な景気の山谷判断は内閣府の景気動向指数研究会が決定するが、10月の月例経済報告では景気の「回復」を確認しており、戦後最長に並んだ可能性は高い。

大田弘子経済財政政策担当相は、10月の月例経済報告などに関する関係閣僚会議後の会見で、月例経済報告でみると今景気回復は57カ月に達し、期間でみるといざなぎ景気に並んだとの認識を示している。10月の月例経済報告は、景気の現状について「回復している」とし、8カ月連続で判断を踏襲。事実上、今景気拡大は57カ月に達し、「いざなぎ景気」に並んだことになる。

しかし、日本経済は年度後半から米国経済の鈍化などを背景に一時的に減速するとの見方も多い。ブルームバーグ・ニュースが民間調査機関を対象に毎月実施している「ブルームバーグ景気調査・10月中旬調査」では、実質GDP(国内総生産)は10-12月に前期比0.7%増加したあと、07年1-3月に同0.5%増、4-6月に同0.4%増と緩やかに減速する見通し。輸出は10-12月に同1.0%増、07年1-3月に同0.6%増と鈍化する見込みだ。同調査は10月12日から20 日にかけて実施した。

06年度下期の国内景気について日本総合研究所では、米国景気減速の影響本格化、緩慢な賃金回復力を背景に内外需とも拡大ペースが減速するとみている。日本の輸出について同総研の石川誠エコノミストは、「06年度下期は資源国向けの好調による一定の下支え効果が引き続き期待される一方、米国景気の減速が明確化していくなかで、現地向け最終財の増勢が鈍化していくことは不可避」との見方を示す。さらに、米国景気と連動性が高いアジア生産拠点向けの中間財輸出を下押しする可能性もあると指摘する。

また同氏は、電子部品・デバイスをはじめとしたIT(情報技術)関連財の出荷・在庫動向にも注意が必要で、内外の年末商戦が期待はずれの結果となれば、07年入り後、調整の動きが広がるリスクがあるとしている。

米国の実質GDPは、前期比年率で06年1-3月に5.6%となったあと、4 -6月は2.6%増、7-9月に1.6%増と減速した。また、国際通貨基金(IMF)は2日の西半球諸国に関する年次リポートで、2007年の米成長率見通しを2.6%と、9月時点の予想(2.9%)から0.3ポイント引き下げた。米経済は住宅市場の減速や個人消費の鈍化の影響を受けると指摘している。



あおぞら銀が東証1部上場、502円で初日終了-売買高は公開数の24%
11月14日(ブルームバーグ):東証1部に14日新規上場したあおぞら銀行は売り出し価格(570円)を12%下回る502円で取引を終えた。売り気配で始まり、午前10時15分に売り出し価格を13%下回る495円で初値を付けた。初値直後に494円まで下げたが、その後は買いがやや優勢となり一時は517円まで戻した。

公開株数6億6661万3000株(公募なし、国内売り出し2億9869万5000株、海外売り出し3億1711万4000株、オーバーアロットメントによる追加売り出し 5080万4000株)に対し、売買高は1億6018万2000株となり、東証1部の売買高ランキングで首位。売買代金は807億9471万円で、東証1部ランキングの2位となった。東証1部上場案件で初値が公開価格を下回ったのは、1日のアコーディア・ゴルフ以来。

初日の売買高は公開株数の24%に過ぎないことから、市場では「当面は公開株を手にした投資家からの売り圧力が強く、上値の重い展開が続きそうだ」(大和証券SMBCエクイティ・マーケティング部の西村由美課長代理)との声が聞かれた。

前身の日本債券信用銀行は1998年に経営破綻により一時国有化され、上場廃止となった。その後、米投資ファンドの主導で再建を果たし、実質的に8年ぶりの再上場となる。

明治ドレスナー・アセットマネジメントの笠谷亘シニア・リサーチ・アナリストは、売り出し価格について「中期的に業績が順調に成長し続けることを織り込んだ水準で設定されている」として、割高感は否めないとの見方を示していた。

上場による資金吸収額は約3800億円となり、公募と売り出しで1600億円を集めた野村不動産ホールディングスを大きく上回り今年最大。1998年10月に約2兆円の規模で上場したNTTドコモ以来の大型案件で、市場の注目度は高い。売り出し価格で算出した時価総額は9400億円に達する。主幹事は、ゴールドマン・サックス証券、モルガン・スタンレー証券、日興シティグループ証券の3社が共同で務める。

相場環境があまり良くない中での大型上場となったことから、需給悪化などを通じ市場心理が後退する懸念を指摘する声も上場前には多く聞かれたが、「事前の評判が芳しくなかったため公開価格割れにサプライズがないほか、朝方発表された7―9月期のGDPが市場予想を大きく上回ったことにも助けられ、今のところ市場への影響はほとんどないようだ」(富士投信投資顧問の岡本佳久執行役員)。

売り出し価格は、仮条件(550-610円)の下限に近い水準に決まった。仮条件の上限価格に決まらなかったのは2004年11月に上場した丸八証券以来のこと。目論見書での想定売り出し価格(590円)も下回る。

新生銀とのPER比較で割安感乏しい

市場では、あおぞら銀の株価を比較する対象銘柄として新生銀行を挙げたうえで、予想株価収益率(PER)から判断して割安感は乏しいとの見方が多い。あおぞら銀の連結予想PERは潜在株式調整前で10.9倍。一方、新生銀は前日終値時点で10.6倍とほぼ同水準にある。

コメルツ投信投資顧問の山本平社長は、特徴あるリテールサービスをしており預金量も多い新生銀と比べて、あおぞら銀は再建を果たしたものの上場後の成長戦略が今ひとつ見えないと指摘。その上で「短期のディーリング銘柄としては面白いと思っている投資家もいるようだが、通常の機関投資家が上場時に買って中長期的に保有する魅力には欠ける」と話していた。

投資銀業務が強み、リテールに課題も

もっとも、企業のファンダメンタルズ(基礎的条件)面では将来性があるとして評価する向きもある。明治ドレスナーの笠谷氏は「有望分野である投資銀行業務が、粗利ベースで全体の6割近くを占めていることが強みだ。中でも、日債銀時代から注力していた不動産関連ビジネスが、今後の地価上昇の恩恵を受けて伸びる公算」と述べる。半面、リテール業務では顧客数と預金量が相対的に少ないのが弱点で「この部分の克服が今後の課題」(笠谷氏)といえそうだ。

2000年には国が保有する株式の一部をソフトバンク、オリックス、東京海上(当時)などが取得。その後、ソフトバンクは高速通信事業の資金を得るために、保有する株式を2003年に米投資ファンドのサーベラスに売却した。それからは、6割強の株式を握るサーベラスが、再上場に向けた準備に着手した。今年4月には長期信用銀行から普通銀行に転換。社債を発行したり、個人向け業務を強化するなど、上場後の経営戦略の布石を打っていた。

07年3月期の連結業績は経常収益が前期比20%増の2067億円、経常利益は同6.1%増の652億円を見込む。1株当たり利益は52円34銭の見通し。



東京市場は株高・円高・債券安-GDP予想上回る、12月利上げが再燃
11月14日(ブルームバーグ):東京株式・金融市場は、7-9月期の国内総生産(GDP)発表を受けて、株高・円高・債券安(金利上昇)となった。実質成長率が予想を上回り、設備投資も堅調だったため、機械受注統計の悪化などでいったん後退していた日本銀行による早期利上げ観測が再び高まってきた。年末にかけての日米の個人消費が今後の焦点に浮上している。

7-9月期の実質GDPは前期比0.5%増、年率換算で2.0%増となった。ブルームバーグによる事前予想調査では同0.2%増、年率1.0%増。一部にはマイナス成長に陥るとの見方もあった。

個人消費はマイナスだったものの、日銀が先行きの過熱を懸念する設備投資は前期比2.9%増と堅調。一般的な物価動向を示すGDPデフレーターは前年同期比0.8%下落と、マイナス幅が前期より縮小した。前期4-6月の実質GDPは同0.4%増、年率1.5%増に上方修正された。

三菱UFJ証券の水野和夫チーフエコノミストは、今回のGDPを「非常にいい数字だったと思う。消費のマイナスはほとんど予想通り。設備投資は比較的強い。日銀が12月に利上げする可能性が高まってきた」と評価した。

今後の景気拡大や利上げ時期を占うポイントとして、水野氏はクリスマス商戦など年末にかけての個人消費を挙げた。前期比0.3%増と積み上がった在庫は「パソコンやデジカメなどが売れるという期待のもとに積み上がっていると思うので、消費が盛り上がってこないと、意図せざる在庫増に変わってしまう」と指摘した。

株・債券は節目突破が相次ぐ

東京株式相場は大幅に反発。景気の拡大基調が続いているとの安心感から、日経平均株価は一時1万6300円を超え、TOPIXも3営業日ぶりに1600ポイントの大台を回復する場面があった。 前日の株式市場では、GDPのマイナス成長もあり得るとの懸念から、日経平均株価が一時、約1カ月半ぶりに1万6000円を割り込み、TOPIXは昨年5月18日以来の7日連続安となっていた。

債券相場は大幅安(利回りは上昇)。景気回復と利上げ観測を受けて、長短金利が軒並み上昇した。 新発10年物国債利回りは1.7%台を回復。金融政策に敏感とされる新発2年債の利回りも、約3カ月半ぶりの水準に上昇した。1年物割引短期国債(TB)の落札利回りは過去最高を記録。将来の政策金利を念頭に取引するユーロ円金利先物市場では2007年3月物の金利が一時、0.740%に上昇した。

前日の債券相場ではGDPの悪化を見込んだ買いが入り、先物中心限月は約1カ月半ぶりの高値を更新。新発10年債利回りは1.655%まで低下し、今年度下期の最低を更新していた。

円相場は米欧の指標にも目配り

外国為替市場の円相場はGDP統計発表の直後、大幅に上昇。景気の回復を背景に日銀が早期利上げに踏み切り、内外金利差が縮小するとの見方が強まった。円は対ドルで一時1ドル=117円54銭、ユーロに対しても1ユーロ=150 円71銭に上昇する場面があった。 ただ、14日は米欧でも、ユーロ圏のGDPや米国の小売売上高といった重要指標が発表されるため、円の上値も限定的だった。モルガン・スタンレー証券東京支店のジョセフ・クラフト為替本部長は「為替相場は海外にも目配せが必要なため、GDPに対する反応は債券相場に比べて限定的となった」と語った。

設備投資は「予想外」

前期比0.5%増となった今回のGDP統計では、設備投資の予想外の強さに加え、在庫と外需の成長への寄与度の大きさが注目を集めた。

設備投資は前期比2.9%増。9月の機械受注が前月比7.4%減と大幅に悪化したことで広がっていた景気悲観論を払拭し、早期利上げ観測の高まりにつながった。リーマン・ブラザーズ証券東京支店の白石洋エコノミストは「日銀は設備投資の過熱をリスク要因と強調しているため、非常に重要」と指摘する。

在庫の寄与度は0.3%ポイントと、0.5%増の実質GDPの半分以上を占めた。先行きの在庫調整による生産の減少を懸念する声がある一方、みずほ証券の落合昂二シニアマーケットアナリストは「BBレシオの改善もあり、年末商戦に備えたポジティブなもの」と解釈する。三菱UFJ証券の水野氏も、積極的な在庫積み増しと見ている。

成長の外需依存も鮮明だ。GDPに対する寄与度は0.4%ポイントと、5分の4を占めた。みずほ証券の落合氏は「今回の景気回復局面で重要なのは外需だ。企業は輸出増を背景に設備投資を増やしてきた」と解説。機械受注統計の「外需」は、かつては「船舶を除く民需」の半分程度だったが、最近逆転するに至ったと指摘する。

日米の消費動向がカギ

となると、先行きのカギを握るのは日米の個人消費だ。年末にかけて持ち直せば、輸出増と国内の消費増を受けて在庫が減少し、生産の増加や設備投資の持続という好循環が生まれると三菱UFJ証券の水野氏らは見ている。大和総研の牧野潤一シニアエコノミストは、7-9月期の消費減は天候不順などの特殊要因による一時的なもので、10-12月期には盛り返すと予想する。

各主要市場の参加者コメント

<株式> ◎ソシエテジェネラルアセットマネジメントの白石茂治常務 「全体的には伸び率こそ巡航速度に落ち着きつつあるが、景気の拡大基調が続いているという安心感が出た内容だった」 「機械受注の下振れで懸念された設備投資は、基調の強さが依然として変わらないことが確認されたうえ、海外景気減速の影響が予想された輸出も落ち込みが大きくない。予想より悪化した消費も、夏場の天候要因が最悪だったためで、10-12月期には回復するだろう」

◎安田投信投資顧問の茶野宏ファンド運用部長 「相場は過度に悲観しすぎていたところがあるため、目先は戻る可能性がある。ただ、強気になれるほどではない」 「生産設備はフル稼働の状態にあるため、ここから設備投資が伸びていくのは難しい。設備投資のモメンタムは落ちているため、今後は個人消費が設備投資の落ち込み分を支えることができるかがポイントだ。ただ、個人消費はまだエンジンがかかっておらず、時間がかかるかもしれない。設備投資から個人消費へバトンが移るか注目している」 「個人消費の落ち込みの背景には、消費を刺激するようなものがなかったことが挙げられる。今後は、マーケティング戦略などの企業の努力次第とみている。切り口の変わった、新しい消費スタイルを提案するショッピングセンターなど、供給面からの動向には注目している。天候が悪いというのは言い訳に過ぎない。天候が悪くても売れるものは売れる。クリスマス商戦は注目しているが、12月に入ってからなので、シナリオを描くのには少し早い」 「設備投資が鈍化傾向となり、個人消費が弱いとなると、輸出オンリーになる。きょうのGDPの発表を受け、為替市場のドル・円相場は円高傾向となっている。円安を支えに堅調だった輸出株は、為替想定の点で、やや警戒感が出てもおかしくはない」

◎第一勧業アセットマネジメントの有村秀夫シニアファンドマネージャー 「過去数週間マイナスの方にコンセンサスがどんどん向いていたので、今日のGDPは市場にとってサプライズはサプライズ。消費のマイナスは予想されていた通り、輸出が助けになったのと、設備投資が思いのほか落ちていなかった」 「今日が1つの転換点となって、日本経済に対するセンチメントの方向性が変わるのではないか。グローバルで落ち込んでも日本はそこまで落ち込まないという見方をする投資家も出てくるのではないか。割安になっている金融株など内需関連銘柄は今日しっかりリバウンドするだろう」

◎大和住銀投信投資顧問株式運用部の窪田真之シニアファンドマネージャー 「マイナスの予想が出ていた。プラスはポジティブ。株は買い戻されている。日経平均は2004年と非常に似ている。今回も一時的な停滞か、回復か、年内は結論が出ない」 「中身の分析をしなければならない。内需は予想通り弱いということが再確認された。消費が弱い。強かったのは設備投資。外需が好調」 投資家心理には「全体としてみればプラス。来年にかけて、景気後退派が勢いづくところだった。とりあえず、景気後退派が勢いづくことができなくなった」 「日銀の最近の発言は、利上げしたいという気持ちがよく伝わってくる。今回は設備投資が強い。早期利上げをあきらめる要因にはならなかった。インフレ関係の指標は弱い。どっちつかず。経済的な見方と政治的な見方がある。政治的なかけ引きもあり、予想は難しい」

<債券> ◎AIG投信投資顧問債券運用部の横山英士ポートフォリオマネジャー 「かなり強い数字という印象。事前のコンセンサスである年率1%程度を大幅に上回った」 「戻り売りがかなり先行するような展開。きのうまでの相場でコンセンサスよりも弱い数字、一部ではマイナス成長という声もあったので、その辺りが織り込まれた水準なので、ここから戻り売りが先行すると思う」 「新発10年債利回りは1.7%を上回る展開。先物は134円台半ばくらいまで売られるような反応になるだろう」 「日銀の見通しに沿ったような数字で、それを若干上回るような感じとなっている。水、木の金融政策決定会合が注目されるが、福井俊彦日銀総裁のコメントも多少強気になるだろう。この辺りは債券相場にとってはネガティブな材料になると思う」

◎ABNアムロ証券の市川達夫チーフ債券ストラテジスト 「GDPが2期連続で潜在成長率を下回れば早期利上げは困難との見方があったが、4-6月期も年率プラス1.5%に上方修正されたこともあり、月末以降の指標次第で年内利上げの可能性が高まるとの見方につながった」

◎大和住銀投信投資顧問債券運用部の伊藤一弥ファンドマネジャー 「GDPのヘッドラインは市場にサプライズ(驚き)を及ぼすに十分な数字だった」

<為替> ◎バークレイズ銀行の梅本徹チーフFXストラテジスト 「12月の利上げは、ほぼ確実になったと思う。成長率は2%に乗ったし、在庫がちょっと強いのが心配だが、これで政府も福井総裁にがたがた言えなくなっただろう。そういう意味でも利上げは非常にやりやすい」 「中身を見ると外需主導で、これは円買い要因。利上げとか、政府からのプレッシャーが減るとか、外需主導という意味で、円ポジティブだ。ドル・円相場は12月末までに1ドル=115円までいくと思う」

◎日興シティグループ証券経済・市場調査部の山本雅文為替ストラテジスト 「日銀が12月に利上げをする可能性が高まった。ただ、利上げペースが速まるというわけではなく、円と他通貨との金利差が目立って縮小することにはならない」

◎新光証券の林秀毅グローバルストラテジスト 「今後の設備投資動向を占う機械受注などの指標を総合的に見極めて、景気のマイナス面も考慮する必要があるなかで、福井俊彦日銀総裁の発言がトーンダウンする可能性もある」 「PPIは製造業部門の悪さを背景に下振れの可能性があり、景気の軟着陸が中期的なインフレ期待を抑えるとの米金融当局のシナリオが確認されれば、米金利の先高観が抑えられる可能性がある」



9月の米企業在庫率:1.30に上昇、売上高2%減(統計表)
【記者:Kristy McKeaney】

11月 14日 (ブルームバーグ)-- 米商務省が発表した9月の米企業在庫の概要は次の通り。 ============================================================================

9月 8月 7月 6月 5月 4月 前年

2006 2006 2006 2006 2006 2006 同月比 ============================================================================ 企業在庫高-合計 0.4 0.6 0.7 0.9 1.1 0.7 7.6

3ヵ月年率変動 $92.1 $115.9 $139.2 $139.2 $131.4 $76.6 n/a 製造業者 0.6 0.6 0.8 0.9 0.7 1.0 7.4 小売業者 -0.1 0.3 0.4 0.9 1.6 -0.1 6.1

除く自動車 0.1 0.6 0.3 0.5 0.7 0.2 4.3

自動車・同部品 -0.7 -0.3 0.5 1.6 3.5 -0.6 9.8

百貨店 0.3 0.7 0.9 0.5 0.7 -1.1 0.9 卸売業者 0.8 1.2 0.9 0.8 0.9 1.3 9.9 ---------------------------------------------------------------------------- 売上高- 合計 -2.0 0.5 0.5 0.2 1.6 0.6 4.9 製造業者 -3.5 0.8 -0.1 -0.1 2.5 -0.1 2.4 小売業者 -1.0 -0.2 1.5 -0.5 0.2 0.7 4.8 卸売業者 -1.2 0.7 0.5 1.2 1.9 1.5 8.1 ============================================================================

9月 8月 7月 6月 5月 4月 前年

2006 2006 2006 2006 2006 2006 同月比 ============================================================================ 売上在庫比率 1.30 1.27 1.26 1.26 1.25 1.26 1.26 製造業者 1.22 1.17 1.17 1.16 1.15 1.17 1.16 小売業者 1.50 1.49 1.48 1.50 1.48 1.46 1.48 卸売業者 1.18 1.16 1.15 1.15 1.15 1.16 1.16 ============================================================================ 注:すべてのい指数は季節調整済。ドル表示単位は10億ドル。

出典:米国商務省 http://www.census.gov/mrts/www/mrts.html