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11/13 ブルームバーグ 記事

10月英生産者物価:出荷価格が前年比1.7%上昇-2年ぶりの低い伸び
11月13日(ブルームバーグ):英政府統計局(ONS)が13日に発表した10月の生産者物価指数(PPI)は出荷価格(季節調整前)が前年同月比で1.7%上昇と、2年ぶりの低い伸びとなった。原油・燃料コストの減少が寄与した。

ブルームバーグ・ニュースがエコノミスト28人を対象に実施した調査(中央値)では、1.9%の上昇と見込まれていた。また10月の仕入価格を示す指数は季節調整前で前年同月比3.8%の上昇と、2004年6月以来の低い伸びとなった。前月比はそれぞれ0.2%低下、0.1%の低下だった。

リーマン・ブラザーズ・インターナショナルのエコノミスト、アラン・キャッスル氏(ロンドン在勤)は、「生産者物価指数の伸びの鈍化は、金融当局者らにいくらかの自信をもたらすはずだ」と指摘。同時に「インフレ率はまだ上昇するだろう」と述べた。

消費者物価指数は5カ月連続でインフレ指標の2%を上回っており、先物取引は、投資家が来年、政策金利を5.25%まで引き上げると見込んでいる。


米トウモロコシが異例の急騰:PIMCOなど商品ファンドの利益拡大
11月13日(ブルームバーグ):米国のトウモロコシ農家は、ことしは豊作になると予想していた。農家にとって驚きだったのは、予想通りの豊作にもかかわらず相場が急騰したことだ。

トウモロコシ相場は過去1年間で77%高騰、1996年以来の高値となり、清涼飲料最大手の米コカ・コーラや食肉加工最大手の米タイソン・フーズの利益を圧迫している。米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)など投機筋のリターン(投資収益率)は、7月時点の予想を早くも上回っている。

米国産トウモロコシが過去3番目の豊作となったにもかかわらず、相場の上昇は止まらない。飼料用やエタノールメーカー向け販売の拡大と、世界的な穀物不足により、トウモロコシ相場は先週、1ブッシェル当たり3.72ドルまで上昇した。PIMCOで140億ドル(約1兆6400億円)相当の商品ファンド「コモディティ・リアル・リターン・ストラテジー・ファンド」を運用するブレント・ハリス氏は、需要が鈍化するにはトウモロコシ相場が5ドル台に乗せる必要があるとの見方を示す。

ディンクラージュ・フィードヤーズ(ネブラスカ州)のトム・オコンネル・ジュニア最高経営責任者(CEO)は「トウモロコシ相場は現在、かなりの玉締め状態(真価を大きく上回るような高い相場でなければ売り建玉を買い戻すことができないような状態)となっており、この状態は半年から1年は続くだろう」と指摘。オコンネル・ジュニアCEOによると、16万5000頭の牛を飼育する同社は、1頭当たり最大100ドルの損失を出す可能性がある。

トウモロコシの過去3カ月間の上昇率は44%と、商品相場で最も高く、過去最高値を更新した亜鉛やニッケルを上回った。世界最大の穀物取引所であるシカゴ商品取引所(CBOT)では、トウモロコシなど農産物先物の売買高が先月、2倍以上に増加し、過去最高に達した。

「サプライズ」

歴史的に見て、米国では豊作を受けてトウモロコシ相場は下落する。収穫高が過去最高の118億700万ブッシェルとなった2004年には、4月に1ブッシェル当たり3.40ドル近辺だった相場が10カ月後には1.94ドルまで下落した。ことしは、大半の農家が収穫を開始した9月末以降、相場は31%高騰している。

需要面で最も意外なのは、世界の飼料向けトウモロコシの販売需要が拡大し、米国産トウモロコシの消費が伸びていることだ。鳥インフルエンザや牛海綿状脳症(BSE)の発生も牛肉や豚肉、鶏肉の生産鈍化にはほとんどつながっていない。米農務省(USDA)の統計によると、米国産トウモロコシの輸出注文は、前年比で40%増の2171万4000トンと、95年以降で最高となった。

米国で昨年、ガソリン添加剤としてのエタノールの使用拡大が義務付けられたことなどからもトウモロコシ相場の高値が続く可能性があると、PIMCOのハリス氏はみている。

ハリス氏は「需要サイドの新たな上昇要因が突然現れたのだから、驚きだ」と述べ、米中西部で来年の作付けが始まる5月までに相場が4.50ドルに達するとの見通しを示した。「商品の上昇相場は通常、供給サイドの要因がけん引するとみられているが、今回は違う。需要サイドの大きな要因が主導している」と指摘した。

今週の相場見通し

農家は今週、最近の相場上昇で利益を得るため、新規に収穫したトウモロコシの売りを増やし始める可能性がある。

ブルームバーグが10日にトレーダーや農業アドバイザー、穀物販売業者26人を対象に実施した調査では、14人がトウモロコシの売りを推奨した。トウモロコシ相場は先週、0.3%上昇し、96年4月以来の高値に達した。大豆の売りを推奨した人も14人で、下落率は過去3週間で最大になるとみている。



米小売り大型株と半導体株、投資判断を引き上げ-米シティグループ
11月13日(ブルームバーグ):米シティグループのストラテジストが13 日までに、米国の小売り大型株と半導体株の投資判断を「マーケットウエイト」から「オーバーウエイト」に上方修正した。株価水準や「前向きなセンチメント」を理由に挙げている。

一方、食品小売りや医薬品、バイオテクノロジー(生命科学)の投資判断は「株価水準や業績修正懸念」を理由に「マーケットウエイト」に下方修正した。11月10日付のリポートで修正内容を明らかにした。

シティはまた、「推奨リスト」から外食店チェーン最大手のマクドナルド、航空制御装置最大手ハネウエル・インターナショナル、医薬品メーカーのジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)とワイスを除外。一方で、半導体最大手インテル、オフィス用品小売り2位のオフィス・デポ、複合大手のゼネラル・エレクトリック(GE)を同リストに新たに加えた。


欧州産業連盟:ECBに来年の利上げ休止求める―12月の引き上げ後
11月13日(ブルームバーグ):欧州産業連盟(UNICE)は13日、欧州中央銀行(ECB)がすでにインフレを抑制していると指摘したうえで、来年の利上げを休止するよう求めた。

UNICEのアーネス・アントワン・セリエール会長はブリュッセルで記者会見し、ECBは12月に利上げを実施すると予想されているが、その後「さらに利上げすることは、われわれが望んでいる景気拡大に反する。インフレ加速が見られない限り、2007年に利上げを休止することが必要だ」と言明した。


世界景気の「予想以上の好調さ」が欧州経済を後押し-UNICE
11月13日(ブルームバーグ):欧州産業連盟(UNICE)は13日、世界景気やユーロ圏内の状況の「予想以上の好調さ」が、欧州経済を後押ししているとの認識を示した。

UNICEは、ユーロ圏の成長率見通しを上方修正。今年は2.5%、来年は 2.0%になると予想した。これまではそれぞれ2.0%、1.7%と見込んでいた。

さらに今年のインフレ率見通しを2.3%(従来は2.1%)、来年を2.2%(同1.9%)にそれぞれ引き上げ。その上で、ドイツ付加価値税の引き上げによる影響を除けば、来年のインフレ率は、欧州中央銀行(ECB)の目標(2%をやや下回る水準)を下回るとの見通しを示した。



TOPIXが1年半ぶり7連敗、GDP不安-内需と資源安い(終了)
11月13日(ブルームバーグ):週明けの東京株式相場は、TOPIXが昨年5月18日以来の7日連続安。日経平均株価も取引時間ベースで9月28日以来、一時1万6000円を割り込んだ。先週末の機械受注などマクロ経済指標の下振れが続き、あすの7-9月期GDP(国内総生産)に対する不安感が高まった。銀行や不動産など内需関連株中心に幅広く売られ、銅など国際商品市況安を受け、石油や非鉄金属など資源関連株も大幅安となった。

安田投信投資顧問の磯正樹株式運用部長は、「先週末の機械受注に象徴されるように国内でも景気減速局面入りがはっきりしてきた。一本調子で拡大してきた景気も、今年年末から来年初にかけて踊り場を迎えそうだ」との見方を示した。

日経平均株価の終値は89円94銭(0.6%)安の1万6022円49銭、TOPIXは12.61ポイント(0.8%)安の1568.76。東証1部の売買高は概算で16 億3564万株。値上がり銘柄数は314、値下がり銘柄数は1320。

東証業種別33指数の騰落状況では、値上がり業種が4、値下がり業種が29 となっている。電気・ガス、食料品、精密機器などが高い半面、非鉄金属、鉱業、卸売業、倉庫・運輸関連、機械、不動産などが安い。

前回の踊り場、04年のケースは?

10日の9月機械受注が季節調整済みで前月比7.4%減と事前予想(1.8%増)を大きく下回った余波は、きょうも取引開始直後から継続した。一部でマイナス成長が予測されているあすのGDPに対する警戒ムードも強く、日経平均株価は朝方にあっさりと心理的節目やテクニカル的な節目が重なる1万6000 円割れ。午後には一時198円安の1万5913円まで下げた。

丸和証券の小林治重調査情報部長は、「景気が踊り場的状況を示した前回 2004年10-11月では、株価が半年前の4月から下落に転じて予知していた。今回も4月高値後に足元で踊り場的指標が相次いでおり、来年1-2月まで景気指標は弱含みで推移する可能性がある。今回のクライマックスはあすのGDPとなりそう」と見ている。

GDPの悪化は、株価が先行して織り込んできた公算がありそうだ。ただ、丸三証券の牛尾貴投資情報部長は「事前の警戒感が強かっただけに市場予想通り0.2%成長前後なら見直し買いが入りそうだが、もしマイナス成長となれば、ショック安となる懸念が残る」(牛尾氏)と、短期的な警戒姿勢を崩さない。

銀行株指数が5カ月ぶりの安値

幅広く売られた中で、下げが目立ったのが銀行株。みずほフィナンシャルグループや三井住友フィナンシャルグループなどが終始軟調で、TOPIX銀行株指数は7日連続安で400ポイント割れとなり、6月14日以来約5カ月ぶりの安値水準となった。

銀行株の下落はファンダメンタルズと需給という2つの側面が重なったのが要因。市場では、「CPIの弱含みやコモディティの下落により、欧州投資家がデフレへの逆戻りを懸念して売っているようだ」(安田投信投資顧問の磯氏)との声が出ている。

また、あすはあおぞら銀行の大型上場を控えている。指数連動のパッシブ型のファンドはあおぞら銀行を組み入れる資金づくりのために既存の銀行株を売る必要があり、銘柄入れ替えによる需給懸念が株価の下げを大きくしている。丸三証の牛尾氏は、「あすの上場で銘柄入れ替えが一巡すれば、切り返す可能性がある」としていた。

企業業績やテクニカルが下支え

景気や需給が重しとなりながらも、日経平均は終値ベースではかろうじて1万6000円台を維持した。下落局面で下支えに働いたのは企業業績を背景としたPER水準の低さや、短期テクニカル指標の売られ過ぎだ。

牛尾氏によると、会社側の今年度予想である経常利益5%増益をベースにすればPERは19倍。しかし、市場予想の2けた増益となれば割安感が強まるという。「企業業績とバリュエーション面から1万5500円以下は想定しづらく、あと1-2週間と見られる調整局面では買い下がりが有効」との認識を示している。

また、安田投信の磯氏は、10日発表の9月OECD景気先行指数が前月比 0.5ポイント上昇したことを指摘。「国内景気のもたつきが意外に短期間で終わる可能性」(同氏)を挙げていた。

テクニカル面では、日経平均は75日移動平均1万6062円と200日移動平均の1万6053円を終値で下回った。SBI証券の鈴木英之投資調査室長によれば、「騰落レシオがきょう71%程度まで低下するなど、テクニカル的に売られ過ぎの指標も出ている」という。

資源関連株が軒並み安、NTTは続落

銅価格急落から住友金属鉱山など非鉄金属株が大幅安。非鉄金属は業種別値下がり率トップとなった。原油安から三菱商事や三井物産など大手商社株、国際石油開発帝石ホールディングスなど石油関連株も下げた。

固定と移動体通信部門の低調で中間期が減益となる一方、通期上方修正期待が高まっていたNTTは、通期予想が据え置かれたことで続落。10日の取引時間中にパチンコ機の販売競争激化から07年3月通期の連結純利益見通しを下方修正したセガサミーホールディングスも売られた。07年3月期の業績予想を下方修正したタカノは東証1部値下がり率トップ。

このほか、クレディ・スイス証券が投資判断を中立に引き下げた日本ケミファ、日興シティグループ証券が投資判断を引き下げたエルピーダメモリもそれぞれ大幅安。

JFEH、ソニー、ヤクルトなどは高い

半面、自社株買いが株主利益の立場からポジティブとされたJFEホールディングスが堅調。家庭用ゲーム機「プレイステーション3」が順調な出足となったソニーも上げた。みずほ証券が投資判断を強い買い推奨に引き上げ、目標株価1150円とした大林組も上昇。

抗がん剤「エルプラット」など医薬品事業が好調に推移するなど業績好調のヤクルト本社が3日続伸。06年9月中間期の業績を再度上方修正したメガネトップは急騰し、東証1部値上がり率首位となった。

マザーズ1カ月ぶり1100割れ

新興市場は下落した。ジャスダック指数は0.20(0.2%)ポイント安の 84.32と7日続落し、東証マザーズ指数は25.89(2.3%)ポイント安の 1095.87と続落して10月12日以来の1100割れとなった。大証ヘラクレス指数は47.66(2.6%)ポイント安の1806.83と続落。

ジャスダック市場では、テレウェイヴやファンドクリエーション、スパークス・グループ、フィールズが安い。最終大幅赤字見通しを発表したヒューネットは急落し、上場来安値。半面、楽天はNTTドコモとの新サービス「楽天オークション」の共同記者会見を午後3時に控えて急騰し、一時値幅制限いっぱいまで買われた。メイコー、竹内製作所も高い。

マザーズ市場では、GCA、ネクスト、日本M&Aセンターが下落。好決算発表のミクシィもPERでの割安感のなさから売られた。今期赤字転落見通しとなったさくらインターネットは急落し、値下がり率2位。一方、ブイ・テクノロジー、サイバーエージェントが高く、サマンサタバサジャパンは急伸。

ヘラクレス市場では、アセット・マネジャーズ、ダヴィンチ・アドバイザーズ、エフアンドエムが売られた。デジタルアーツ、クインランドは大幅安。一方、好決算を発表したアルファックス・フード・システムは値幅制限いっぱいまで買われ、ターボリナックス、ゼンケンオールも高い。



福井日銀総裁:「大変警戒」-円キャリー取引の拡大と巻き戻し(5)
11月10日(ブルームバーグ):日本銀行の福井俊彦総裁が10日午前、衆院財務金融委員会に出席し、円キャリー取引について「現実に増えている」とした上で「非常に膨れている場合は、急激な巻き戻しが起こり、さまざまな歪みをもたらすリスクが非常に大きいので、大変警戒して見ている」と言明。さらに「円キャリー取引のようなものが異様に膨らまないように、逆に巻き戻しが起こる局面においてもスムーズに行われるように心がけている」と語った。

自民党の石原宏高氏の質問に答えた。

福井総裁はまず「円キャリー取引とは何か、そもそもあまり定義のない取引だが、普通は、相対的に金利の低い資金を調達して、為替リスクを取りながら、外貨に換えて、高金利建ての資産に投資する、こういう取引と理解されている」と述べた。

福井総裁はその上で「こういった取引は、内外の金利差が大きくて、為替相場が安定傾向にある局面では、投資家として、そういう投資行動を取るインセンティブ(動機)が強まるので、こういう取引が増える傾向がある。現在は、わが国の金利が諸外国に比べてかなり低い水準にあり、その状態が続いているので、海外との関係次第ではあるが、円キャリー取引が生じやすい環境にあるのは事実であり、現実に増えている」と述べた。

福井総裁はさらに「私どもの市場担当者も、市場参加者の方々と常時、感触を交換しながら、どれくらい膨らんでいるのかつかもうという努力はしている。明確につかんでいるわけではないと思うが、つかもうと努力している。これが非常に膨れている場合には、先行きの金利観に急激な変化が生じれば、急激な巻き戻しが起こり、さまざまな歪みをもたらす。このリスクが非常に大きいので、私どもは大変警戒してここを見ている」と述べた。

サプライズだと往復のリスクも

福井総裁はまた、円キャリー取引と金融政策運営の関係についても言及し、「金融政策の運営にあたって、市場とのコミュニケーションを綿密にやらないと、非常にサプライジング(驚くよう)なことになれば、そういう現象――まず円キャリー取引が異常に膨らみ、逆にまた巻き戻しが大きくなるという、往復のリスクがあるので、常日ごろから市場と政策運営をめぐるコミュニケーションを濃密にやっていく」と語った。

その上で「そういう円キャリー取引のようなものが異様に膨らまないように、逆にアンワインド(巻き戻し)が起こる局面においてもスムーズに行われるように心がけている」と述べた。

何が何でもではないが、確信持てればゆっくり金利調整

福井総裁はまた、金融政策運営について「何が何でもある時期、絶対金利を上げなければいけないという姿勢で臨んでいるわけではない」としながらも、「(経済指標を)1つ1つ丹念に分析しながら、経済の基調に狂いがないかどうか確かめて、そこに確信が持てれば、やはりゆっくりと金利を調整していくことが、景気の芽を摘むのではなくて、逆に息の長い成長を確保する道に通じる」と語った。公明党の谷口隆義氏の質問に答えた。

福井総裁は「日銀法に規定されている通り、常に政府と意思疎通を十分図る。相互の理解の上に立って金融政策を行い、金融政策の効果を高めていく。こういう努力を続けている。経済財政諮問会議においても私は一人のメンバーとして、率直に意見を申し上げ、率直な意見交換をさしていただいている。頂戴したさまざまなご意見は金融政策を考えていく場合も大変重要な糧になっている」と述べた。

さらに「現在、極めて緩和的な金融環境を通じて、経済をサポートし続けている。私どもの今年度、来年度の経済見通しは、成長率こそ緩やかに低下するが、物価安定の下で持続的な息の長い成長を確保できる、こういう見通しに立っている。こういう見通しをより強固なものにするためには、経済が本当にこの標準的なシナリオ通りに動いていった場合には、ゆっくりと政策金利を調整することと整合的だという見通しになっている」と語った。

あらかじめスケジュールはない

福井総裁は「そういう意味では、日銀として何か利上げを急ぐとか、あらかじめスケジュールを心の中に持って、何が何でもある時期、絶対金利を上げなければいけないという姿勢で臨んでいるわけではない」と語った。

同総裁はさらに「情報技術(IT)関連部品などの在庫が急に上がっていることがいったい何を意味しているのか、丹念に点検していく必要がある。家計調査も一番最近の数字は、私どもから見ても少し弱い数字になっている。これらについても、先行きの経済にどのような意味があるのか懸命に分析している」と述べた。

その上で「こういうふうに今後とも新しい指標が出てくるが、良い指標であれ、必ずしも良くない指標であれ、1つ1つ丹念に分析しながら、経済の基調に狂いがないかどうか確かめて、そこに確信が持てれば、やはりゆっくりと金利を調整していくことが、景気の芽を摘むのではなくて、逆に息の長い成長を確保する道に通じることができる」と述べた。

安倍総理と意見の相違はない-「耳ざわり」発言で

福井総裁はまた、10月13日の経済財政諮問会議で「『成長なくして未来なし』というフレーズが一般の国民の皆さんにちょっと耳ざわりが良すぎないか」と述べたことについて、考え方に変わりはないとした上で、「安倍総理と私の間に、基本的な意見の相違はないと認識している」と述べた。

福井総裁は10月13日、安倍政権誕生後に初めて開かれた経済財政諮問会議で「『成長なくして未来なし』という理念の下で提案された民間議員のペーパーを拝読し、私も基本的に考え方に賛成である。気持ちの上で少し気になるのは、『成長なくして未来なし』というフレーズが、一般の国民の皆さんにちょっと耳ざわりが良すぎないか」と述べた。

これに対し、自民党の中川秀直幹事長は10月19日、自らのブログで「この『成長なくして日本の未来なし』は自民党総裁選における安倍政権構想の基本理念であり、党員が圧倒的多数で支持したものである。それに対して『耳ざわりが良すぎる』と公式の場で発言されたことは、単なる経済政策議論を超えた政治的意味合いを含んでいる可能性があるのか。ないのか」と批判。

中川幹事長はさらに「党務を預かる私と意見が異なるのは構わない。尊重する。しかし、安倍首相との意見の相違があるのか。ないのか」と述べた。

安倍総理の発言には十分納得

福井総裁は「中央総裁としては、独立性の観点から政治とは完全に距離を置かなければならない。したがって、私の発言にいっさい政治的な意味はない」と言明。さらに「経済財政諮問会議における当日の議論についても、安倍総理は私の発言も含めてお聞きになった上で、最終的な締めくくりの発言をしておられる。私も十分納得のいける締めくくりの発言だったと思っており、安倍総理と私の間に基本的な意見の相違はないと認識している」と語った。

福井総裁は10月13日の経済財政諮問会議で「潜在成長能力を引き上げていくためにイノベーション、オープン化、その他ここに掲げられたプログラムを実行していくわけだが、この部分は決して甘い課題ではない。国民の皆さん一人ひとりにとっても決して甘い課題ではなくて、最終的な成長の実現までにまず時間がかかる」と指摘。「短期的にはこれを苦痛と受け止める方が少なくないのではないか」と述べた。

福井総裁はさらに「日本の国内で見た場合には、イノベーションを身につけた人と、イノベーションをなかなか身につけられない人との間の所得の差は、むしろ、さらに広がるということを相当覚悟しておかなければいけないのではないか。そういう差はむしろ縮まるんだ、という幻想をあまり容易に与えない方がいいのではないか」と語った。

潜在成長力を上げるのは生命線

福井総裁は10日の衆院財務金融委員会で、これらの発言について「潜在成長能力を上げていくことは、日本経済の将来にとって生命線であり、是非実現していかなければならない。しかし、決して容易な課題ではない、ということを国民の一人一人が、われわれも含めて十分認識した上で、皆の努力の方向性が合うというふうに持っていかなければならない」と言明。

その上で「そういう難しい過程が存在するということは、私は考えようとして、変えようがない。しかし、決してギブアップしない。実現するのが難しいから途中で努力を放棄するのではなく、やはりやり遂げる方向で、国民の意思の統一を是非図っていただきたい。そういう願望を込めた発言だ」と語った。